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原発事故でストロンチウム90の出ない理由
- 原発事故によるストロンチウム90の出ない理由について疑問があります。
- ストロンチウムはカルシウムの同族元素であり、摂取すると骨に蓄積されるため、放射性ストロンチウムによる内部被ばくに注意が必要です。
- しかし現時点では情報が得られておらず、分析に時間や手間がかかること、国内に専門家がいない可能性などが不安要素です。どのようになっているのか知りたいです。
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回答にはなりませんが、私も全く同様の疑問を持っていて検索中でした。 ストロンチウム89がガンの治療に役立っているということはヒットしましたが 今回の事故関連のストロンチウム90の情報は見つかりません。 30年以上も前の知識ですが、U235が分裂しすると質量数で130前後 と質量数90前後の元素と数個の中性子に分かれることが多いと。 質量数131のヨウ素がたくさん出ているのであれば、そのヨウ素はウランが 分裂した生成物で、燃料棒にあったものでしょう。そうすると片割れの質量数90 前後の生成物(ストロンチウム90を含む)も大量に燃料棒に入ってたと見るのが 自然。サヤが溶けるような高温から水没して水に溶けてイオンになっているという ご意見は説得力があります。 報道のように水は海に流れており、大型の魚に蓄積していかないか心配です。
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放射性物質です。 べんきょうしました。 [放射性同位元素] ・3H(トリチウム)半減期12.3年 水の形で人体に取り込まれ、全身に均等分布する。突然変異の原因となる。 ・14C(炭素14) 半減期5,730年 全身に均等分布し、突然変異の原因となる。 ・32P(リン32) 半減期14.26日 骨に集積され、白血球減少等の症状が出る。 ・40K(カリウム40) 半減期1,280,000,000年 全身に均等分布し、突然変異の原因となる。 ・45Ca(カルシウム45) 半減期164日 骨に沈着し、白血病の原因となる。 ・59Fe(鉄59) 半減期44.5日 骨髄に沈着し、白血病の原因となる。 ・60Co(コバルト60) 半減期5.27年 肝臓、脾臓、下部消化器に沈着し、肝臓ガンの原因となる。 ・65Zn(亜鉛65) 半減期244日 肝臓や骨に集積され、肝臓ガン、骨腫瘍の原因となる。 ・90Sr(ストロンチウム90) 半減期28.8年 カルシウムと代謝が似ていて、骨への沈着が多い。骨腫瘍や白血病の原因となる。主に消化管から吸収される。 ・131I(ヨウ素131) 半減期8.04日 揮発して気道から吸収されやすい。甲状腺に選択的に取り込まれ甲状腺がんや甲状腺機能低下となる。 ・137Cs(セシウム137) 半減期30.0年 筋肉や全身に分布し、白血病や不妊の原因となる。 ・226Ra(ラジウム226) 半減期1,600年 骨に集積され、骨腫瘍や白血病の原因となる。 ・232Th(トリウム232) 半減期14,100,000,000年 肝臓、骨、肺に集積され、肝臓ガン、骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。 ・238U(ウラン238) 半減期4,468,000,000年 腎臓、骨、肺に集積され骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。 ・239Pu(プルトニウム239) 半減期24,120年 肝臓、骨、肺に集積され、肝ガン、骨腫瘍、肺ガン、白血病の原因となる。 ・241Am(アメリシウム241) 半減期432.2年 骨に集積され、骨腫瘍、白血病の原因となる。 可溶性のプルトニウム(Pu-239)を摂取すると、大部分は肝臓と骨に集まりますが、粉塵とともに吸入されると肺に沈着します。これら放射性物質が化合物となっている場合は、その化学形が集積部位及び程度に大きな影響をもたらします。 ここに記載した放射性同位元素は、自然界に存在するもの、核分裂生成物、人工的に中性子照射等で作ったもの、原子力発電所等の腐食生成物があります。 また、半減期については物理学的半減期、生物学的半減期、実効半減期、等があり、人体に対する影響については実効半減期を用いる事が正しいのでしょうが、放射性物質の形態(化合物の性状)によって変化する為、物理学的半減期のみを掲載しました。
お礼
貴重な情報をご収集、ご提供下さいまして、大変ありがとうございます! 私のみならず、この情報は多くの方々にとって、参考になるのではないかと拝察致します。 昨日民放ラジオで解説していた人の話によりますと、Pu-239による内部被ばくについては、肺への吸入、吸着によるもの、および、何らかの原因で直接血液中(=血管内)へ取り込まれてしまった場合の影響が最も恐ろしい反面、食品に付着した分については、水溶性の低い形態をしているのか、消化器からの吸収は殆ど恐れるに足りないのだ、ということでした。 ご存知のように、ストロンチウムは元素の周期律表の上ではカルシウムと同族であることから容易に想像できます通り、水溶性の高い形態をとりやすく、従って、食品に混入した場合には消化器から効率良く吸収され、結果的に骨などの体組織に定着して長い半減期の間、深刻な内部被ばくを引き起こす危険性が懸念されます。 santana-3様がご紹介下さいました資料によりますと、今回の事故に際しては、原発周辺で採取された、あるいはタービン建屋内に溜まった強力なβ線を放射する水等を分析すれば、ストロンチウム90が脅威的な量、検出されることが容易に想像できます。 従いまして、この期に及んで分析が行われた形跡が我々一般に伝わってことには当事者に対する不信感を禁じ得ません。
- okormazd
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ウラン235の核分裂で、最も多く生成される核種の1つがストロンチウム90です。生成割合は、ヨウ素131は3%、セシウム137が6%、ストロンチウム90も6%程度です。これは生成割合なので、燃料棒全体に対する%ではありませんが、(使用済み)燃料棒にはセシウム137と同程度のストロンチウム90が含まれています。なお、この%は文献によっていくらか数値にずれがあります。 なのに、どうしてヨウ素やセシウムが問題になり、ストロンチウムがないのか。 1つは、測定していないだけかもしれない。 2つめは、まだ燃料棒がそれほど破壊されていない。 3つめは、燃料棒はある程度破壊されたが、ストロンチウムが飛散するほどの温度にはなっていない。 ということです。 ヨウ素やセシウムが検出されるのだから、燃料棒がいくらか損壊されたと考えざるを得ません。どうして、ストロンチウムが出てこないか。それは、 ストロンチウムとその化合物の融点・沸点に関係があるのではないかと考えます。 ヨウ素の融点113.6℃、沸点183.4℃ セシウムの融点28.5℃、沸点668.4℃ ストロンチウムの融点769℃、沸点1384℃ まだ、燃料棒が本格的に高温になっていないので、ストロンチウムの飛散が少ないのではないでしょうか。
お礼
ご回答大変ありがとうございます! 説得力のあるご考察を3点ご提示下さいました内、やはり「1」なのではないか、という気が致します。原発由来のプルトニウム核種が原子炉周辺で検出されたそうですので、燃料棒は、すでにストロンチウム90が十分な量、水に溶け出して周囲を汚染している可能性が高いと推測されます。既に充分に空焚きされ、高温となった結果、被覆材のジルコニウムが融解して内部が露出しているのはほぼ間違いなく、しかも、その割合は半分またはそれ以上という見方も少なくありません。このような現状では少なくとも、「御用学者」のような、権力者の顔色を見て言う内容を決めるような人種でない限り、「全く出ていないはずだから、測定はしないで良いだろう」と言うような「専門家」は、存在しない状況になっていると思います。 ご指摘の融点、沸点は、単体(セシウム、ストロンチウムについては金属の状態)の物理的性質ですね。セシウム、ストロンチウムはイオン化傾向が高く、極めて還元力の高い(=酸化され易い)種類の元素ですので、ジルコニウムですら酸化されてしまうような高温の水の充満している環境下では瞬時に陽イオンに酸化されることが予想されます。従いまして、環境への放出は、水蒸気などがスプレーのように放散される際に、そのしぶきに含まれて陽イオンの状態で(対陰イオンと共に)大気中に飛散し、風にのって運ばれるか、あるいは、クリプトン90のようなガス状放射性同位体がβ崩壊を経てストロンチウム90に変化する過程で大気中に拡散する(ただし、クリプトンー90が原子炉で生成するかどうかは、知りません)といった原因で、多少遠距離まで低濃度汚染を引き起こす可能性が考えられるかと思います(ただし、チェルノブイリ原発事故やウラル核惨事、アメリカのコロンビア川の汚染やロッキーフラッツ跡地周辺の汚染、スリーマイル島事故の影響に関する記述を見る限りは、いくつかの事例で現場周辺における深刻な高濃度汚染の情報はあるものの、遠方まで深刻な汚染が及んだ、という記事は見つけられませんでしたが・・・)。 たとえ低濃度でも、汚染されれば、植物や動物による生物濃縮を経て、乳製品に代表される食品に混入して我々の体内に吸収される危険性に注意する必要が生じるはずです。 ところで、ご指摘の「可能性1」に関連しまして、doc_sunday様のご回答中に、即座に分析できる手法をご紹介頂きましたが、下記のサイトおよび、Wikipediaにおけるストロンチウム90の分析に関する記述を拝見する限りは、やはり、分析、定量には1週間を優に超える長期間が必要と思われます: 財団法人 日本分析センターのサイト(URL:下記) http://www.jcac.or.jp/service_env_stron90.html を拝見しますと(ここでは最新の分析手法を用いて居られるという前提で申します)、ストロンチウムを分離・精製してから、1週間以上放置して、ベータ崩壊によって生成するイットリウム90の量が充分に増えるのを待って初めて、そのイットリウム90を分離してベータ線を測定することによってストロンチウム90による汚染が評価できるようです。 これでは到底、ガンマ線の波長(=固有エネルギー値)の測定による方法で分析でき、その強度から簡単に定量可能なヨウ素やセシウムのような迅速な検出・測定は望むべくもなく、事故発生後、最低10日間は情報が出て来ないことは、理解できます。 しかし、事故からすでに20日が経過しようとしている現在においてなお、全く情報が出て来ないことや、1週間程度で分析結果がまとめられるプルトニウムの情報がつい先日になってやっと出てくるといった対応に鑑みますとやはり、「やかましいマスコミがまだ気づいていないし、このまま終息するなら、測定しないまま終わっても良い」などといった不埒な考えが当事者の仲間内でメジャ~な考えとなっているのではなかろうか、という疑心暗鬼に陥らざるを得ません。
- santana-3
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http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html この文章では原発事故によるストロンチウム90の量は少ないとしています。
お礼
ご指摘ありがとうございました。 仰る通り、原発事故によって大気中に飛散する量は少ない、とのことですね。 しかし、今回のケ~スはご指摘の記述に見られる問題とは性格が異なり、当初の質問文にも記しましたように、大量放水によって溶け出す成分に含まれる放射性物質、特にストロンチウム90が重要な問題となるものと思います。 4月5日になって初めて、TBSの「朝ズバッ」で、解説者が「海洋へ流れ出ている汚染水に含まれるストロンチウム90」に言及するのを観ました(その前に一度だけ、原子炉建屋地下で作業員さんがβ線熱傷に遭われた事故の際に、NHKの水野解説委員が一言だけ言及したことはありましたが)。 この解説者曰く「おそらく 測定はしているものと思いますが・・・」。・・・言葉に自信がなさそうでした。 ところで、今日、MIXIで下記URLのような貴重な情報を頂きました: http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1698276576&owner_id=762782 曰く、どうも、盗電も国も、「ストロンチウム90にまで 手が回らない」 から 測定はしていないようだ、という うすら寒い状況が現状だ、というのです。 真偽のほどは保証の限りではありまませんが、原子炉建屋の水素爆発から3週間を経てもなお、情報が全く出て来ない現状は、上記の内容を強く裏付けるものにほかならないという気がします。
>分析に1週間以上かかることや 手間がかかる… 現在の技術でストロンチウムの含量を測定するのには数分もかかりません。X線蛍光分析という強力な方法があります。 ICP/質量分析からはストロンチウムの同位体分布が測定できます。これも数分です。
お礼
早速のご回答大変ありがとうございます! ICP-Massの専門家が身近に居るのですが、その人が「ストロンチウム90の定量分析が満足にできる人は日本には居ないのではないか」と言っていたものですから、発言の主は当然蛍光X線分析やICP-Massの能力を把握した上で発言したものと解釈しましたので、不安になってこの質問を投稿した次第です。 ご回答頂きました内容について、もう一度その人に確認させて頂きました上で、改めてお礼を申し上げたいと存じます。 何卒宜しくお願い致します。
お礼
貴重なお返事を賜り、大変ありがとうございます。 実は、古稀を迎える世代にとっては、ストロンチウム90というのは、耳慣れた単語なのだ、ということを知りました。 昭和29年3月1日、静岡県焼津漁港の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁近くで、米国の水爆実験による死の灰を浴びる被爆事件が起こった際、「マグロにストロンチウム90が含まれている」ということを理由に、マグロが全く売れなくなり、寿司屋さんも、商売あがったりとなってしまった時期があったんだそうです。 当時の風刺漫画には 寿司屋で「ストロンチウム握って~」などといった ブラックジョ~クが登場したりもしたそうで、「良く覚えている」という話を聞かされました。 ということは、当然、盗電幹部の世代にとっても、ストロンチウム90の存在とその危険性については、実はなじみ深い物であることが、容易に推察できます。 私は放水が始まった時点で既に、何万トンもの水が注入されているのに、水位が下がりつづけている状況から原子炉の水は注入量に見合う量、環境中に漏れ出しているものと思って居りましたが、彼らは、少なくとも放水開始から10日以上にわたって、海水への放射能の漏れ出しを「検出できない」でいました。 多少の見識が備わって居れば、だれでも懸念を抱くはずのことに「まるで全く気付かない」かのように、先週までふるまってきた、盗電および政府の態度から、ストロンチウムもまた「現状では手が付けられないので、世論が騒ぎださない限り“気が付かない”でおこう」という 確信犯的な取扱いを受けているものという思いを深めつつあります。 ストロンチウム90について、ここまで情報が少ない、ということは、不自然です。 箝口令が敷かれている、と思われても仕方がないレベルです。 やはり、現状では 当局の発表を待つのは そうとうに 「おめでたい」 態度であると思わざるを得ませんね。 このように情報統制的な状況下では、とりあえずは 東日本(除、岩手沿岸以北)で獲れたあらゆる食品には手を付けない というのが 現状で取るべき自衛策である と 言わざるを得ないと思います。 もちろん、この地域から出荷される、規制対象外の産品を善意で積極的に購入し、消費しようという自由意思を妨げるものではありませんけれども、あくまでも、「自己責任」のもとに(充分に勉強し、充分に検証した上で対応し、やるからには結果に対しては決して当局の責任を追及しない、という覚悟で)行って頂きたいと思います。 貴重なご回答に、改めて感謝申し上げます。