チェーホフの「賭け」の結末に関する疑問

このQ&Aのポイント
  • 教科書でチェーホフの「賭け」という作品を読んだことを思い出し、最近読み直しました。しかし、結末が少し異なるように思います。
  • 原卓也氏訳の中央公論社のチェーホフ全集(8)を元にしたポプラ社の「諸国物語」や英訳を見ても、結末は約束の時間の前に法律家が去り、銀行家が手紙を金庫にしまうというものでした。
  • 私の記憶では、もう一ひねりあったような結末があったような気がします。先生の説明を勘違いして記憶している可能性もありますが、チェーホフの「賭け」の結末について詳しい方の教えをいただけると助かります。
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チェーホフの「賭け」の結末に関して

30年近く前に、教科書でチェーホフの「賭け」という作品を読んだことを思い出し、最近読み直しました。そしてこの小説の結末が、私が知っているものと少し異なるように思いました。今手元にあるのは、原卓也氏訳の中央公論社のチェーホフ全集(8)を元にしたポプラ社の「諸国物語」です。念のため英訳されているものも見てみましたが、いずれも結末が約束の時間の前に法律家が去っていき、銀行家が彼の手紙を金庫にしまうという結末でした。私の記憶では、もう一ひねりあったような気がするんです。もしかしたら、授業で先生が、最初の結末はこうではなく、こうなっていたんだというのを勘違いして覚えているような気もするのですが、チェーホフの「賭け」の結末について何かご存じの方がいらしたらご教授いただけるとありがたいのですが。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#107922
noname#107922
回答No.1

手元にある中央公論社版『チェーホフ全集』で確認したのですが、『かけ』は二章からなっていて、 質問文のなかにもありますように、法律家が去って行き、銀行家が彼の残していった手紙を 金庫にしまうところで終わっていますね。 しかしながら巻末の解題を見てみますと、この作品、1889年に「『おとぎばなし』という題で 発表されたときは三章からなっていたようですが、1901年に出版した全集に収録する際に 作者が大幅に手が加え、ついには第三章をも削除してしまったようです。 解題にも第三章全文は紹介されていませんが、要約が書かれていますので簡単に紹介します。 (腑に落ちないのはこのことかなぁ。) 第二章の終わりから一年後、銀行家は夜会を開きます。客の大半は金持ちで、話が富や財産の ことになってくると大半のものが富や財産を否定するわけです。ところが、そのなかでひとりが 「健康で、頭のいい人間で金を辞退するものはいない」と言い出す。 そこで銀行家は、かって理想のために大金を蹴った人(法律家のことですね)を知っている と言って論争になり賭けをすることになる。銀行家が、喜びいさんで、法律家の残していった 手紙がしまってある金庫まできたとき、突然あの法律家が尋ねてくるのです。 そして、書物で知っていたのと違って人生はもっと魅力的だ、大金と言わないまでも少しでも恵んでくれ、 そうでなければ自殺するほかないと言われ、銀行家はそれを了承する。 そして銀行家は、この賭けに負けて破産してしまいます。 教科書で読まれたとのことなので、補足的に第三章の要約が載っていたか、もともとはこんな 話だったんだよ、と先生が説明したのを、記憶されているのではないでしょうか。 なぜ削除したかの理由は分かりませんが、チェーホフという作家は文章を 削り込んでいくので有名ですから、それなりの理由があったのでしょうね。 解決の手助けができたならいいのですが♪

Summaron
質問者

お礼

sojournerさん、回答ありがとうございます。そうです!これです。銀行家が破産して負けてしまうという結末です。sojournerさんの回答で思い出しました。先生がプリントで元々はこういう結末だったんだと教えてくれたんです。それでどちらの結末の方がいいと思うか宿題で出されたんです。ありがとうございます。ところで、お手元にある中央公論社版の全集は、古い方でしょうか。解題を見てみたいと思いますので、よろしかったらお教え願えませんでしょうか。

その他の回答 (1)

noname#107922
noname#107922
回答No.2

お返事有難うございました。 手持の『チェーホフ全集』は以前にネット古書店で購入した物です。 発行日を見てみますと、初版が昭和35年で、昭和55年に再訂再版発行されたもの。 函は赤と黒のツートンカラー、本のほうも表紙は黒で背表紙が赤の新書タイプのものです。 そういえば、どこかで村上春樹が、この装丁を褒めていました。 この全集がご質問にある古いタイプのものかどうか、不幸にして知りませんが、 当方が知る限りでは、チェーホフ全集としては、筑摩版の文庫での全集か、この中公版の 全集しか思い出せません。 図書館には、どちらかは蔵書していると思われますので一度検索なさってみてください。 それにしても、すばらしい先生に教えを被ったものですね。 二章までと三章までとでは、人の生き方の根本的なものの提示が違ってくるので、 先生は宿題のかたちをとって、このことを生徒に考えて欲しかったのでしょうか。

Summaron
質問者

お礼

再度のご回答ありがとうございました。古い方も新しい方にも解題がのっているみたいですね。図書館で探してみます。 この国語の先生は、おばあちゃん先生で、「あたしはB29が飛んでいる下で授業してたんだからね!」とホントのような嘘のような事を口癖にしていた先生で、文学少女だったころ、いろいろと外国小説を読んでいたみたいで、小説教材は教科書をほとんど使わずにプリント(当時はガリ版だったかな)で授業をしていただきました。この先生の影響で、私も同じ職業に就きました。授業でチェーホフを扱おうと作品を探して読んでいて、今回の質問となりました。ご回答ありがとうございました。

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