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オペアンプの入力インピーダンス
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電源OFFのときは、入力端子間のバーチャルショートは成り立たなくなります。 テスターで計っても、保護ダイオードに流れる電流が小さいので、表示される抵抗値は無限大になってしまうと思います。 下図のように、入力端子間に保護ダイオードが入っているタイプのオペアンプの場合、電源OFFの状態で入力端子に電圧 Vin をかけると、内部の保護ダイオードを通じて電流が流れるようになります(オペアンプが正常動作しているときは±入力端子間の電圧差はほとんどゼロなので電流は流れません)。そのときの入力インピーダンスは、非反転回路の場合、「2*r + ダイオードの微分抵抗(dV/dI) + RsとRfの並列抵抗」程度になります。Vinが±0.6V未満だとダイオードに流れる電流は小さい( ダイオードの微分抵抗が大きい)ので入力インピーダンスは高いままですが(テスターでの測定はこの状態だと思います)、Vin が±0.6Vより大きくなると、ダイオードの微分抵抗が急激に小さくなるので入力インピーダンスが下がってきます。しかし、微分抵抗がほとんど0になっても、保護抵抗 r や帰還抵抗(Rs, Rf)が入っているので、入力インピーダンスがゼロになってしまうわけではありません。 ┃ Vin ┬─╂ r ┬┬ + Rin ┃ ▼▲ 保護ダイオード ┷┌╂ r ┴┴ - ├── Rf ── Rs GND ┷ 【非反転回路】 ┌── Rf ─ Vin ─ Rs ┴╂ r ┬┬ - ┃ ▼▲ ┌╂ r ┴┴ + │ GND ┷ 【反転回路】 反転回路での入力インピーダンスは、正常動作時にはRsですが、電源OFF時に保護ダイオードに電流が流れるようになっても、直列にRsが入っているのでRsを下回ることはありません。 入力端子間に保護ダイオードが入っていないタイプの場合、下図のように、入力端子と電源端子との間にある保護ダイオードを通って電流が流れます。非反転回路での入力インピーダンスは、「保護ダイオード微分抵抗+保護抵抗 r 」程度になります。反転回路では直列にRsが入っているのでやはり Rs を下回ることはありません。 Vcc(+電源) │ ┃ ▲ Vin ┬-╂ r ┼─ + Rin ┃ ▲ ┷ ┃ └ Vee(-電源) 【非反転回路】 Vcc │ │┃ ▲ Vin ─ Rs ┴╂ r ┼─ - ┃ ▲ ┃ └ Vee 【反転回路】 このように電源OFFのときに入力信号を加えると、オペアンプの入力端子から保護ダイオードを通して電流が流れるようになります。オペアンプの入力端子に流せる電流は決まっていて(データシートの絶対最大定格に出ています:普通50mA程度)、これを超える電流を流すとオペアンプが壊れる可能性がります。オペアンプ回路の電源がOFFのときにも入力信号が入るような構成の場合、この電流値を絶対に超えないように、下図のように、入力端子と直列に保護抵抗 R を入れたほうがいいです。R の値(Ω)は「入力信号電圧の最大値(V)/最大入力電流(A)」より大きな値とします。反転回路の場合は、Rs が保護抵抗の役割を果たすので、Rs の値は「入力信号電圧の最大値(V)/最大入力電流(A)」より大きくします。 ┃ Vin ┬ R ┨+ Rin ┃ ┷ 【非反転回路での保護抵抗】
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- maccha_neko
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基本的にオペアンプの入力自体は+側もー側も変わりません.どちらも非常にインピーダンスが高くなっています. 反転増幅回路で入力端子がGNDに短絡しているように見えるというのは,出力から戻しているフィードバックが動作しているおかげで,-入力が+入力の電圧(GND)と同じになるように調整されるため,信号入力側から眺めるとあたかも-入力端子がGNDと短絡しているのと同じような感じに見えるというだけの話です。 電源がOFFされているとこの仕掛けが作動しませんから,ただのICに抵抗をぶら下げた状態になってしまいます。
お礼
ありがとうございます。 オペアンプは電源ONで初めて入力インピーダンス無限大になるのですね。 電源off時には何もつながっていないものとして考えてもう一度計算してみます。 ありがとうございます。
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