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抑制性ニューロンは,どこで何を抑制しているのでしょうか

こんにちは抑制性ニューロンというのがあるようですが,一体何を抑制しているのでしょうか.他のニューロンの活動でしょうか? それとも筋肉でしょうか? どうやって「抑制」しているのかも興味があり,詳しいサイト,文献などがあったら教えて頂ければと思います.よろしくお願います.

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  • ruehas
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回答No.1

こんにちは。 「抑制性ニューロン」といいますのは「他の神経細胞の興奮を抑制するニューロン」のことであり、決まった場所や特別な役割を持つニューロンではありません。詳しいサイトや文献をということですが、実は、この辺りは「高校生物」でひと通り教えています。少々面倒くさいのは確かですが、それほど難しく捉える必要はないです。 「神経細胞(ニューロン)」といいますのは「神経伝達」を行うのがその仕事であり、これには「興奮性伝達」と「抑制性伝達」があります。 興奮性細胞は標的細胞に興奮性の伝達物質を投射して興奮性伝達を行います。これに対しまして、細胞内に「抑制性伝達物質」を持ち、細胞間で抑制性伝達を行うのが「抑制性細胞(抑制性ニューロン)」です。 興奮性伝達物質を用いて行われる興奮性伝達は相手細胞の膜内電位を「+」方向に引き上げて活動電位を発生させます。これに対しまして、抑制性伝達物質は相手細胞の電位を「-」の状態に保ち、興奮を抑制します。 神経ネット・ワークから細胞に送られて来る信号は必ずしもひとつではなく、いっぺんに複数の興奮性と抑制性が入力されます。そして、この「+」と「-」の合計が一定の閾値を超えますと「活動電位」が発生し、次の細胞に信号が伝達されます。ですが、「-」が多く興奮が抑制された場合はその細胞の出力は「0」となります。 我々の脳内では、これによって「0,1信号」が作り出されています。ですから、信号伝達だけならば興奮性ニューロンで十分なのでが、抑制性ニューロンがなければ「情報処理」を行うことはできません。 「抑制性伝達物質」の中で最も代表的なのは「GABA(γアミノ酪酸)」であり、これに対しまして興奮性ニューロンから分泌される「Gul(グルタミン酸)」などは相手細胞に対して「興奮性伝達物質」として働きます。 大脳皮質で行われる情報処理はこの「Gul(興奮性)」と「GABA(抑制性)」の組み合わせがほとんどであるため、「抑制性ニューロン」と言えばこの「GABA細胞」を指す場合もありますが、我々の脳内で抑制性に働く伝達物質といいますのは決してGABAだけではありません。また、このような「GABA抑制接続」といいますのは大脳皮質だけではなく、脳内の至る所で使われています。 抑制伝達を行うためには抑制性ニューロンを興奮させてやらなければなりません。前の細胞から興奮伝達があればその細胞は興奮し、次の細胞に信号を伝えます。では、次の細胞が抑制性細胞であるならば、これが興奮することによってその先の細胞には抑制伝達が行われることになります。 このように、標的細胞を抑制するためには、その手前にひとつ抑制性細胞を入れてやらなければなりません。これを「介在細胞」といい、我々の脳内では最も多く使われている「抑制性接続」です。また、抑制性細胞を抑制してやればその先の細胞は抑制されにくくなります。これを「脱抑制(逆抑制)」といい、標的細胞の抑制を解除する場合などに用いられます。 興奮性ニューロンといいますのは信号を確実に伝達するめのものです。そして、相手細胞の興奮を抑制する抑制性ニューロンといいますのは、我々の脳内でこのような使われ方をしています。 運動神経系では筋肉細胞が直接の抑制を受けるということはありませんが、抑制性ニューロンは「介在細胞」として使われています。 随意運動を司る運動神経終末から分泌されるのは「ACh(アセチルコリン)」であり、骨格筋の筋肉細胞といいますのはこの伝達物質を全て興奮性として受け取っています。ですが、我々の骨格筋には「屈筋」と「伸筋」がありますから、屈筋が筋縮する場合は伸筋が弛緩しなければなりません。このため、相反する神経接続には必ずや抑制性ニューロンが介在しており、筋肉細胞と接続する終末細胞はこれによって抑制され、筋肉に興奮信号が伝わらないようになっています。つまり、抑制性ニューロンは筋肉を抑制するのではなく、筋肉を興奮させる細胞を抑制してしまうのです。これを「相反性接続」いい、これにより、相反側の介在抑制細胞に興奮信号が到達するならば、終末細胞は必ず抑制されることになります。 自律神経系には介在細胞と位置付けられるものはなく、交感神経が「NA(ノルアドレナリン)」、副交感神経が「ACh(アセチルコリン)」と予め使い分けられています。ですが、何れが抑制性であるかは受容体の性質や配置によって異なり、ここではあまり興奮性、抑制性といった分類は行われません。やってできないことではありませんが、実際の臓器の働きを整理するのには殊更不向きであるため、この辺りは交感神経と副交感神経、それぞれの受け持ちをそのまま丸暗記してしまった方が遥かに実用的なようです。

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