イチロー選手の筋トレについて
1月2日にNHKで放送された「イチロー知られざる闘い」(プロフェッショナル-仕事の流儀)において、イチロー選手がマリナーズの室内練習場で、イチロー選手専用の特殊なトレーニング・マシーンを使って、トレーニングをしている場面がありました。
ラットプルダウンとバタフライマシーンが合体したような器具で、手で握る取っ手の部分を、カラダの前方で自由に開いたり閉じたりしながら鍛えるものでした。負荷は比較的軽めでやっていた感じでした。
イチロー選手は「肥大させないで筋力をアップさせたい」と話していて、実際にそのようなことが可能なのかどうか気になったので、質問させていただきました。参考までに、以下に番組内でのイチロー選手のコメント(抜粋)を書いておきます。
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イチロー選手:「(これは)筋肉の硬化を招きづらい、むしろ、弾力性のある柔らかい筋肉をつくるマシーン。動作中に酸素供給がうまくいったり、乳酸を発生させないような動きができるマシーン」
茂木教授:「柔らかくてしなやかな体を作ることですか?」
イチロー選手:「そうです」
イチロー選手:(器具を使用しながら)「こんな動き、日常生活では絶対にないです」
イチロー選手:「(大リーガーでイメージされるような大きな体にする目的は)全くない。むしろ、肥大させないで筋力をアップさせたい。僕の体って、割と神経が行き届いた状態にあるので、何でも頭で表現したことをイメージしやすい体になっている。それは僕の大きな武器ですから。これがそんなに(大リーガーでイメージされるような)大きくなっちゃったら、絶対にできないですから」
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また、イチロー選手が脳科学の茂木健一郎教授(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%82%E6%9C%A8%E5%81%A5%E4%B8%80%E9%83%8E)との対話の中で、「無意識と神経の関係性」の話に食いついていたのが印象的でした。せっかくなので、それも抜粋します。あわせて、色々なご意見・ご見解をお聞かせ願えれば幸いです。
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(鈴木一郎が「イチロー選手」になるときスイッチの切り替えについて)
茂木教授:「イチローモードになるときの頭の中はどうなっているんですか?」
イチロー選手:「時間がきっちり決まっている。動き出す時間、ストレッチの時間、ゲームに入る前の準備がきっちり決まっている。それをこなしていったら、徐々にポンポンポンポンと入っていくんですよ。なので意識はないんですよ。意識なくスイッチが入るんです」
女子アナ:「剣道など和の武道のように、すごく所作が決まっているものほど、それをしているうちに集中が高まると聞いたことがあるんです」
イチロー選手:「すごくよくわかる」
女子アナ:「脳科学的には、同じ所作を繰り返すと集中力が高まるということはあるんですか?」
茂木教授:「そりゃあ、あります。無意識を扱おうと思ったら、それしか方法はないです。言葉とかイメージトレーニングとかっていうけれど、ああいうのって、やろうとおもったって、限界がありますからね。だって無意識の状態の方が、遥かに大きいんですよ。そっち(無意識)をコントロールしようと思ったら、体の方が。だって、体の方がものすごく脳に神経線維(繊維?)がいってますから」
イチロー選手:「じゃあ体にゆだねるってことは、間違いではないわけですね(興味津々の表情で)」
茂木教授:「間違いではないです」
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ご意見お待ちしています。