- ベストアンサー
劣化の補修の後での管理
デジタル加工の後にVHS側への録画を遣り直すアナログ化の作業をTVで見ましたので、気になりましたから、畏れ入りますが、教えて下さい。 アナログの状態の方が映像の保存に比較的に適しているのでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
はじめまして。 1975年に家庭用二分の一インチビデオ規格ベータマックスが市場に投入されて以降今年で36年になります。 機器があってテープの保存状態が良ければ、当時のビデオテープでも再生可能です。 当方の場合は一番古いものでも30年前のものですが、今でも正常に再生されます。 つまり「持つ」と言う歴史があります。 カセットテープに至ってはそれ以上の「持つ」と言う実績もあります。 問題は再生側の機器だけで、録画媒体としての実績はHDDやフラッシュメモリ、記録型光学ディスクよりも、磁気記録のテープ媒体の方が実績は確実にあります。 HDDは振動に弱く、0~10年ほどで寿命を迎えますし、フラッシュメモリは重ね書きに弱く、静電気や接触不良で簡単にデータが飛びます。 記録型光学ディスクは光と熱、湿度に極度に弱点を抱えていてその寿命は0~10年ほど(公称では30年)です。 しかも記録型光学ディスクは非接触媒体ですので、接触媒体と比較すると遙かに低い互換性しかありません。そのために光学ドライブを搭載している機器には、他機で作成したディスクは正常に再生できない場合があります、の文言が必ず説明書に記載されているほどです。 つまり利便性が高くなればなるほど製品自体の寿命は反比例するかのように短くなっています。 磁気記録は強い磁気に弱い、テープベースは熱と湿気に弱いと言う点はありますが、HDDやフラッシュメモリ、記録型光学ディスクと比較すると環境の変化にも強い安定した媒体です。 皮肉なことですが、廃絶したMOや製造完了が発表されたMDのような光磁気ディスクの方が記録型光学ディスクよりも安定した媒体なのですが、光磁気記録媒体は高容量化が困難でした。そのために敗退することになりました。 ビデオテープから記録型光学ディスクへの転換期に、TVショッピングなどではビデオテープは経年劣化で画質が劣化する、再生する度に画質が劣化するなどと戯言を平気で喧伝していました。 確かにテープの品質から経年劣化を起こすものもありますが、大半は大丈夫ですし、通常再生だけならば10回、20回再生しても気が付くほどの画質劣化はありません。 さすが録画状態の厳しいVHSの三倍モードではこの限りではありませんが、標準モードで記録している分には目につく劣化はありません。知人で300回ほど再生したら絵が消えたと言う強者もいましたが、通常はそこまで繰り返し再生する人もいません。 つまり、あの頃の謳い文句はすべて新規格、新製品を売らんがための方便です。 再生機器の存続の問題がなければ、本来はそのまま維持できれば良いのですが、ビデオデッキ自体がすでに日本では生産されていない状況です。 現在日本で流通しているHDD・DVD・VHS一体型レコーダーのVHS部は中国製です。 日本製のデッキを入手するにはすでに中古市場を頼るしかありません。 当方も再生環境の問題からアナログのデジタル化、DVD化は行っていますが、おそらく数年ごとにDVDのコピーし直しとなるでしょう。 リアルタイムダビングと、ダビングによる画質劣化が著しいアナログビデオに比較すると手間はかなり軽減されていますが・・・ もっとも今更、旧来のアナログビデオに戻る気もありません。
補足
凄く分かりやすい説明を提供して下さいまして、 誠に有り難う御座います。 TVショッピングでの卑怯な営業トークが、利便性と耐久性とのトレードオフを隠蔽してきたのですね。