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二度手間の消化酵素

たとえば炭水化物を分解する場合、アミラーゼはデンプン→麦芽糖にして、マルターゼは麦芽糖→ブドウ糖にするみたいです。 しかし、それならデンプン→ブドウ糖という風に、いきなりブドウ糖に変えてもよさそうな気がします。 他にもたんぱく質の場合、ペプシンはたんぱく質→ペプトンにして、トリプシンはペプトン→ポリペプチドにして、エレプシンはポリペプチド→アミノ酸にするみたいです。 しかし、これもたんぱく質→アミノ酸という風に、いきなりアミノ酸に変えてもよさそうな気がします。 どうしてわざわざ段階を経て分解するのでしょうか?

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  • raiden787
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回答No.1

アミラーゼにはいくつか種類がありますが、人間の体内で作られ、消化に使用されるアミラーゼはαアミラーゼという種類のアミラーゼです。 さて、このαアミラーゼですが、実のところ、麦芽糖だけを作り出すわけではありません。 実際には麦芽糖以外にオリゴ糖やブドウ糖も作ります。 そもそもデンプンやオリゴ糖、麦芽糖とはどういう物質かご理解しているでしょうか? 簡単にいうと、デンプンはブドウ糖が何百何千個もたくさん結合した鎖のような物質で、オリゴ糖はブドウ糖が数~数10個、麦芽糖はブドウ糖が2個くっついた物質です。 デンプン = 〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕-(中略、数百~数千個のブドウ糖)-〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕 オリゴ糖 = 〔ブドウ糖〕-(中略、数個~数10個のブドウ糖)-〔ブドウ糖〕 麦芽糖 = 〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕 人間はデンプンのままでは体内に吸収できませんので、この繋がりをばらばらにして、ブドウ糖にまで分解する必要があります。 アミラーゼはデンプンのブドウ糖同士の結合を切り裂いてしまうのです。                アミラーゼ                  ↓切断 〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕-   -〔ブドウ糖〕-(中略)-〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕 デンプン、オリゴ糖、麦芽糖の違いは結合しているグルコースの数の差でしかありませんので、切る位置によって、デンプンは、より小さいデンプン、オリゴ糖、麦芽糖、グルコースのどれかになります。 そして、マルターゼは、麦芽糖(〔ブドウ糖〕-〔ブドウ糖〕)を切断して、ブドウ糖2つを作る働きがあります。 アミラーゼはデンプンのような巨大な分子は効率的に次々と分解していきます。しかし、麦芽糖のように小さくなってしまうと、効率が悪くなります。 一方、マルターゼは麦芽糖のような小さい分子を確実にグルコースに分解できる反面、デンプンのような巨大な分子を分解する能力はありません。 アミラーゼ  = 鉈、 マルターゼ = ナイフ といったところでしょうか。 大きな木材(デンプン)を叩き切るには鉈(アミラーゼ)が適切ですが、細かくなった木片(麦芽糖やオリゴ糖)を正確に加工するにはナイフ(マルターゼ)のほうが適切ですね。 つまり、いきなり完全に分解したくてもできないから、数種類の消化酵素で少しずつ栄養を小さく分解していく、と考えていただければ、と思います。 他には、栄養分を早い段階で最後まで分解しきってしまうと腸内の細菌に奪われてしまう恐れがあるために、吸収直前の最終段階で分解してしまう、という意味合いもあります。 わかりやすくするために、非常に大雑把に説明しました。実際にはもっと複雑な働きや意味合いがあり、また、理解しやすくするために強引な解釈をしている部分もあるので、専門知識が知りたい場合は専門書で勉強されることをお勧めいたします。 失礼しました。 他に疑問などありましたら、補足欄にお書きください。

bururutti-2
質問者

お礼

なるほど、小さくなると分解は非効率的になるから段階を経て分解していたのですね。 回答有難うございました。凄く分かりやすかったです。

その他の回答 (1)

  • thegenus
  • ベストアンサー率49% (330/673)
回答No.2

質問者さんは酵素についてどれだけ勉強済みなのですか? 酵素とはどういうものですか。その特徴は何ですか。 「澱粉分解酵素」(エイチビィアイ株式会社のページ) http://www.hbi-enzymes.com/HBI_Amylase.htm 「蛋白分解酵素」 http://www.hbi-enzymes.com/HBI_Protease.htm 「アミラーゼを題材とした酵素反応の実際」(川村三志夫さん) http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~cse/spp2009kawamura.pdf 専門家も「酵素で切る」などと言いますが、それは実際はどういうことか、ですね。 つい先日締め切られた質問にも酵素が関係していますが、 http://okwave.jp/qa/q6690838.html 静脈の色など、質問者さんの質問(疑問)はセンスがいいと思います。しかし専門用語と言っている件については、高校で習う範囲の言葉ですよ。 頭が混乱するのは無い物ねだりです。一つ一つ学んで知識を拡充すれば誰でも理解できることです。それをしないと誤解の質が変るだけになります。 「脱炭酸」 「カルボキシル基 (-COOH) を持つ化合物から二酸化炭素 (CO2) が抜け落ちる反応」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B1%E7%82%AD%E9%85%B8 「管理栄養士国家試験徹底解説」(山口県立大学看護栄養学部教授 長坂祐二) http://diet2005.exblog.jp/d2011-01-11/ の抜粋。 「解糖によりグルコース(C6H12O6)1分子から2分子のピルビン酸ができる。1分子のピルビン酸から1分子のアセチルCoAができるときに1分子のCO2が発生する。このCO2の酸素の1つはグルコース由来、1つはリン酸に由来する。アセチルCoA1分子がクエン酸回路に入ってグルグル回る間に、アセチル基(CH3CO-)の2つの炭素は2分子のCO2となる。このCO2の酸素は水(H2O)の酸素に由来する。教科書のクエン酸回路の図をよく眺めてみよう。H2Oが入っている場所が2か所あるはずだ。こうして1分子のグルコースが完全に酸化されると6分子のCO2が生成することになる。」 どちらかというと呼吸の異化代謝について把握するための方便としては、 基質の炭素に酸素が結びつく、酸化でもいいですが、 基質から水素が取れていく、酸化もいいと思います。 ATPの合成のために露骨に酸素が結びつく相手は、水素伝達系(電子伝達系)における水素ですから。

bururutti-2
質問者

お礼

>専門用語と言っている件については、高校で習う範囲の言葉ですよ。 え?アレって高校の内容なんですか? 高校ってずいぶん専門的な事を習うんですね。 自分はその質問のNo.2さんの回答でも「炭酸水素イオン」「水素イオン」「ヘモグロビン」などの専門用語が登場して、理解するのに苦労したのですけどね。 回答有難うございました。

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