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犬猫程度の「心」を再現できますか?

現在か、近い将来の技術で、犬猫程度の「心」を再現できるでしょうか? 又、事前に設定した枠組み(フレーム)を持たない実世界の中で、人の作り物に、犬猫がする程度に周囲に適応した自律行動をさせることはできますでしょうか? できるとすれば、実現例はありますか? できないとすれば、ハード、ソフトのどちらの問題でしょうか? 犬猫が無理であればもう少し下等な動物でも良いです。

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回答No.6

おはようございます。 私がロボット研究の歴史を語ってよいのかわかりませんが… 人工知能の歴史 http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/whatsai/AIhistory.html 人工知能のFAQ http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/whatsai/AIfaq.html 20世紀にコンピュータがでてきて以降、 演算能力と記憶能力に優れたコンピュータが進歩していくと、 「近い将来、心を再現できる」と楽観視されていたこともありました。 しかし、「フレーム問題」の話の例にもありますように、 http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/whatsai/AItopics1.html http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/doc/frame.html あるいはチェスの世界チャンピオンを負かしたようなAIであっても 枠組みの無い実世界の問題に対応するのが困難であるように、 このまま演算能力や記憶能力を伸ばしていっても 人間や動物のような「心」や「意識」を生み出すことは難しいかな、 と考えている研究者も多いかと思います。 一方、心理学や医学や生理学などの基礎研究分野での研究進展によって、 「心」や「意識」といったものが、 もしくはそれらを生み出していると考えられる脳の神経回路や情報処理系が、 非常に精巧で複雑なものだということが明らかとなってきています。 しかも、身体や脳などのハードウェアの上ではたらくソフトウェア、 外界の知覚や認知、記憶、思考や判断のメカニズムも、 階層的で、複数のメカニズムが協調的にはたらくような複雑なものであって、 古典的なAIのアルゴリズムとは相当程度異なることを行っています。 参考: ヒューリスティクス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9 認知バイアス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9 No.1さんのご回答にもありますように、 現在では脳の一部を真似ているものが作られているだけで、 「脳そのもの」を作り出すことは全然できていない状況ですね。 だからといって、 > 心を再現することがとても難しいから諦めたのか、 > 心を再現することに意義・興味を失ったのか、 > それとも科学が二元論を選択しようとしているのか、 > 心を再現しようとすることは科学の範疇ではないと割り切ってしまったのか、 などとあきらめてしまったわけではなく、 むしろ研究手法やコンピュータなどの道具の発達により、 従来よりも速いスピードで、各分野での研究は進んでいると思います。 対象が複雑すぎるので、研究が進展しても100%には遠い状況なのと、 よほど目立った結果を出さないと世間一般には伝わりにくいだけ。 まあ、私たちが生きているうちにSFで描かれているロボットが作られるかは 全くわかりませんけど。 ただ、el156さんの一部誤解があるような気がしていて、 > 科学は心をもつロボットを目指すことを止め、 > 見せかけの心と限定された枠組みの中で実用になるものを > 目指すよう方針を変えてきたように感じます。 というところにネガティヴな感じを受けてしまうのですが、 別に、工学者の全員が全員、 人間や動物のような「心」を持つロボットやAIを作りたいわけじゃないです。 たとえば「洗濯」という作業でも、 まず「衣服のよごれを落としてキレイにしたい」という目的があって、 その目的が実現するのであれば、 べつに人間型のロボットを作って洗濯板でごしごし洗わせなくても、 現在の家電の洗濯機の形で十分、もしくはそれ以上に効率的なわけです。 ロボット工学者達にはそれぞれ実現したいことがあり、 「「心」を持つロボット」なんて面倒なものを作ろうとしなくても、 別な形態のロボットを作ることで目的が実現して社会の役に立てるなら、 それはそれでよいわけで。 ですから、完璧な心をもつコミュニケーションロボットを作らなくても、 機械学習によってわりと適切な返答を返してくれるロボットを作って ロボットと会話したお年寄りが  「今日もこの子が話し相手になってくれて楽しかったわ」 と十分満足してくれるなら、 それはひとつのロボットのあり方として「あり」だと思いますね。 最後、話が脇に逸れたような気もしますが、 > 現在か、近い将来の技術で、犬猫程度の「心」を再現できるでしょうか? > 又、事前に設定した枠組み(フレーム)を持たない実世界の中で、 > 人の作り物に、犬猫がする程度に周囲に適応した自律行動をさせることはできますでしょうか? まあ、人間や動物のような「心」を持つロボットやAIは人類の夢ですが、 外界の知覚・認知システムや記憶や学習のシステム、思考判断のシステム、 身体の動作システムなどを備えたうえで、 実世界における外界からの情報の入力とそのリアルタイムの変化を利用して、 それらのシステムを協調的にはたらかせて 外界の分析や解釈、そして比較的適切な思考判断と行動を実現していくロボットは、 今のところはちょっと難しいかなというところですねー。

el156
質問者

お礼

有難うございました。リンク先のWhat's AIのページはとてもわかり易く、知りたかった情報が沢山載っていました。歴史のページも、とてもわかり易くて興味深いものでした。今まで人工知能技術をネガティブに受け止めていたのですが、リンク先を読んで研究が進んでいることを知り、少し明るい気持ちになりました。生きているうちに、本物の作り物?を見ることができることを期待して、長生きしたいと思います。

その他の回答 (5)

回答No.5

こんにちは。 他の回答者さんもおっしゃっているように、 「心」というものをどう定義するか、 どこまでのことができるとその対象に「心がある」と認めるか、 というところで変わってくるとは思います。 まあ、以下のご発言その他より推測しますに、 > 自分の心や他人の心、犬猫の心程度までは、 > 多くの人が「ある」と感じているのではないでしょうか。 SF映画やアニメで描かれているようなロボットとまではいかなくても、 ある程度の感情をもち、自発的な思考や判断にもとづいて行動する、 といったものが実現する可能性だと思われるのですが、 少なくとも、何らかのブレイクスルーがない限り、 (犬猫よりも下等なものであっても)しばらくは無理じゃないかと。 > できないとすれば、ハード、ソフトのどちらの問題でしょうか? そもそも「心」「感情」「思考」がどのようなものかもわかっていませんし さらにそれらを電子回路などでどのように表現すべきか、みたいなことも、 それほどわかっていません。 (脳の神経回路による感情表現なども同様に) ハードウェアとソフトウェアの両方の面でまだまだということですね。 > 事前に設定した枠組み(フレーム)を持たない実世界の中で、 > 人の作り物に、犬猫がする程度に周囲に適応した自律行動を > させることはできますでしょうか? AIBOのような動物型ロボットやASIMOのような二足歩行型ロボットでも 人間や動物のような重心移動や移動速度を実現した自在な動作、 というわけじゃないですし、 閉じられた系のなかで動かしてやっと上手くいくものでしょう。 ただ、工学や認知科学の分野で進められているロボットとして、 No.2の方のご回答と、その回答に対する補足での話に近い方向で 開発が進められているものがあります。 要するに、「心をもつロボットを作る」のではなく、 人間がそのロボットを見たりコミュニケーションをとる場合に 「人間が『相手には心がある!』と思えればよい」 という方向でロボットを作るのですね。 外見や動作はできるだけ人間や動物に近づけるようにして、 人間との会話における返答も、 機械学習によってできるだけふさわしいものにする。 極端な場合ですと、人間が遠隔操作で動かしたり会話を返す。 そういう場合、相手をロボットだと見破れるかどうかは 今後の技術の進歩次第だと思われますが、 現時点でも、そういう形でのロボットとのコミュニケーションに 満足を感じる人もわりといらっしゃるようで。 ロボットと会話して「心をもつ相手と会話してるなー」と思うとか、 動物ロボットが行動するのを見て「楽しそうに遊んでるな」と思うとか、 そういった方向での「心を再現する」プロジェクトなら進行中かなと。

el156
質問者

お礼

有難うございました。仰る通り、(SFのロボットには程遠くても良いので)「ある程度の感情をもち、自発的な思考や判断にもとづいて行動する、といったものが実現する可能性」に関する質問です。生きているうちに見てみたい、という欲望からの質問になります。 何十年か前、コンピュータは近い将来人の心を再現できるだろうと信じていました。時を経てコンピュータが飛躍的に進化し、同時に「AI」という言葉があまり語られなくなってきた頃から、科学は心をもつロボットを目指すことを止め、見せかけの心と限定された枠組みの中で実用になるものを目指すよう方針を変えてきたように感じます。それは;  心を再現することがとても難しいから諦めたのか、  心を再現することに意義・興味を失ったのか、  或いは見せかけの心を発展させて行くことが心をもつロボットを作ることにつながるのか、  それとも進みが遅い為に成果が目立たないだけなのか、  それとも科学が二元論を選択しようとしているのか、  心を再現しようとすることは科学の範疇ではないと割り切ってしまったのか、 など、理由に興味を持っております。

回答No.4

 こんばんは。  思い出したことがあるので先ほどの続きです。 AIBO http://ja.wikipedia.org/wiki/AIBO  SONYが開発していた愛玩犬ロボットAIBOを忘れていました。 公式サイト http://www.sony.jp/products/Consumer/aibo/  「心」はまだ実装されていませんが、成長していくとのこと。

el156
質問者

お礼

有難うございます。現実のAIBOに触れたことが無いので憶測になってしまいますが、ユーザーが本気でAIBOの心を感じているというよりも、愛用の道具を大切にする場合と同じようにして、よく出来た機械として愛用しているのではないかという気がします。

回答No.3

 こんにちは。  過去に珍しいパソコン用ソフトウェアがあります。  富士通の一般向けパソコン用のソフト。 http://ja.wikipedia.org/wiki/FM_TOWNS >TEO -もうひとつの地球- - 仮想生物フィンフィンと対話するソフト。Windows用も発売された。 >http://www.tokaido.co.jp/hara/teo/whatsteo.htm >1.TEOってなぁに?  当時のOh! FM-Townsの記事によると・・・・。  電脳ペットの先駆け的存在かもしれません。  世話が大変なんです。  心はありませんけどね。  専用の周辺機器をFM-Townsに取り付けてあげないといけないとか手間が大変なんです。  他のプラットフォームのことは知りません。(^_^;)

el156
質問者

お礼

ありがとうございます。この種のソフトウエアは一過性の場合が多くて、現れては消えてゆくように思います。形態は違いますが、「たまごっち」などもこの種のものに入るのでしょうか。

noname#175120
noname#175120
回答No.2

その前に「心」がなんであるかを解明せねばなりません。 プログラミング等で外的にそこに心があるような反応をさせる事は可能でしょう。 しかし、心を持つと言う定義が明確でない限りその物が心を持っているのかそうでないかは判別が出来ません。 こういう条件であればその物には「心」があるという明確な基準が必要となりますね。 逆に言えば犬猫に心はあるのでしょうか? それは人間でも同じ。 単なる本能的な反射行動に対して「心」を見ているだけかも知れません。 親鳥の雛に対しする餌付け行為や刷り込みみたいにねぇ。

el156
質問者

お礼

有難うございました。

el156
質問者

補足

有難うございます。厳密にはそういうことになると思いますが、自分の心や他人の心、犬猫の心程度までは、多くの人が「ある」と感じているのではないでしょうか。それより下等な動物や植物等ですと、意見が分かれるように思います。中には無機物の道具などに心を感じる場合もあると思いますが。 これに対して多くの人が本気で心を感じるような作り物は、まだ無いのではないかと思います。仮にELIZAを非常に精巧にプログラムしたとして、何日か会話を続けるより早くに、簡単にバレてしまうのではないでしょうか。「非常に良くできている」と感心する事はあったとしても、本気で心を感じることは無さそうに思います。 犬猫の心程度までに多くの人が本気で心を感じるような作り物は可能なのでしょうか。

回答No.1

脳の演算回路であるニューロネットは、単なる電線ではなく、 接点で化学物質を出して、その濃度で刺激を先に伝える、 その「接点」にも、刺激を伝えるものと、他の刺激の伝達を 抑制するものがある、といった、通常のコンピュータの回路 とは基本的に異なるアーキテクチャを有しています。 最近ようやくニューロコンピュータと称して、脳の働きに近い 要素をとり入れたコンピュータの研究が進んでいますが、 犬猫どころか脳のアーキテクチャのごく一部を、小規模に 真似ているに過ぎません。

el156
質問者

お礼

有難うございます。ハードの面でまだ圧倒的に不足していることになるのですね。進歩はしているのでしょうか。

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