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「こころ」の「上二十四」
日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「こころ」の中国語版を読み終えました。いま日本語版を読んでいるところです。「上二十四」の中に理解できないところがありますので、お伺いしたいと思います。原文が載っているサイトは次の通りです。ご参考になさってください。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html 1、 私(わたくし)は早速(さっそく)先生のうちへ金を返しに行った。例の椎茸(しいたけ)もついでに持って行った。ただ出すのは少し変だから、母がこれを差し上げてくれといいましたとわざわざ断って奥さんの前へ置いた。椎茸は新しい菓子折に入れてあった。鄭寧(ていねい)に礼を述べた奥さんは、次の間(ま)へ立つ時、その折を持って見て、軽いのに驚かされたのか、「こりゃ何の御菓子(おかし)」と聞いた。奥さんは懇意になると、こんなところに極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心を見せた。 (1)「次の間(ま)へ立つ」はどういう意味でしょうか。 (2)「奥さんは懇意になると、こんなところに極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心を見せた」という文章の意味がよくわかりません。なぜ「極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心」と言うのでしょうか。 2、「先生もそんな事を考えてお出(いで)ですか」 ここの「お出」はどういう意味でしょうか。 また、質問文について不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。
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1. (1)「次の間」、「次の間へ立つ」 正確ではないかも知れませんが、大ざっぱには「隣の部屋」と考えていただいて良いと思います。 そして、「次の間へ立つ」は、「隣の部屋へ移動する。」と理解いただけば良いと思います。「立つ」は、畳の部屋で座った状態から立ちあがって移動する意味が含まれているのかも知れませんね。 以下、国語辞書より 次(つぎ):「位置・場所のすぐ続いていること。」 「続いている」は、「つながっている」、「隣り合っている」と理解していただいて良いと思います。 間(ま):「家屋内の一区切り。部屋。古代では、几帳(きちよう)・障子などで区切られた区画」 次の間(つぎのま):「主となる部屋に付属した部屋。控えの間。」 (2)「極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心」 懇意な(親しい)間柄(あいだがら)になると、相手に遠慮する心が薄れて、懇意でない間柄であれば口にするのをはばかるような言葉がふと口をついて出てしまう様子を、「物事にまったくこだわらない子供のような心」と表現しているものと思います。 以下、国語辞書より 淡白:「物事にこだわらず、さっぱりしている・こと(さま)。」 2、「先生もそんな事を考えてお出(いで)ですか」 わかりやすい表現に直すと、 「先生もそんな事を考えていらっしゃるのですか」 となります。 「お出で」は、「いる」の尊敬表現だと思います。
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- hakobulu
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#4です。 1の(2)に関しては#5さんのご回答が一番優れていますね。 私のも間違いとは言えませんが、#5さんご指摘の最も大事な要素「相手が持ってきたおみやげ(の軽いの)に驚いて、それを素直に口に出したこと」という視点が抜けています。
お礼
再びありがとうございます。この質問は日本の方を理解するいい機会になりました。中国人ならたぶん聞くと思います^^。ご意見は大変参考になりました。本当にありがとうございました。
- kentaulus
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1mizuumiさん、こんにちは。 1番さん、2番さんの回答は全て正しいです。 少し補足すると、 「淡白」とは味(味覚)の表現の1つです。 鳥や魚、野菜、調味料、香辛料などの色々な味(成分)が混ざっている料理を 「味が深い」、「味が複雑」、「味が濃厚」と表現します。 「味が深い」とは反対の意味で、鳥料理なら鳥だけの味。 魚料理なら魚だけの味の料理を 「味があっさりしている(浅いの意味)」 「味がさっぱりしている(簡素の意味)」 「味が淡白」と表現します。 (「味が濃厚」←反対語→「味が淡白」) 日本人は相手を傷つけないように、優しい嘘を沢山言います。 本心では、「おいしくない」と思う料理でも、 「とても不思議な味です」などと言い、本心を隠します。 これが日本人の [ 大人の対応 ] です。 「極めて淡泊な小供らしい心」の文では、 「この軽い菓子入れの箱には、何のお菓子が入っているのですか? 」 と、奥さんは大人なのに [ 本心を隠さず、子供のように素直に ] 本心を言った。 通常、お菓子 = 和菓子 = (日本の)饅頭 なので、 饅頭入りの箱 → [ 重い ] と思うのが普通です。 つまり、奥さんはお菓子入れの箱の中身 ( 内容 ) を知らずに、 「この [ 軽い箱 ] の中には、何のお菓子が入っているのだろう?」と疑問に思って 言葉に出してしまった。(本心を言ってしまった) と書いているのです。 本心を隠すのが「大人の対応」なのに、本心を隠さずに言ってしまう奥さんを、 「極めて淡泊な小供らしい心」を持っていると表現しています。 ** 菓子折 = 菓子の箱 **
お礼
kentaulusさん、おはようございます^^。ご親切に回答していただきありがとうございます。とても参考になりました。本当にありがとうございました。
- hakobulu
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#1さんと#2さんが適切なご回答をされています。 僭越ですが、私は1の(2)に関してだけ少し補足させていただきます。 >(2)「奥さんは懇意になると、こんなところに極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心を見せた」という文章の意味がよくわかりません。なぜ「極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心」と言うのでしょうか。 :ここの「淡白な」は、#2さんおっしゃるように、 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/123234/m1u/%E6%B7%A1%E7%99%BD/ の (2)物事にこだわらず、さっぱりしている・こと(さま)。 「—な人柄」「金銭に—な人」 でしょうね。 ここからが要点ですが、なぜ、この場面で「物事に拘らずさっぱりしている」という表現を使うのか、という点について述べます。 (現在はそうでもありませんが、つい最近まで)日本では、おみやげを貰ってすぐその場で開けたり、中身を確かめようとする(尋ねたりする)のは、はしたないことだと思われていました。 ですから、 おみやげを貰ってすぐに、「こりゃなんのお菓子?」などと相手にたずねるのは、大人の振る舞いとしては落第というのが常識としてありました。 しかし、そういった常識(物事)に拘らないさっぱりとした面を「私」には見せたわけです。 それは、懇意になったから、という理由のせいでもあったのですが、懇意になったからといっても、おみやげの中身を相手に尋ねるようなことはしない人の方が多かったはずです。 そういった点では大人の一般常識としては外れていたわけで、その意味で「子供らしい」わけです。 ただ、「私」にとってそれは、自分に対して本当に心を開いてくれている証として嬉しかったのと同時に、別の一面では、そういった子供らしい様子が可愛らしかったというニュアンスも含まれているでしょう。
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。
- blue_rose
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こんにちは 普通の、ごく一般的な日本人(と、自分では思っている)です。 言語に関して、高度な教育は受けていませんが、常識レベルで回答させていただきます。 1(1)、 「間」とは「部屋」のことを指します。また、この場合の「立つ」は文字どおり「立つ」でもよいのですが、「行く」という意味合いが強いです。 ですので、文字どうりでは「次(別)の部屋に行く」という意味になります。 場面からすると、訪ねてきた主人公と先生の会話を邪魔しないよう、奥さんは「席を外(はず)す」、というところでしょうか。 1(2)、 「淡白」には、以下のような意味合いがあります。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?stype=1&dtype=0&dname=0ss&p=%C3%B8%C7%F1 頂き物の中身が何であるかなどということを、常識ある大人なら尋ねたりはしないものです。みっともない、はしたない、などと体面にこだわってしまうことでしょう。 そのようなこだわりなしに、中身が何であるか訊ねてきた奥さんの言葉を、子供のようにこだわりのない(=淡白)心、と表現したのではないかと思います。 2、 これは「言う」「行く」「居る」「来る」などの尊敬語の「おいでになる」を漢字で表記したものです。 ですので、尊敬語を使わなければ「考えているのですか?」、ということになります。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。
- sanori
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湖さん こんばんは! お答えいたします。 >>>(1)「次の間(ま)へ立つ」はどういう意味でしょうか。 「間」は「部屋」という意味です。 「居間」(いま)や「六畳一間」(ろくじょうひとま)の「間」です。 そして、「立つ」は「出発する」という意味です。 つまり、その文は、 「(現在すわっていた部屋から)、体を起こして次に行く部屋に向かって歩いていく(歩き始める)」という意味です。 こちらの「3」に該当します。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E7%AB%8B%E3%81%A4&stype=1&dtype=0 >>>(2)「奥さんは懇意になると、こんなところに極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心を見せた」という文章の意味がよくわかりません。なぜ「極(きわ)めて淡泊(たんぱく)な小供(こども)らしい心」と言うのでしょうか。 自分の心をまったく隠さずに、あっさりと「こりゃ何の御菓子」と話したところが子供のようだ、ということです。 (淡白 = あっさり) >>> 2、「先生もそんな事を考えてお出(いで)ですか」 ここの「お出」はどういう意味でしょうか。 敬語です。 「考えておいでですか」は「考えていらっしゃいますか」と同じ意味・同じ使い方であって、 「考えていますか」の尊敬語です。 その人が出かけても歩いてもいないのに、 「おいでですか」「いらっしゃいますか」という言葉を使うところが、 日本の敬語の面白いところです。 >>>また、質問文について不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。 完璧だと思います。
お礼
さのりさん、おはようございます^^。ご親切に回答していただきありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。
お礼
ご丁寧に回答していただきありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。