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契約や手続きに必要な印鑑の効力は

「以前、郵便局で印鑑がなかったために手続きを受け付けてもらえなかったことがあります。欧米では自筆のサインだけで済みます。法律上の印鑑の扱いはどうなのでしょうか。さらに印鑑登録とは何なのでしょうか?」=東京都小金井市の男性会社員(45)

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  • SANKEI1
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回答No.1

 ■印鑑は社会通念  男性は郵便局で、印鑑を持ち合わせていなかったため、長年使わずにいた口座の解約手続きができなかったという。ゆうちょ銀行では「手続きの際、必要書類の印鑑と通帳の印鑑を照合し、名義人本人かを確認している」と説明。さらに「社会通念上、日本では本人確認の手段として印鑑での手続きが一般的。約款にも記している」とも話す。  一方、欧米諸国では契約書も自筆のサインだけでよく、ゆうちょ銀行でも「外国人はサインで口座を開設できる」というのだ。  日本では、契約や手続きで何かと必要となる印鑑。民事訴訟法228条4項では「私文書は、本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と規定している。印鑑が文書の信頼性に直結する一方、署名でも同等の扱いをするとうたっているのだが-。  「実際は、印鑑がないと文書として完成していないという意識が日本人にはある」  こう指摘するのは、「署名・捺印(なついん)のすべてがわかる本」などの著書がある小林英明弁護士だ。  法廷でも文書の取り扱いをめぐり、「印鑑がない」ことが争点となることがしばしばある。また、署名が記名(パソコンなどで印字した名前)・押印に置き換えられることも多く、署名よりも印鑑重視の傾向が強い。遺言書など、署名と押印の両方がなければ成立しない文書もある。  印鑑は紀元前4000年ごろにメソポタミアで生まれたといわれる。日本では西暦57年ごろ、中国から奴国(なこく)に送ったとされる「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印が、渡来した最古の印鑑として知られる。  その後、平安時代から江戸時代にかけ、貴族や武士が署名を図式化した「花押(かおう)」を手紙などに使用するようになったが、国民全員が文字を書けるわけではなかった当時、押すだけで自己を証明でき、署名に比べて手軽なことで、印鑑は徐々に普及していった。明治時代には、署名だけで個人を証明する制度への変更も検討されたが、明治6(1873)年、「証書には必ず実印の押印が必要」との太政官布告が出され、印鑑文化の定着が決定的となった。  ■手軽さゆえ偽造も  印鑑には、認め印や訂正印、銀行印など、用途によってさまざまな種類が存在する。中には、100円ショップなどで安価に購入できる印鑑もあり、全日本印章業協会の中島正一会長は「宅配便の受け取りなどでも必要になることがあり、手軽に入手できるようになっている」と強調する。  一方で、大量生産された印鑑では目視で印影の差を判別するのは難しく、他人の押印で文書が成立する可能性もある。最近では、印影から実印まで偽造する技術があるなど、印鑑に絡む犯罪は後を絶たない。  印影の鑑定を行う「筆跡印影指紋柳田研究所」(栃木県真岡市)では、年間30件ほど印影鑑定の要請があるという。柳田律夫代表は「想像以上に印鑑の偽造は多い」と注意喚起する。ただ、偽造を見破る技術の進歩もめざましく、「現在は同じ印鑑でも、押す人が違うだけで印影の差異を判別できる」という。  また、「印鑑登録」の制度も広がっている。個人の印鑑登録は、各市区町村で制定している「印鑑条例」によって運営されている。多くは、昭和49年に自治省(現総務省)がとりまとめた事務処理要領の通知を参考にしており、形状や氏名の表記方法などが細かく定められている。  登録された印鑑は「実印」と呼ばれ、個人だけでなく会社など各種法人にも存在する。不動産や自動車の取引など重要な契約には実印の押印とともに印鑑登録証明書が必要となり、安易な偽造文書の作成防止に一役買っている。  役所への届け出や契約などの際には今後も、印鑑は切っても切れない存在といえそうだ。 (小川寛太)      ◇  「社会部オンデマンド」の窓口は、MSN相談箱(http://questionbox.jp.msn.com/)内に設けられた「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメール news@sankei-net.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

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