無安定マルチバイブレータのV-f特性
- 無安定マルチバイブレータのV-f特性について調査しました。
- 回路にかかる電圧と周波数の関係をグラフ化しました。
- グラフの形状には特定の傾向があり、それを解明したいと思っています。
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マルチバイブレータのV-f特性
無安定マルチバイブレータの実験をしました。 電源電圧を0から15Vまで変化させて、周期をオシロスコープで測定しました。その周期から周波数を計算して、横軸に電圧、縦軸に周波数をとってグラフ化しました。 f | 40 | ・ | ・ | ・ 30 | ・・・ | ・ | ・ f=kHz 20 |・ L――――――――― 1 6 12 V こんなグラフになりました。30kHzの回路を作成したので6~10Vの時は30kHzに近い値になりましたが、1~6Vと10~15Vは右上がりになりました。 なぜ、このようなグラフになるのでしょうか? おしえてください。よろしくお願いいます。
- norvill625
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詳しい図をどうもありがとう。 しかしとても古いトランジスタを使ってるのだな。ずいぶん前に製造中止になった製品でデータシートが無かった。 ............................................................................. Vcc ↑ | Vcc-Vbe | | Vbe(on)約0.65V _↓___ __↓___ ........↑..........│......................../............................ gnd | │ / ↑ | | / Vcc-Vce(s) | / | | / Vccに向かって指数変化 ↓ |/ 時定数τ=CbRb =470p×51k=23.97μs トランジスタのコレクタ電位は(gndから測って)オフ状態ではVccでオンすると飽和電圧Vces(sは飽和)になるゆえ、その振幅はVcc-Vces。この振幅がコンデンサを渡って反対側のベースを負に振る(上図)。ベースの電位は今までオンしてたから Vbe(0.65V程度)であった。そこから急激に負に振られる。その直後からRb経由で充電が始まる。 充放電の一般式はお馴染みの V=Vo・exp(-t/τ) である。 Voは一見複雑に見えると思うが、充電の最終到達値はVccである。そこを基準にVoやVを測れば簡単明瞭である。(*) 上図から Vo = Vcc-Vbe + Vcc-Vces = 2Vcc-(Vbe+Vces) である。 これが再びトランジスタをオンさせる所は、やはりVccから 測ってVcc-Vbeになる所である。 ゆえに、充放電の一般式から Vcc-vbe=(2Vcc-Vbe-Vces)・exp(-t/τ) を満たすtがパルスの幅になる。 exp(-t/τ)=Vcc-Vbe/(2Vcc-Vbe-Vces) -t/τ=ln{Vcc-Vbe/(2Vcc-Vbe-Vces)} 周波数は1/2tゆえ f=1/(2τ)・1/ln{(2Vcc-Vbe-Vces)/(Vcc-Vbe)} ところで、シリコンTrでは、コレクタ電流を数ミリ流した場合は、およそVbe=0.65V、Vces=0.2V程度である。だいたい決まってる。 そこで数値計算; Vcc f=1/47.94μs・1/ln{(2Vcc-0.85)/(Vcc-0.65)} 15(Volt) 29.43 (kHz) 14 29.39 13 29.33 12 29.27 11 29.19 10 29.10 9 28.98 8 28.84 7 28.65 6 28.41 5 28.05 4 27.51 3 26.59 2 24.62 1.5 22.48 1.3 21.06 1.2 20.13 1.1 18.98 1.0 17.53 単純化した計算なので実測値とはズレがあるが傾向は同じはず。 下の方の落ちかたは;直線ではなく電圧が低い所が急激に落ちてるのでは? もし違う場合は実測値を教えて下さい。別の原因が隠れているかも。まさかトランジスタが永年の酷使で劣化してるのか?など。 上の方が上昇する様子からして、エミッタベース逆耐圧Veboは実力10V程度ありそうだ。図の Vcc-Vce(s) がこのVeboで押さえられて一定値になる、という式を作り直して実測値と比べることを勧める。 (*) 複雑な回路の場合これがコツ。 最終状態から測れば式は常に exp(-t/τ)になる。 (1-exp(-t/τ))は使わなくともよい。
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- Teleskope
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もし課題が「電源15Vまで正常に動かせ」なら、別途相談に乗ります。
- Teleskope
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実測データどうもありがとう。 Vcc 実測値→相対値 相対値 ← 計算値 15 41.7 1.38 | 1.04 29.4 14 39.2 1.29 | 1.04 29.4 13 37.0 1.22 | 1.03 29.3 12 35.7 1.18 | 1.03 29.3 11 33.3 1.10 | 1.03 29.2 10 31.3 1.03 | 1.02 29.1 9 31.3 1.03 | 1.02 29.0 8 30.3 1.00 | 1.01 28.8 7 30.3 1.00 | 1.01 28.7 6 30.3 1.00 | 1.00 28.4 5 30.3 1.00 | 0.99 28.1 4 29.4 0.97 | 0.97 27.5 3 28.6 0.94 | 0.94 26.6 2 27.8 0.92 | 0.87 24.6 1 22.7 0.75 | 0.61 17.5 1.相対値をグラフにプロットして比較して欲しい。平坦部と下の方はおおむね合ってると言ってよい。私の計算値はかなりアバウトだから。 オシロを使えるのなら、VbeやVcesを実測して再度計算してみればよい。この範囲では回路は正常動作してると考えてよい。 2.下の端の方は計算の方を信用しないで欲しい。電流が下がったときのVcesやhfeの変化など何も考慮してないから。 3.一番大事なのは、8~9ボルトから上の方がなぜ上昇するのか。原因は何度も書いてるのだが、ベースが負に振れすぎて耐圧限界(Vebo)を越えているからだ。トランジスタの基本の本か何かでエミッタ~ベースの逆耐圧を学んで欲しい。 ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)のようになっているのだ。 要するに、この回路構成では電源電圧は8Vあたりが限界ということだ。それを越えて長時間動かしてるとトランジスタが次第に劣化してやがて壊れてしまう。
お礼
毎回詳しくありがとうございます。 相対値をグラフにプロットして比較してみます。それとエミッタとベース間の逆耐圧ですね。 一つ一つつめていきます。 本当にありがとうございました。
- Teleskope
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上の方だけ教えましょう。前レスの蛇足に書いた禁忌状態をわざわざ起こしている。ベース~エミッタが逆電圧に耐えれずにブレークダウン(降伏;早い話がツェナーダイオード)を起こしている。ベースを負に振る振幅はその電圧より下がれないゆえ、充電開始の初期電圧は一定になる。一方、充電電流はVccに比例して増すゆえ、ベースオン電圧に達する時間がVccに比例して短くなる。 下記の部品定数とトランジスタの型番などをくわしく教えてください。出来ればトランジスタのベースエミッタ逆耐圧をデータシートで調べること。 一般に回路の質問は具体的な記述が無いと話が一般論で終わる。 Vcc Vcc | | R1 R3 | | |---R2----C-----| | | | ? | C | C B--… └----B E E | | gnd gnd なお蛇足だが、ベースエミッタ間のブレークダウンを続けているとトランジスタが劣化してやがて破壊に到る。
補足
部品定数とトランジスタの型番なんですが、 Vcc │ ―――――――――――― │ │ │ │ Rc Rb Rb Rc Rb=51kΩ │ │ │ │ Rc=1kΩ │―C―│ │―C―│ C=470pF │ \ / │ │ \/ │ トランジスタ │ /\ │ 2SC372-Y │ / \ │ C / \ C B/ \B E E │ │ GND GND です。f=30kHzでT=33.3μsecを目標にしました。 よろしくお願いいたします。
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