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オイルマネーと民主主義国の発展
- 先進国の石油開発を通して産油国(特に民主主義国)に流れるお金はその国の経済的発展を促しますか?
- 石油などの資源開発ならばその国に莫大なお金を落とし、経済発展にも繋がるのでは?と考えたのですが、この考え方には何か問題はあるでしょうか。
- 灌漑技術の導入や教育、医療を農村などに普及させるより、その国自体を経済発展させるほうが開発には有効だと考えています。
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かつての石油利権は、先進国の所謂メジャー或いは巨大インディペンデントが主導開発し、当該国に対し採掘料という名目でその一部が支払われていたに過ぎないが、1970年代初頭産油国の連合体であるOPECがスクラムを組んでその構造に反旗を翻し、そこ結果として起こったのがオイル・ショック。 以降産油国と開発企業の力関係は劇的に変化致しますが、現在は埋蔵国と開発企業が開発サイド(アップ・ストリーム)でジョイント・ベンチャーを組んで合弁会社を設立し全てを運営、石油代金と株の配当を受けるという仕組みが主流。 >そこで石油などの資源開発ならばその国に莫大なお金を落とし、経済発展にも繋がるのでは?と考えたのですが、 基本的な流れはそうあるはずなのですが、現実には個々の国家に依りその事情は大きく異なります。 UAE・クウェート・ブルネイに代表される人口が少ない産油国に於いては、石油・天然ガスの収入がそのまま1人当たりのGDP・国民所得に如実に反映されるが、その図式が必ずしも該当しない国家が数多く存在するのもまた事実。 例えばブルネイ、1984年にイギリスから独立したこの国は人口が40万人程度の小国ですが、殆んど石油・天然ガスの収入だけで国民1人当たりのGDPは驚異の5万ドル強、当然の如く無税で教育費・医療費は無料、人口の5割強を公務員が占め、また先進国の投資会社にリスクを分散して委託した堅実な資産運用を行っており、特に産業振興に躍起になる理由が見当たらない。 一方でその対極にあるのが人口2億3000万人を数える大国インドネシア、1人当たりのGDPはいまだ4,000ドル前後に過ぎず既出国の1/10程度、即ち国家が吸い上げた天然資源の収入を広大な国土・国民に振り分けねばならず、常に国家の台所は火の車。 かつてインドネシアの石油・天然ガスに携わった身として、日本との関係に於いて一例を申し上げれば、石油・天然ガスの輸出代金は、何年も先まで膨大な円借款のかたに取られ、インフラの整備或いは国内産業の振興に回すお金にも事欠くありさまです。 以上を総括致しますと、神が与えた賜うた天然資源の恩寵は国家ごとに異なる、特に国家としてのサイズが大きく関与するものと考えます。
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- PENPENMAKKY
- ベストアンサー率17% (344/1984)
オイルマネーは経済インフラに注ぎ込んだ国と国民福祉(ばらまき)をやった国には大きな差があります ばらまきをやった国は米国が国王以下支配者を守ってくれます 経済インフラに注ぎ込んだイラク・シリア・リビアには米国は爆弾を降らせてせっかく作った経済インフラを破壊し、安定していた社会を混乱社会に変えました
- hekiyu
- ベストアンサー率32% (7193/21843)
確かに、サウジ辺りを見ますと、お金を どんどんつぎ込んでしまった方が手っ取り早い ように思えます。 そうすれば、豊かになった国民が政治参加を 求めるようになり、民主制が浸透していくこと が予想されます。 しかし、やはりサウジを見て下さい。 かの国が新しい価値を生み出したでしょうか。 世界に誇る何かを生み出したでしょうか。 民主制は進展しているでしょうか。 ろくに働きもせず、外国人を使って、 贅沢三昧して、 お金を浪費しているだけです。 ああいう国はもろいですよ。 現在は、宗教と強権政治で押さえていますが、いつ どうなるか判りません。 私は、社会主義と同じように、いつか崩れる と思います。
- gungnir7
- ベストアンサー率43% (1124/2579)
あなたの提案ももっともだと思います。 そうやって産業レベルを引き上げて、他国が他国の需要や雇用を作ります。 上記の考え方は先進国の科学が進歩すれば自動的に達成します。 事実、ルネサンスの頃からの歴史をみてもそうなっています。 今後は更なる科学の発達で先進国が牽引し、途上国の底上げがされるでしょう。 必然的に民主化の方向性にシフトしていかざるを得ません。 ご質問者様は石油の莫大なお金で・・・とお考えのようですが、 恐らく現在の資本主義は共産主義にシフトしていくことでしょう。 日本でも奈良時代には6歳になれば田畑を耕して働かねばなりませんでした。 今は15歳までは手厚く保護されています。この部分は共産主義といえましょう。 既にお分かりかと思いますが、私はマルクスの思想を踏襲しています。 科学が進歩すれば生活に必要な衣食住が国家から与えられるようになります。 世界が均質化してくるので私有財産性は次第に意義を失っていくでしょう。 この状態を達成するためには石油に変わる代替エネルギーが必要とされています。 産油国もいつまでも石油マネーをあてにできるわけでもなく、 かといって世界均質化の波に産油国が乗り遅れることもありません。
- gungnir7
- ベストアンサー率43% (1124/2579)
あなたの言っていることは正論ですが、現実世界では制約が大きいのです。 まず、思いっきり突っ込むと>産油国(特に民主主義国)って米国や英国のことですね。 勿論、質問者さんの指している地域は中東産油国だと思いますが、 南米だってカリブ海だってロシアだってオイルマネーなのです。 以後は中東産油国に絞ることにします。 既にNo1で見事な回答がついてますが、その通りあそこは工業には向かない不毛な地なのです。 工業を成立させるには豊富な水が必要ですが、同時に強固な保水能力も必要です。 その両方とも欠ける以上、できたとしても石油精製施設くらいでしょう。 更に中東産油国で生活必需品が自前で生産できてしまうと日本や欧州が困ってしまうのですよ。 世界的分業という観点で考えた場合、産油国は石油で得た金で工業国から製品を買うのが望ましい。 産油国は教育や医療といった分野で雇用を創出する方が望ましいのです。 別にそれで発展が望めないという事はないでしょう。 国内で日本のような民主化が阻害されているのは間違いなくイスラム教の影響が大きいです。 イスラム法では強姦されると強姦された女性に死罪が与えられるのはご存じだと思います。 西洋で15世紀にあった魔女狩りが未だに通用してしまうのです。 この強烈な宗教バリアは勿論、為政者のために利用されています。 国家のTOPにいる人達が今の体制に居心地が良くて、改革する気なんてサラサラありません。 更に米、中、ロ、英、仏の五大国に加え、日独の思惑もあります。 何かしようとすると民族紛争を刺激したりといった横やりが入ります。 何故、このような横やりが入るかは、先進国が自国の国体を維持するのに必要だからです。
- trajaa
- ベストアンサー率22% (2662/11921)
教育が充実しない限り、立派なインフラ設備をそろえたところでメンテナンスも出来なくて故障したらそれっきりで、その設備が放棄される。 というケースは非産油国の発展途上国でよく起きる失敗例。 産油国の場合は、現場で働くのは外国人労働者で故障部品の交換も資金的に問題ないので、立派なインフラが打ち捨てられる事は無いだろうけど・・・・ また産油国の場合、自国民の人口は多くないので豊富な資金を元手に金融に関する産業を発展させることで高学歴な若者の就職につなげる可能性はある。 でも昨年からエジプト、チュニジア、イエメンなどで起きている中東の変革の場合(リビアも含めると) ・そこそこ経済的に発展した事で高等教育を受ける事が可能になった。 ・出生率が高い。 ・しかし、地に足の付いた産業がない。 ・産業と言えるのは農業と観光業で高学歴->高収入が期待できる職場がない ・数少ない主要な産業などは、権力者や一部の特権階級に独占されている こういったことなどにより、学歴があっても仕事収入の無い若年層が急増した事が大きな要因である。 農業や医療の水準を上げるだけで、(宗教が絡むので難題でもある)産児制限の概念を広めないと人口爆発してしまうし、人口の増加や教育の充実によって高学歴の若者が増えれば、それに見合った雇用先を作らなければならない。 その国の人口規模や人口を構成する年齢層、教育のレベル、など様々な状況によって必要なモノは異なる。 特にイスラム諸国では、宗教の概念と民主主義とは相性が良くなさそうなので、宗教の影響力が強いか強くないかというのも大きな問題でありそう。
お礼
回答ありがとうございました。非常に参考になりました。 継続できる雇用の存在は確かに重要ですね。 その点で石油開発で途上国支援するという考えには限界がありそうです。
お礼
回答ありがとうございました。非常に参考になりました。 もしよろしければ中東以外の産油国であるインドネシアやベネズエラ、 石油開発がすすめられているタイやベトナムについてもお話をお聞きしたいです。 分業というお話がありましたが、 自国で生産できるようになるといっても段階を踏んで少しづつ高度な技術の必要なものをつくれるようになるはずで、 それに合わせて日本をはじめとした工業国からより高価なものを輸入するようになり結果どちらも得をする・・なんてことにはなりませんか?