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電荷の行方とクーロン力
- クーロン力とは、電荷同士が引き合う力のことです。
- 今回の問題では、半径a、b(b>a)の同心導体球殻A,Bの中に誘電体があります。
- 導体球殻Bをアースし、導体球殻Aに正の電荷Qを与えた場合の力の釣り合いを考えます。
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No.4の説明後半の張力の説明に正しくない点があったと思うので補足訂正します。誘電体球の内側の電荷と外側の電荷の総量は等しいのですが、電界が内側の方が強いので、内側から押される力の総量は、外側から押される力の総量よりも大きくなります。すなわち誘電体球に働く力はバランスが取れていないので、誘電体球は膨れて破裂するはずだということを問題にしているのではないかと思います。実際誘電体の外球近傍で内側の誘電体が外へ向かって押す機械的な力は静電気力より大きくなっていて、合計すると膨れる向きに力が加わっていると思いますが、破裂を防いでいるのはこの付近の誘電体、或は外球導体表面の張力の内向きの力の成分だと思います。
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- el156
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アースの機能は、電位を決める為に電荷を調整する機能だと考えると良いと思います。外球の電位をゼロにする為に、即ち、外球の外へ電気力線を漏らさないようにする為に、外球から電荷Qを抜いて、外球に-Qを残します。外球に残った-Qは球面に一様に広がって、内球から出た電束を外球の場所で消滅させます。外球は厚みの無い導体でしょうから、球の表か裏かということは特に深く考えなくても大丈夫だと思います。 作用反作用に関しては次のように考えてはどうでしょうか。 外球に働く力と内球に働く力を比べたとき、単位立体角当たりの電荷は同じですが、面積の小さい内球の方が電束密度が高くなりますから、電界も内球の場所の方が強くなります。各々に働く力は電界の強さと電荷の大きさで決まりますから、内球に働く力の方が強くなります。もしこの構造全体が強度の弱い材料でできていたとしたら、内球は外球に引っ張られて破裂してしまうでしょう。これを防いでいるのは誘電体が(薄皮になろうとする向きに)圧縮される力に対する機械的な反力か、又は内球が自分自身の破裂に抗してその表面に機械的に発生させる張力の内球面に直交する成分だということになるのではないかと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 アースの説明、わかりやすくて助かりました! 作用反作用の話は,「作用と反作用の力の大きさは本来同じなはずなのに,同じ面積同士で見た場合だと電荷密度が異なるがために,作用反作用の各力の大きさが異なる」という解釈でよいでしょうか?
- info22_
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#2です。 A#2の補足質問について >>>誘電体内側にーQ、外側に+Q, >これは存在しないので間違い。 >存在しないというのは,誘電体に全く電荷は発生しないということだと解釈しますがなぜですか? 電界や磁界は存在しますが電荷は存在しません。誘電率εは真空でも、空気でも、プラスチック、水、油、樹脂でも存在しますので誘電体として扱えます。電界中の空気や樹脂の中に電荷が存在するか、考えて見てください。雷のような強電界がかかれば、空気中の分子が電離してプラズマ状態が発生することはありますが、油や樹脂などの物質中での電界中の媒質には電荷は存在しません。あれば電界から力を受けて移動しなくなってしまいます。 >値がQというのは間違ったのは後になって気づきましたが,微小な電荷が誘導されるものだと思ってました。 +Qの電荷に対抗した導体表面には-Qの電荷が誘導され、反対の表面には+Qの電荷が誘導されます。+Qと-Qの電荷の和は元からあった電荷になります(孤立導体に最初電荷がなければ、+Q,-Qの電荷が誘導されても電荷の総和はゼロになる)。 導体球殻Bのプラスの電荷とマイナスの電荷はアースを接続することで、導体球殻Aの+Qに反発して導体球殻Bの+Qだけがアースを通して無限遠(地球の反対側?)に逃げて行き、結果として、Aの+Qと大きさが同じで符合が反対の電荷=Qだけが、Bの内側に引き付けあって残るのです。 >>Aの電荷は内殻の球の中心側はゼロ電荷、全てAの電荷QはAの誘電体側の表面に電荷密度(面密 度)+Q/(4πa^2)[C/m^2]で均一に分布します(電荷のトータルが+Q)。 >Aの電荷は外側表面だけにしか行かないのですか? そうです。 内側表面にも正電荷が分布するとするとそこから電気力線が出て、電解が発生することになりますが、電気力線が向かマイナスの電荷が中側導体球の中側に存在することになって矛盾が発生します。なのでもともと導体球殻Aの内側表面には電荷が存在せず、球殻Aの内部に電界も存在せず、同電位になっていると言えるのです。導体球殻Aの外側表面にだけ+Qの電荷が均一に分散して存在することになります。 >電荷は内外側均一になるかなと思っていましたが。 導体球殻Aの内側表面には電荷は分布せず、外側表面にだけ均一に分布します。 導体球殻Bでは、逆に内側表面だけに-Qの電荷が均一に分散して存在し、外側表面はアース電位(0V)でアースと同電位なの外側表面から電気力線も出ず、したがって電界も発生しません(外側は同電位空間になる)。 お分かりかな?
お礼
回答ありがとうございます。 誘電体の電荷誘導の件ですが,もしかして真性電荷のことをお話しされているでしょうか? もしそうでしたら言葉足らずで御免なさい、お聞きしたかったのは分極電荷のことです。 もともと質問文の自分で考えた答案での誘電体に発生しているといった電荷というのは分極電荷のことを話しているつもりでしたが・・・誤解を招いてしまったようでしたらごめんなさい、色々と不束者で申し訳ないです。 導体の電荷の分布にかんしては御蔭様で納得いきました!
- info22_
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>この力は多分クーロン力だと思ってます。 その通り。 >立体角の定義dΩ=S/r^2 バツ。 正解はΩ=S/r^2 >誘電体内側にーQ、外側に+Q, これは存在しないので間違い。 >Bの電荷としてどれを選択するのが適切でしょうか? Aの電荷は内殻の球の中心側はゼロ電荷、全てAの電荷QはAの誘電体側の表面に電荷密度(面密度)+Q/(4πa^2)[C/m^2]で均一に分布します(電荷のトータルが+Q)。 一方、Bの内側に合計で-Qの電荷が電荷密度-Q/(4πb^2)[C/m^2}で均一に分布します。 電気力線はAの誘電体側にだけ、表面に直角方向(半径方向)に放射状に合計でQ/ε[本]出て、Bの表面に同じ本数の電気力線が垂直に入ります。Bの内面(誘電体側)に均一に電荷密度-Q/(4πb^2)[C/m^2]で分布します。 >そもそもアースをするという設定がよく分からないのですが、 導体球殻Bの外側の電荷だけが全てアースを通して無限遠に逃げてしまい、球殻Bの外側表面には全く電荷がなくなります。 >アースってつないだ部分の電圧がゼロになるだけなのか, 電圧でなく、電位です。導体球殻B全体の電位がアースをつなぐことでゼロ電位(0[V])になります。 >それとも外側の電荷だけ逃げるのか,全部逃げるのか、どれでしょうか? 導体球殻Bの外側の電荷が全部逃げますが、内側の電荷-Qだけ残ります(内側電荷は逃げません)。この電荷は導体球殻の+Qと大きさ同じで符号反対の-Qの電荷になります。 Bの外側には合計+Qの電荷が誘起されますが、Bの外側がアースされ+Qの電荷はアースを通して無限遠に追いやられてしまうので、Bの外側表面には電荷は全く存在しません。 なので電荷は中側球殻Aの誘電体側にトータルで+Qの電荷、外側球殻Bの中側(誘電体側)に+Qと同じで符号反対の「-Q」の電荷が、胴体表面に均一の分布して存在します。球殻Aの内側、球殻Bの外側には電荷は存在しないので電荷分布はゼロです。 結果として、「内側導体球殻Aの外側電荷+Q」と「外側導体球殻Bの内側電荷-Q」とがクーロン力で引き合う力が働きます(球殻Aと球殻Bに引き合う力となって働きます)。 球殻Aの外側表面の電荷密度は「+Q/(4πa^2)」、球殻Bの内側表面の電荷密度は「-Q/(4πb^2)」となり、電荷密度自体は球殻Bの表面の方が小さくなります(単位面積あたりの電荷の量は球殻Bの方が少なくなります)。トータルの電荷は同じ(符号だけ反対)です。
お礼
回答ありがとうございます。 分かりやすい説明で助かりました! すみません,勉強不足でして何点か教えていただきたいのですが >>誘電体内側にーQ、外側に+Q, >これは存在しないので間違い。 存在しないというのは,誘電体に全く電荷は発生しないということだと解釈しますがなぜですか? 値がQというのは間違ったのは後になって気づきましたが,微小な電荷が誘導されるものだと思ってました。 >Aの電荷は内殻の球の中心側はゼロ電荷、全てAの電荷QはAの誘電体側の表面に電荷密度(面密 度)+Q/(4πa^2)[C/m^2]で均一に分布します(電荷のトータルが+Q)。 Aの電荷は外側表面だけにしか行かないのですか?電荷は内外側均一になるかなと思っていましたが。
- rnakamra
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>Aの+Q電荷により誘電体内側にーQ、外側に+Q,Bの内側に-Q、外側に+Qの電荷が誘導されますが,Bの電荷としてどれを選択するのが適切でしょうか? まず、ここからして違う。 誘電体に表面に出てくる分極電荷の大きさはQではありません。 Bの外側には電荷は現れません。外側に誘導される電荷はアースから逃げてしまいます。 >そもそもアースをするという設定がよく分からないのですが、アースってつないだ部分の電圧がゼロになるだけなのか,それとも外側の電荷だけ逃げるのか,全部逃げるのか、どれでしょうか? アースにつながれた導体の電位は"0"、つまり無限遠点と等しくなります。 今回の場合、導体Bの外側における電界が一様に"0"であることを意味します。 導体の中では電界が"0"になります。つまり、導体表面に電荷があるとそこで電界が不連続になるのですが、外側での電界が"0"であり電界の大きさが連続であることから、導体Bの外側表面に電荷がないことがわかります。
お礼
回答ありがとうございます。 >まず、ここからして違う。 誘電体に表面に出てくる分極電荷の大きさはQではありません。 あっ、うっかり導体と同じように書いてました、すみません; >Bの外側には電荷は現れません。外側に誘導される電荷はアースから逃げてしまいます。 説明不足でした、アースしてない時の誘導電荷がどうなるかを考えてからアースという条件を考えようとしてました。上の話はアースなしの時です。 アースすると,全部の電荷が逃げるわけじゃなくて,つけた側の電荷が逃げると考えても問題ないですか? アースと電位、電界の関係については勉強になりました、思っていたよりもアースという条件から色々と考えられるものなんですね。身の回りにあまりアースについて触れている文献がなかったので助かりました。
お礼
回答ありがとうございます。 補足説明のほう了解しました!