心理学関連の論文の信用性について

質問

私は現在大学で心理学を専攻しています。

後期からはゼミで、卒業論文に向けて論文慣れするために、興味のある論文を読んで自分なりにまとめて発表するという授業が始まります。

そこで気になることがあるのですが、ciniiなどで論文検索すると、心理学と一言でいっても「心理学研究」「教育心理学研究」「○○大学心理学研究」「日本パーソナリティ心理学研究」などなど、たくさんありますよね。

卒業論文で参考資料として使う場合、ciniiに掲載されている論文は全て参考文献として使うに値するものなのでしょうか？

以前、ゼミの授業ではないのですが他の心理学の授業で似たようなことをやった時は、

心理学研究・教育心理学研究・カウンセリング研究・行動療法研究・健康心理学研究・社会心理学研究・発達心理学研究

は信用して良い、と言われました。

もし心理学関連に詳しい方がいらしたら教えてください。

回答No.2

Takihama · ベストアンサー

卒業論文で参考資料として使う場合、ciniiに載っている論文はすべて参考文献として使ってかまないと思います。
ですが、「使うに値するか」という問いには答えがたいものがあります。

「雑誌」の影響度を示す指標として、インパクトファクターという考え方があります。
簡単に言うと、その雑誌の論文がどのくらい引用されているかという指標です。
その背景にある考え方として、いい論文はたくさん引用されるに違いない、というものがあります。

なので、インパクトファクターが大きい雑誌は、使うに値するといってもいいかもしれません。
（参考URLをご参照ください）

「論文」についてもたくさん引用されている論文は、それだけ回りの研究者に注目されているということになります。
そして、その分野の論文を書くのだったら、たくさん引用されている論文は、引用の有無にかかわり無く、読んでて当然だよねという雰囲気もあります。
Google Scholarあたりで検索すると、被引用論文リストが出てきます。（どのくらい網羅性があるのか知りませんが）

ただ、たくさん引用されているからその内容が正しいかというとそれはまた別のお話で、すごく革新的なことを発表するとそれを否定するためにたくさん引用される・・・なんてことも考えられます。

一般的には、研究者は以下の順番で論文投稿を考えます。
(1)世界的に有名な雑誌（当然英語）
(2)日本では有名な雑誌
(3)その他の学術誌、もしくは大学紀要

また論文の中身としても、
「原著論文」「短報」「実践研究」などの、ランクがあります。
（※雑誌により名前が異なりますが、後ろに行くほどページ数が少ない傾向があります。）

(1)の原著論文が駄目そうなら、(1)の短報や、(2)の原著論文にならないかを検討して・・・という感じです。
また、最近は業績評価も厳しく、論文の本数を稼ぐために、大学紀要に投稿するなんてこともあるようです。
さらに、有意差が見られなかったといった研究は、原著論文として認められにくく、大学紀要に投稿したり、など、いろんな大人の事情があります。

ご質問で列挙されている雑誌は(2)に該当しますが、信用してよい雑誌は他にもあります。
（私の分野だと、行動分析学研究とか。）

そんなわけで、実際に論文を執筆する際は、自分の研究にあう論文も少ないと思いますので、有名どころの雑誌にこだわる理由は無いと思いますが、
ゼミで読む雑誌という意味では、有名どころの雑誌に目を通しておいたほうが、自分のためになると思われます。

参考URL：

http://science.thomsonreuters.jp/products/jcr/support/

お礼

回答ありがとうございます。

インパクトファクトーなんていう見方があるんですね。

一言で論文と言っても奥が深いことを実感します。

載せて頂いた参考ＵＲＬを見て、参考にしても良さそうな論文を自分なりに探してみようと思います＾＾

回答No.1

vzb04330

ある論文の内容について、信用してよいかどうかは、それが科学的に妥当性のある方法で、信頼性のある結果が得られているか、考察や結論が論理的に導かれているかということで決まってきます（ここで書きました科学的、妥当性、信頼性などの概念は、一部では重複するかもしれません）。

しかし、これらを、質問者様のように、学部の学生という初学者の立場で判断するのは、なかなか難しいものがあります。
そのために、授業では、学会誌の名前を挙げて「信用できる」というお話を担当の先生がなさったものと思います。

その背景には何があるかといいますと、学会誌（心理学研究、教育心理学研究など、心理学関係の学会が発行している学術雑誌）に掲載された論文については、それぞれの学会誌に編集委員会があり、編集委員の先生や、編集委員以外に依頼した査読委員（レフリー）といった名称で呼ばれる、それぞれの領域の専門家が、先行研究の知見を踏まえているか、仮説・研究疑問の立て方の妥当性、研究の方法、統計の使い方、結果の読み取り、考察の論理性などについて、審査し、それにパスしたものが載っているということです。

つまり、専門の学会が発行している学会誌に掲載されている論文は、編集委員会によって、一定以上の学問的な水準が補償された論文であるということができます。
このことを、担当の先生は、「信用してよい」とおっしゃったのです。

ただし、○○学会と称する学会の発行するすべての雑誌の審査の水準がそろっているかというと、中には、審査が甘いものもない訳ではありません。
したがって、学部学生の段階では、担当の先生がおっしゃった、上記の学会誌を中心に、信頼できる審査が行われたとみなして、卒業研究に用いられるのが間違いはないと思います。

なお、心理学の論文が掲載されている専門雑誌には、上記の学会誌の他に、各大学が発行している「研究紀要」や、一部に商業雑誌（こころの科学、臨床心理学など）があります。
これらの商業誌や、研究紀要でも、編集委員会はありますが、学会誌が行っているようなきちんとした査読制度が撮られていなかったり、形式的な審査で終わってしまっていたりします。
そのため、研究紀要や商業雑誌に載っている論文では、その学問的水準は、玉石混淆で、さまざまなものが入り交じっているというのが現状です。

これらの雑誌に掲載された論文については、各自が、最初に書きましたような視点から、読むに、あるいは、研究の参考にするに価値ある、信頼でき、妥当性のある研究かどうか判断することになります。

以上、簡単にご説明しました。

お礼

ありがとうございます。

やはり論文の中には信用性の低いものも無くはないのですね。

仰る通り、心理学の論文は私の読解力を超えるものがたくさんあって（特にSPSSなどの結果の読み方が…）、正直考察から内容を判断しているだけにすぎないので、まだまだ信用性を自分で評価するなんてレベルではないです><

となると、やはり先生が言っていた学会誌を中心に読み込んで後期のゼミに備えようと思います。

とても参考になりました。

ありがとうございます＾＾