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電子カルテ導入は医者の立場を従来より弱めますか?
小説・ジェネラル・ルージュの凱旋でしたか、数ページ立ち読みしたところ、その小説内の話ですが、その病院では電子カルテの導入に、反対する医者が多くて、その本当の訳は、これまでどおりに「カルテは患者の物ではなくて医者の物としておきたいから」というような説明がありました。 どういう事でしょうか?電子カルテの方が患者の入り込む隙のない医者の自由になるような気もするのですが。 ご教授のほど宜しくお願いします。
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医師です。 実際に現在も電子カルテを使ってます。 医師が電子カルテに反対する理由は、忙しいからです。 電カルは入力が面倒で、採血1つオーダーするにもすべて入力ですからね。 紙カルテの時は、看護婦に採血しといて、で済みましたが、現在はそうもいきません また電カルは入力日時がリアルタイムで表示されるので、後日間違いに気が付き訂正しても、いつ、誰が、どのように、カルテを書き直したかわかってしまいます。 よって、医療過誤などが明るみに出やすくなるので、反対する医師もいます。
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- t932
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補足ですが、電子カルテ導入の時はあからさまに反対した医者はいませんでした。 実は、一番抵抗したのはパソコンの苦手な当時の院長とその次のクラスの年配の先生方でした。 昭和でいえば50年代やそれ以前にに卒業した方々です。
お礼
貴重なご情報の補足をありがとうございます。 回答者さんはDr.なんでしょうか、いずれにしましても大変勉強になります。 BAを皆さんに差し上げたくてもお一人を選ばなければなりませんのでご理解いただきたいです。今回、質問は皆さんのご協力の下、当該小説の暗示めいた解説文の具体化を目指しています。 怒らないで、笑って下さいね。 病院長は間抜けそうに見えても出世するだけの事をした抜け目のない人物です。各科の医師は自己責任であり、自分一人がヘマをしなければ安泰です。しかし病院長は自分に何の落ち度がなくても部下の誰かが引き起こした事故や過失に対して無関係という訳には行きません。院長は誰よりも自分の病院に永久就職していると言えるでしょう。 ですので病院長がパソコンは嫌いじゃとボヤいてみせても、狸の本当の理由はなんとも(笑)年配クラス数人は抵抗されたのですよね。長く医師をしていれば、紙カルテでいろいろと経験を積んできているからではありませんか。私は汚い手法を決して肯定しませんが、どの世界でも生き残るというのは綺麗事では説明しきれないと思います。 重ねてご親切なご回答に感謝申し上げます。ありがとうございます。
- t932
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数年前に在籍する病院のカルテが電子化されました。そのときの導入委員会の委員も務めました。 医者の立場とか、医療過誤の時不利とかそういうの意見はなかったですね。 ただ、後からかんがえるとこの変化のときにちゃっかり自分たちの仕事を医師に押しつけられてしまったというところはあります。たとえばCTを予約を取るのは専用の場所で看護師がやってくれていましたが、電子カルテになると発生源主義とやらでその場で医師が患者の都合を聞いて予約するのです。 それでもカルテが電子化されてよかったと思います。化学療法など電子カルテで内容を2重、3重にチェックしないと不安ですからね。救急も来院する前にどういう方か通院歴があればわかりますのでいまさら紙カルテへの郷愁などありません。その小説家の方は病理医ですから最近の一般臨床を知らないのでないでしょうか。かなり特殊な病院に在籍されていましたし。 あと、カルテ内の情報は病院のもので、患者のものではありません。個人情報保護法ができて勘違いする人が多いのですが、自分に関する情報を閲覧したり誤りを修正する権利を有するだけで、情報そのもの所有がその個人にあるというわけではありません。(一般大衆にわかりにくいように注意深くそのようにこの法律は作られたそうです。)
お礼
現場の状況を具体的に教えていただきましてありがとうございます。 視野が広がりました。 今後とも宜しくお願いします。
補足
ご親切で紳士的なご回答ありがとうございます。 今回は回答者の皆さんも作家も良い人なので、質問者は欠席裁判の作家の代弁者になる必要もあります。 回答者さんに反論する意図はありません。 反対理由の意見はいろいろあったが、その反対者が導入に反対する本当の訳は、会議に出されているものではない、という文脈です。作家がどうだったのかは知りませんが、登場人物も導入委員会のような務めを任されていたと思います。 ご回答内容によると、回答者さんの病院でも、最初から反対者もなく決まったのではないのですよね。その会議で「電子カルテにしたら例えば医療過誤の時、カルテの追記が出来ませんよ」と本音を議事録に残すような発表者はいないと思います。全員思っていても、会議場の外での話のメインになるばかりです。 そこの真相を描いたのだと思います。サスペンス作家の習いが一医者としての率直な意見を書かせたのではないでしょうか。 >『化学療法など電子カルテで内容を2重、3重にチェックしないと不安ですからね。救急も来院する前にどういう方か通院歴があればわかりますのでいまさら紙カルテへの郷愁などありません。』 具体例をありがとうございます。そういう回答が分かりいいです。ただ私にはその大変さがピンと来ないのですが、各科に分かれているカルテを出す手間がかからないという事でしょうか。最終的に置き場所を一箇所にできなかったのものなんでしょうかね。 >『情報そのもの所有がその個人にあるというわけではありません。』 ですから窓口で金を簡単に払いすぎる雰囲気があるという事ですね。簡単に払ってもらえるというあたりを病院関係者側は反省すべきだと思います。十分な情報をお客に報告せずに営業されてきたのです。 ★情報は患者の物ではなくて医者の物という観念の始まりはそこらへんですよね。 >『(一般大衆にわかりにくいように注意深くそのようにこの法律は作られたそうです。)』 ですね。日本の場合、医者の利権は役人の利権でもありますから。
- rokutaro36
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医療に限らず、ブラックボックスを持っている人間が一番強いのです。 たとえば、オンリーワンの商品。 NASAが使用するボルト・ナットは、ハードロックという 日本のメーカー品だけが使用されます。 なぜなら、NASAが自ら決めた基準をクリアする商品が、世界で唯一、 ハードロックの製品だけだからです。 この製品は、新幹線にも使われています。 たかが、ボルトにナットですが、製法にブラックボックスがあって、 他のどのメーカーも基準をクリアできないのですよ。 だから、高値で売れる。 つまり、公表されないブラックボックスがあれば、 それを開く鍵を持った者が、関係者で一番強くなるのです。 電子カルテは、ブラックボックス化を否定するシステムなのです。 厚生労働省が電子カルテを推進する理由は、 カルテというブラックボックスをオープン化しようというのが、 究極の目的です。 例えば、保険会社がこの電子カルテに非常に関心を持ち、 推進に協力しています。 なぜなら、オープン化が完成して、チップ化されれば、 告知の変わりに、契約希望者のカードを読み取るだけでOKとなり、 告知義務違反がなくなるだけでなく、より詳細なデータの蓄積ができます。 患者にしてみれば、いつでもセカンドオピニオンを受けることができ、 また、何かあって救急搬送されたとき、カードを持っていれば、 病歴が分るので、適切な治療を受けやすくなります。 このように電子カルテ化されて、オープン化されれば、 医療ミスがあっても、それを隠すことができなくなります。 でも、良いことばかりではなく、弊害も出てきます。 医療ミスではないものも、患者がミスだと騒ぐケースが多発するでしょう。 例えば、素人には、ミスと合併症の区別はつきません。 質問者様は外科医だそうですが、縫合不全が起きたとき、 それを医療ミスだと騒がれる可能性が高くなるということです。 術中に血管を傷つければ、きちんと対処したとしても、 それを医療ミスだと言われる可能性が出てくるのです。 例えば、米国では、患者が医師を訴えた場合、 病院は、専門の弁護士が矢面に立って、交渉をしますが、 日本にはそんなシステムはありません。 ただでさえ、多忙な医師が、些細な問題で時間を取られ、 翻弄される可能性があるのです。 ならば、ブラックボックスのままにしておくことが、都合が良いのです。 そうすれば、必要な情報だけを出せます。 当然、立場も強くなります。
お礼
回答ありがとうございます。 医療に限らないたとえ話のお蔭で全体像がイメージしやすくなりました。 診察室の机に広げられたカルテは患者にとって近くて遠い存在なのですね。 保険会社のお話も興味深かったです。私は私人と公務員との間の個人情報所有の不公平を絶対に拡大してはいけないと考えますから役所が国民の情報を電子化する動きには反対です。ただし、ご提案のそのチップ化なるものは、公権力が殺し屋に横流しなければ有益そうだし、理念的には真の患者にとっての医学医療の発展に貢献すると思います。日本の場合、保険会社と役所は蜜月関係にあると思いますので、果してどっちの思惑かも怪しい渾然一体としていることでしょう。 なるほど、公開される用語が巻き起こすイザコザを警戒しているのは昔からそうでしょうね。テクニカルな知識の一般化に反するような、偽善者の自己満足的な、患者にやさしい医療体質が結果的に不良な医者を増やす温床になっていると考えます。ただ電子カルテ導入がイザコザに発展するまでの成行きが解りません。 筆者は外科医の経歴というのはこの小説の筆者の話です。 私はその小説を立ち読みした読者に過ぎませんので、電子カルテ自体を把握しきれていません。 「カルテは患者の物ではなくて医者の物としておきたいから」のような説明は、意味深というよりも具体的なアキレス腱を指摘しているのではないかと想像して質問しました。小説家は作文に際しては緻密な性格と思われるので、プロの作家が、そういうだけの根拠の具体性にも期待してしまう次第です。電子カルテ導入に反対するブラックボックスがあればその具体的内容を解明していただきたいのです。 >『そうすれば、必要な情報だけを出せます。』 医者が読まずには始まらない紙カルテにしておきたいという事になりますかね。その動機が隠蔽というよりもイザコザ避けたいという願いであれば電子化反対ではなくて、無やみなイザコザを避けられるような啓蒙的医療改革をすればいいだけのようにも思います。その方向性に対して小説の病院の医者はひどく横着という事になりますかね。実際何とも言えませんが、ずっと不安になる患者よりも、ずっと利益を得られない患者の方が多いように思います。
- USB99
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せいぜい、 1.紙カルテは追記ができる 2.字が汚くて、後で読んでも何が何だか読めない(書いた本人が読めず、慣れた看護師しか読めないというのもありました) 3.レントゲンやCT、内視鏡検査の画像を張り付けにくいので、手書きの図で代用するが、後で見ても何の絵がよくわからないし、元画像を探してみるのが一苦労する くらいです。少なくともここに出入りしている医師はキーボードに慣れた医師が多いと思いますので、電子カルテに肯定的な医師が多いと思います。紙カルテなんて見たくもないです。 ただし、電子カルテは閲覧性が悪いので、それなりに使用には工夫が必要ですが。
お礼
やさしくご説明していただきましてありがとうございます。 技術的な問題点がよく判りました。閲覧性が悪いのですか。具体的には知りませんが、閲覧性を犠牲にしてもなお電子カルテの方にメリットがあるから導入されるのでしょうね。 今後とも宜しくお願いします。
補足
皆さんのご回答はすべて、参考になった、です。ありがとうございます。 >『(書いた本人が読めず、慣れた看護師しか読めないというのもありました)』 回答者:USB99さんは笑いのサービス精神もある方なのですね。その話は物凄く面白いです(笑)ただ、そんなことがあるんでしょうか(笑笑)その場面が思い浮びません。自分の専門外の言葉を走り書きでもしたとかですかね。ちょっと有りそうで、ない話の感じがしますから(笑)医局に笑いを提供するおとぼけ先生の迷言集でしょうかね。 「せいぜい」とおっしゃられますがカルテの追記は最大の武器じゃありませんかね。それ以上の裏技は死人に口なしくらいになるのでは。 小説の中にある「カルテは患者の物ではなくて医者の物としておきたいから」のような一文に関して、「カルテは患者の物ではなく」の部分は特に意味を持っていない「医者の物」と対句をつくるだけの修辞なんですかね。その表現では、患者の物に近づくかのような意味合いで読解してしまいますが。 「医者の物」という言葉は、生死や裁判に関わる公/私文書であるのに医者が自在に脚色できる仮の覚書程度(他者の利益に利用されない物)にしておきたい(つまり現状がそうである)という暗示なのかもしれませんね。公正を誓った国家資格保有者の印税がっぽり表現者がこの期に及んで自愛目的の婉曲表現を用いるのは、分かりにくくて困ったものです。 >『少なくともここに出入りしている医師はキーボードに慣れた医師が多い(略)』 なるほど。回答者さんの方が冷静です。ただ、アンケートような各自の賛否募集という趣旨ではないので、どうか宜しくお願いします。 >『紙カルテなんて見たくもないです。』 USB99さんは自己保身対策に関心が低い正道の先生という見方もできますよね。 「カルテは医者の物」の意味は、俺が使いいいように、紙だ、という利便性の議論ではなくて、小説内で、たとえ非効率でもそうする「本当の」訳があるという文脈を受けていたと思います。
- taka-1314ex
- ベストアンサー率42% (121/283)
現役医師ですが、そんな事ないです。フィクションの世界です。
お礼
率直なご意見有り難うございました。
補足
お二人の回答者さん、ありがとうございます。 医師でも問題意識そのほか意見はまちまちになります。筆者も外科・病理医の経歴を持つ医者です。 医師である筆者は何を言いたいのか、ほのめかしたのか、それがはっきりしないので、そこらへんをご勘案していただけると有り難いです。 物語はフィクションですが、当該の説明文は、筆者なりにリアルに描こうとした部分だと思われますので。というのもそんな説明をわざわざ挿入する必要がないストーリーなのです。つまり説明文はフィクションの流れを離れているのです。ちょうど歴史小説内に見られる筋書きとは別の解説的部分のような格好なのです。 タイトルに書いてしまったように立場を弱める程の事はなくとも、従来の方が守りが堅い事には違いないとか都合がいいとか好ましいとかという程度の事でお願い致します。
- gungnir7
- ベストアンサー率43% (1124/2579)
技術の囲い込みをしたいからに他なりません。 今やネットの発達でちょっと調べれば多くの知識が手に入ります。 弁護士や医者は色々な知識を持っていて、 専門書のどこをどう調べればいいのかというのが分かります。 しかし、相談に来る人はそれを専属に調べてくるので 専門家より詳しいということがあって、よく突っ込まれると嘆いていました。 近年の将棋の大盤解説でこれまた名高い棋士が解説していました。 ところがパソコンで棋譜を入力していた小学生が、その棋士の間違いを発見してしまいました。 その時の解説者の言葉は「嫌な時代が来ましたね」です。 このように技術の広まりは専門家の権威を下げ、給与が下がるきっかけになるのです。 更にいえば技術の広まりは新規に事業に参入し易くなります。 日本が中国や韓国に技術をホイホイ公開するので、あっという間に追い上げられています。 電子カルテが技術の囲い込みをするものであれば、反対する医者はいないのでしょうが、 電子化というのは得てして反対の自由化の方向に進むので、 アナログ時代の方がいいと考えている医者が多いのではないでしょうか。
お礼
頭脳労働者であっても機械的な仕事内容をしていたらそうなるということですね。 ソフト開発が医療改革につながるかもしれませんね。 PCにとって代わられるまで、人が人を変えることができないというのも悲しいです。 >『専門家より詳しいということがあって、よく突っ込まれると嘆いていました。』 良い時代です。真価が試されるのです。プロは何にこだわるべきなのかという。それが患者のカルテ情報ってふざけてますね。低次元中の低次元です。 >『電子カルテが技術の囲い込みをするものであれば、反対する医者はいないのでしょうが、』 技術は公開される方向に向かうでしょうが、政府役人などの統括者が膨大な量の個人情報を得られますね。 ご回答ありがとうございました。今後ともご指導下さい。
補足
なるほど。その心理に気がつきませんでした。 電子化への漠然とした恐れ(根拠もなく動物的だが、自己本位の人の正しい直感)があるのでしょうね。 愛人との××スケジュールを電子手帳に入力する勇気はない、という感じの視覚的なものがありますね。書式に活字では、自分の志向・選択を、まずは自分が、ついには誰かが、直視してしまうので。 ぐちゃぐちゃと書きなぐっておくなら残してもいいけどみたいな。そうでないのなら残すのも止めておこう。最初から、記載しない、と。でもそれでは不便だし、困るなあ、的な。 考えてみれば、略語はスピード化だけではない、符丁としての連帯感・安心感がありますものね。
お礼
回答ありがとうございます。率直なご意見が参考になります。 導入するかを決定できる立場になられた時に、つまり自分の先行きのリスクをよーく考えられた場合の判断は、めんどくさい以上の観点から検討をしますよね。 後日の訂正作業も、まちがいなく残ってしまう訳ですか。プログラムの技術者でも隠蔽工作は不可能なのですかね。紙を捨てるのは難しいですが、個人病院の場合など、いざとなれば、データを丸ごと吹っ飛ばしてまえないのでしょうか(笑) そういう意味では、同情に値するほど、電子カルテはプログラマーのものになるのかもしれませんね。 癖字で誤魔化せない分、ますます略語化・隠語化するんじゃないでしょうか。