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クーリングオフの起算日は?

noname#4593の回答

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noname#4593
noname#4593
回答No.4

>このようなケースは過去の判例ではないのでしょうか?  地裁や高裁においてはどうなのか分かりませんが、私の知る限りにおいて最高裁の判例にはこのようなケースを取り扱ったものはありません。  民事関係法令の中には、契約を無効としたり取消しうるものとしたりする制度や規定がさまざま定められております(無効:意思能力の無い場合・民法90、91、93但書、94条2項、95条など、取消しうるもの:4条2項、9、12条3項、96条1項など)。  そして、それぞれは全て独立した制度として存在しております。  つまり、ある規定、例えば「民法95条による無効の主張は認められないが、96条1項による取消しはできる。」とか、「無効や取消しの原因となるものは無いけれど、相手方の債務不履行があったので契約を解除する。」というように、それが認められた結果として契約が最初からなかったものとされると言う効果の点においては同一でも、そこに至るための手段としては様々なものがあるわけです。  そして、今回問題となっているクーリング・オフに関する規定も、民事関係法令が定めている、契約を最初から無かったものとする効果を発揮するための様々な制度のうちの一つです。  クーリング・オフに関するご説明は、前回致しました。  あくまでも、所定のことが記載されている書面を受け取った日が起算日になります。  一般にクーリング・オフ(申し込みの撤回、契約の解除)と呼ばれるものは、   ◎ 割賦販売法4条の3、29条の4   ◎ 訪問販売法6条、9条の12、17条   ◎ 宅地建物取引業法37条の2   ◎ 保険業法309条  ets などにおいて規定されております。  これらの規定によると、申込者に不利な特約は無効(割賦販売法4条の3第7項、訪問販売法6条8項など)ですが、逆に有利な特約は有効と解されております。  しかし、今回のご質問のケースにおける契約書を考えますと、  このいわゆる「クーリング・オフ規定に関する特約」なのではなく、「条件成就により契約そのものを無効とする特約」がついていたというケースです。  このような契約を『解除条件付契約』と言います。  この『解除条件付契約』の場合、契約上付けられた条件が成就すると契約そのものが無効になってしまうという効果があります。そして、当事者の特約によって、その効果を契約の時点に遡らせることも可能です(民法127条2項、同3項)。  つまり、この解除条件という『特約』と『クーリング・オフ制度』とは「全く別のもの」であると言うことが出来ます。  そうは言いましても、解除条件が成就すれば、クーリング・オフの制度の適用があるかどうかに関わらず、契約そのものが無効になるわけです。ですから、次に、この契約書が有効になるのかどうかと言う点を検討しなければなりません。  但し、ご注意願いたいのは、今回の契約書に言う「無効」とは、常に誰からでもいつの時点においても主張が出来る、いわゆる「絶対的な無効」ではなく、契約上の原則から言えば無効だけれども当事者の合理的な意思解釈によっては無効とはせずに有効とすることが出来ると言う程度の「無効」という意味であると考えられます。このように、一言で『無効』と言いましても、その性質として様々なタイプの『無効』があるのです。(例:民法90条、94条2項、95条など)  それでは、いよいよ、今回のケースの場合、契約が有効になるのかどうか、もし有効になるのであるならばそれはいつからか、と言う点について検討してみましょう。  その検討に入る前に、今回の契約がどのような性質の契約なのかと言う点を明らかにしなければなりません。  直接現金で支払う場合と異なり、信販会社を交えての契約なわけですから、このような契約を「第三者のためにする契約(民法537~539条)」と言います。  この「第三者のためにする契約」においても、一般的な契約法理はそのまま適用されます。  rinoandmikuさんと浄水器販売会社との契約において、特定の信販会社を第三者とし、その信販会社に対してrinoandmikuさんが毎月決まった金額を支払うという契約がなされていたとすると、その特定の信販会社から信販不可となった時点において当初の契約は無効になったと考えることが出来ます。  一方、ある特定の信販会社を指定したものではなく、信販会社であればどこでも良い、または、いくつかの信販会社から選ぶことが出来るというような内容の契約書であったとしますと、一つの信販会社からの不可決定のみでは、まだ契約の無効は確定しないと考えられます。従って、この場合には、他の信販会社との信販契約の成立により、当初の契約はそのまま有効となるわけです。  では、当初の契約書が特定の信販会社のみを指定した契約書であって、そのために特約の効力により契約自体が無効となったと考えられる場合、その後の他の信販会社との信販契約締結により、浄水器販売会社とrinoandmikuさんとの契約の効力をどのように考えるかが次に問題となります。  今回のケースでは、『無効行為の追認』(民法119条)の規定を適用して、追認行為があった時点、つまり信販契約が改めて締結された2月14日に無効行為の追認がなされたと見て、その時に新たな契約がなされたと考えるべきではないかと考える方もおられると思います。  しかし、私はむしろ、 (1) rinoandmikuさんも、相手方浄水器の販売業者も、この特約の  条件成就による『無効』の効果発生についての主張をしていないという点。 (2) それどころか、rinoandmikuさんは、2月14日に改めて他の信販契約を締結し、  言うなれば2月11日の契約を有効とするがための行為を行い、  それに対して相手方浄水器販売業者も何ら異議を唱えずに受け入れたという点。  以上の点から、「この特約そのものを排除する」という意思が、両当事者にあったものと考える方が素直ではないかと思います。  従って、私は、改めて契約を締結し直す手間をかけずとも、当初の2月11日の契約を、最初から有効であったものと考えるべきであると思います。  以上、最終的な契約成立日を2月11日と見るか、2月14日と見るか、判断は分かれるとは思いますが、契約自体は有効に成立しているものと考えられ、そのいずれの見解を採ったとしてもクーリング・オフの起算日は2月11日になると考えられます。

rinoandmiku
質問者

お礼

本当に有難うございました。感激です。 この内容で私も充分に納得できました。 感謝の気持ちを表現できないのが残念なぐらいです。 ありがとうございました。

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