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光速粒子の発生方法について
今日とあるニュースを見てふと思い出したのですが、正式な名称がわかりません。 こんな感じの装置です。間違っているかもしれませんが、ご存知の方がいましたらご教授ください。 昇圧コイル(超高電圧)か何かを用いて、荷電粒子か素粒子を光速近くまで上昇させる装置があったと思うのですが… 形状は確かドーナツ型になっていたと思います。 磁場だったかもしれません。 軽く原理なども説明していただけると嬉しいです(もちろん装置の名前だけでも大歓迎です) 京大の2回生でも理解できるような解答だとなお嬉しいです。 よろしくお願いします。
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荷電粒子の速度を速くする装置の事を一般的に、「加速器」と言います。 【参考URL】 KEK:キッズサイエンティスト > 加速器ってナニ? イントロダクション http://kids.kek.jp/accelerator/index.html 加速器 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8 加速する方法には幾つか異なる方法がありますが、普通は穴の開いた電極を複数並べて置き、例えば陽子の様な正電荷を帯びた粒子を加速する場合には、陽子の後方にある電極にはプラスの電圧が印加され、陽子の前方にある電極にはマイナスの電圧が印加される様に、電極の穴を陽子が通過するタイミングに合わせて、電極に加わる電圧の符号が次々と切り換わって行く様にします。 すると、陽子の前方には常にマイナスの電極があり、陽子の後方には常にプラスの電極がある事になりますから、正電荷持つ陽子は、前方の電極からは電気的な引力を受けると共に、後方の電極からは電気的な反発力を受けるため、陽子の速度は速くなって行きます。(陽子の速度を速くする事自体には、ローレンツ力は関係しません) 荷電粒子の速度が速くなればなるほど、電極に加える電圧のプラスマイナスを切り替えなければならない時間の間隔は短くなりますから、光速近くにまで加速するためには、スイッチなどで電圧を切り替えていたのでは間に合いませんので、実際には荷電粒子の速度と電極の間隔に合わせて、周波数を連続して変える事が出来る、高周波の交流電圧を、電極ごとに位相をずらして印加します。 荷電粒子の最終到達速度は、電極間に加えられる電圧の差が大きいほど速くなり、又、電極の間を通過して加速される回数が多い程速くなります。 極端に高い電圧の、周波数や位相を微妙に制御する事は難しいため、電圧を際限なく高くする事は出来ません。 そのため、高エネルギーにまで粒子を加速するための加速器では、粒子が電極の間を通過する回数を多くする事で、粒子を光速近くにまで加速します。 【参考URL】 KEK:キッズサイエンティスト > 加速器の原理と種類 http://kids.kek.jp/accelerator/accelerator01.html 粒子を加速する回数を増やすためには、一直線に並べた電極の枚数を多くするという方法と、荷電粒子が進む方向を曲げて、同じ電極の間を何度も通すという方法の、2通りの方法が考えられます。 この一直線に並べた数多くの電極を使って荷電粒子を加速する加速器の事を「線形加速器」と言い、 荷電粒子の進路を曲げて、ある程度少ない数(とは言っても多いものでは千組以上)の電極の間を繰り返し通して加速する加速器の事を「円形加速器」と言います。 【参考URL】 KEK:キッズサイエンティスト > 線形加速器 http://kids.kek.jp/accelerator/accelerator04.html 内閣府原子力委員会 > 分野別情報 > 放射線利用 > 第17回定例会議(04.27) > (3-3) 加速器の現状と将来 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2004/siryo17/siryo33.pdf 円形加速器で、荷電粒子の進路を曲げるには、荷電粒子を磁場の中に通す事で、荷電粒子に加わるローレンツ力によって、進路を曲げます。 磁場を発生させるのには、電磁石が用いられ、昔は銅のチューブ(管の中に冷却水を流す事で、電気抵抗による発熱で破損する事を防ぐ)を巻いた常電導磁石が使われていましたが、現在では多くは超電導磁石が使われています。 円形加速器には、2枚か4枚の電極を持ち、円盤形をした2つの電磁石に挟まれた空間の中で、荷電粒子が、中心部から外側に向かって、渦巻き形に進んでいくものをサイクロトロンと言います。(磁場の強さや交流電圧の周波数は一定) 【参考URL】 KEK:キッズサイエンティスト > サイクロトロン http://kids.kek.jp/accelerator/accelerator02.html これに対して、リング状のチューブの中を荷電粒子が通り、多数の電極と、多数の電磁石を備え、荷電粒子が通過する速度とタイミングに同調(シンクロ)して、交流電圧の周波数や、磁場の強さを、連続して変えるものを、シンクロトロンと言います。(荷電粒子の持つエネルギーが高くなるのに合わせて、交流電圧の周波数を高くすると共に、磁場の強さも強くする) 【参考URL】 KEK:キッズサイエンティスト > シンクロトロン http://kids.kek.jp/accelerator/accelerator03.html シンクロトロンでは、荷電粒子の通路である真空チューブを、上下に挟んだ2つの電磁石によって、荷電粒子の進路を水平方向に曲げますが、その他に、荷電粒子の進路が上下方向にずれない様に調整するための、真空チューブを左右で挟んでいる電磁石や、荷電粒子のビームがばらけない様に収束させるための電磁石もあります。 質問者様が御覧になられた装置は、 >形状は確かドーナツ型になっていたと思います。 という事ですから、おそらく、シンクロトロンの一種ではないかと思われます。 まあ、リングサイクロトロンの類だったという可能性も皆無ではありませんが、リングサイクロトロンはシンクロトロンと比べれば、少数派ですから、質問者様が御覧になられた装置は、やはりシンクロトロンであった可能性の方が高いと思います。 【参考URL】 独立行政法人 理化学研究所 仁科加速器研究センター > 加速器/共用対象実験装置の紹介 > 理研リングサイクロトロン(RRC) http://ribf.riken.jp/sisetu-kyoyo/equipments/ring.html 他にも、ベータトロンという種類の加速器もありますが、これは電子専用のシンクロトロンの事を指します。 尚、加速器で使用する荷電粒子は、陽子だけとは限らず、電子や、陽電子、反陽子、イオン、等様々で、加速する荷電粒子の種類と、到達するエネルギー、加速する粒子の量、ビームの中の荷電粒子の密度、等々によって、加速器の設計は変わって来ます。
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- nerimaok
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kek.jp 辺りでも見てください。 (co とか go とかの属性がついていないドメインなのは「日本で最初にドメインとったサイト」の一つなので、属性が 無かった時代のためなので、正しいURLです)
もしかして,加速器のことかな. 原理は,フレミング左手の法則によって,生じる磁界から,荷電粒子が受けるローレンツ(Lorentz)力で,どんどん加速するというものです. 壁面に触れないように,コイルから生じる磁場により,それこそ延々と加速すれば,質量は光速に近くなればなるほど増大するので,加速しづらくなるけれども,(何とか頑張ってw,)光速に近い状態までもっていくことは可能じゃないかな. ターミネーター3で,T-3000型が張り付いてコイルによる強力な磁場により,離れられなくなったのが加速器のリングの外側です,