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日本と諸外国の薬剤師の違い
- 日本と諸外国の薬剤師の違いについて教えてください。
- アメリカでは薬剤師の地位が高く、医者と同じくらいです。また、アメリカの薬剤師は患者を診る技術も高いです。
- 欧州諸国などでも日本と大きな違いがありますか?
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> となるとその状況に至るまでの各国の医療の歴史的背景にも興味がわきますね。 なかなか鋭い洞察力ですね。感心しました。 そのとおりです。 今でも日本では東洋医薬、西洋医薬という分類がされていますよね。これは日本の歴史、独特のものだと思います。 世界各国、大昔は病気を治すのは神頼みでした。 日本においてはそこから生薬や食事療法などに頼るようになります。 その後、今の中国から入った漢方薬が使われるようになるまで、その治療法が主流となっていました。 医師はその生薬、漢方薬を薬売りから買い、患者に与えていました。優秀な医師は天皇陛下を初めとする公家、殿様といった武家に使われることもあり、身分が上がっていきました。薬売りの身分は上がらず、江戸時代でも士農工商の“商”ですから、下の身分となっていました。 一方で、西洋では、やはり昔は生薬が基本でしたが、死亡解剖などでどうしてその人が死んだのか、病気の原因は何なのか、といったことが積極的ではないにしろ、行われるようになりました。宗教的な問題が壁となっていたりしていましたが、着実に医療は進歩していきました。 病気を解明し治療法を考える医師と、どの生薬がそれらの病気に効くのかを解明する薬剤師とで力を併せて医療を進歩させていきました。医師と薬剤師は治療をする上での仲間です。両者を併せて医療と考えられ、患者からは感謝され、尊敬されるようになりました。 日本では江戸時代は鎖国をしていましたし、西洋は基本的に敵だと考えていましたから、彼らの知識や治療技術は完全否定され、受け入れられませんでした。開国し、明治になり、西洋医学は受け入れられるようになりましたが、その後も主流は東洋医学でした。 何か昔話の語り部風ですが、大体こんな感じです。 受験生でテレビや漫画を読む余裕はないでしょうが、村上もとかさんのコミックを原作とする、TBS日曜劇場『Jin-仁』は幕末の医療を巧く演出していて面白いですよ。
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- SANSUI77
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薬学部出身、薬剤師免許保有、民間製薬企業に勤めているものです。 日本においては医薬分業がようやく根付いてきましたが、諸外国では当たり前のことです。そこがまず大きな違いです。 また、薬剤師サイド、患者サイド共に「医者が書いた処方箋のとおりに薬を出すことしかできない仕事」と思われています。しかし、諸外国では「薬を出すことができる仕事」と捉えられています。 ご存知のとおり日本での薬剤師の地位は低いです。しかし、諸外国では尊敬される職種の上位にいます。 それらの差は薬剤師のモチベーションに繋がります。日本では「所詮薬を出すしかできないのだから」と、ルーチンワーカーのようになってしまいます。一方、諸外国では尊敬されるに値するよう努力します。ですから医療の知識の差が大きくなります。 以上はあくまで極論です。日本でも努力をして、尊敬される薬剤師も沢山います。是非、あなたもそういう薬剤師になって下さい。 参考となる書籍、サイトについては直ぐにみつからないので、まずは大雑把な回答のみで失礼します。
お礼
回答ありがとうございます。 薬剤師の仕事に関してのイメージの差の説明、簡潔かつとてもわかりやすく参考になりました。 つまり日本では社会的なイメージの差による、ある意味悪循環と言ってもいいような構造ができてしまっているわけですね。 恥ずかしながらいままであまり考えたことがなかったのですが、となるとその状況に至るまでの各国の医療の歴史的背景にも興味がわきますね。 日本の一般的な薬剤師像の変化にたどりつくまでには長い時間がかかりそうですが、薬学部も6年制となり、薬剤師が免許取得までに身につけられる医療知識も増えてゆく傾向にあると思います。 私も努力をして日本の薬剤師像をより尊敬される地位まで高める一因になれるよう頑張ろうと思います。 諸外国の薬剤師事情についての具体的なところ、私も余裕のあるときにいろいろと調べてみようと思います。 あつかましいと思うのですが、参考書籍等、もし何か見つけられましたら教えていただけると助かります。
お礼
とてもわかりやすい歴史的背景のご説明ありがとうございます! 昔の日本においては薬売りがいただけで、今でいう薬剤師という職業そのものが根付くのが遅かったのですね。 諸外国を見習い医薬分業に力を入れていくという過程でようやく薬剤師が独立していったという形でしょうか。 医薬分業が浸透していないということは医師が医療の全ての権利を持っていたということですもんね。 そういった歴史的背景を聞くと、ああなるほど、と思うようなことが多くあります。 尊敬される度合いがまるで違うのも納得がいきました。 日本での薬剤師のイメージは医師ありきですが、西洋各国においては初期の段階から医師と薬剤師が別々に存在し、互いに助け合って医療を発展させていったというわけなんですね。 患者を診る技術などの点を除いて、薬に関する知識で現代の日本の薬剤師が持っている能力は十分すごいものなのに、それに対する社会的な評価は意外に低いように感じたのも、現代の薬剤師の業務が、従来の日本の医療の基盤の上に医薬分業の西洋的な医療体制を導入したものだからなのですかね。 歴史的背景を聞くとなおさら、この能力と評価のバランスのねじれのようなものの解消は難しく、長い時間がかかるものだと実感します。 せめて高い志を持ち少しでも評価を上げることに貢献し、それが結果的に日本の薬剤師の能力向上につながってほしいと願います。 あるべき医療の姿というものは私にはまだまだわかりませんが、このことは日本の医療のさらなる発展にもつながると思いますので。 大学に入った後、できれば機会を作って先進国の医療現場、またそこでの薬剤師の仕事などを実際に見に行きたいと思いました。 アメリカでいえばドラッグストアなども見てみたいと思います。 TBS日曜劇場『Jin-仁』ですか。 見ていませんでしたがそう言われるとなかなか面白そうですね。 受験が終わったらDVDを借りて見てみようと思います^^