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融点を超えた金属に電流は流れますか?

siegmundの回答

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  • siegmund
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回答No.3

純金属や合金を融かしたものでは(液体金属)電流が流れます. 大体,金属ということを特徴づけることの一つが導電性ということですね. 液体金属の電気抵抗率は 10^(-6)~10^(-7) [Ω・m] のあたりで, 通常の金属と同程度です. 二人の方が述べられている水銀は常温で液体である唯一の金属元素です (常温で液体である元素は他に臭素しかありませんが). インジウムとガリウムの合金は融点が室温より低く(値は忘れました), それら2つの金属を接触させると,そこのところから融けて液体になっていきます. daraberu さんが書かれている Bi は半金属,Ge (Si も)は真性半導体ですが, どれも融解させると金属的になります. 電子の移動による電気伝導が生ずるためには (1) 分子内に束縛されずに結晶(あるいは液体)全体に広がった自由電子が存在すること. (2) その自由電子が電流を運べる状況にあること この2つが条件です. 例えば NaCl みたいなものですと, 電子は NaCl 分子に強く束縛されていてほとんど動けませんから, (1)が満たされません. Ge では,自由電子(本当はこの用語の使い方は正確さを欠きますが...)が存在しますが, この自由電子が電子の抜けた後の正イオン(周期的に並んでいる)の影響を受けます. この影響によって,電子の取りうるエネルギーに制限が生じ, 「こういうエネルギーの電子はありえません」というようなことになります. 半導体のバンド構造などといわれるのはこういうことです. で,不幸にして(?),電流を運ぶのに「ありえないエネルギーの電子」が 必要な状況ですと,電流がほとんど流れません. 外からちょっと不純物を入れてやって状況を少し変えますと, 電流が流れるようになります. 純粋にした Si にちょっと不純物を入れて...,などの半導体の話はこういうことです. さて,液体にしましても自由電子が存在するかどうかにはほとんど影響はありません. つまり,条件(1)は結晶か液体かにあまり関係ありません. ところが,条件(2)の方は,液体にすると正イオンが周期的に並んでいるという状況が なくなってしまいます. すなわち,「こういうエネルギーの電子はありえません」ということが なくなります. したがって,前項の「不幸(?)な状況」もなくなり, 結晶では半導体だった Si も融けると金属的になるのです. > 液体でも結晶なのでしょうか 液体は結晶ではありえません. なお,液晶の様な話はここでは考えていません. > 高温で抵抗が大きくなるというのは予想できるのですが、別問題ですよね おっしゃるとおり,別問題です. 高温で抵抗が大きくなるのは,正イオンの格子振動が大きくなるため, 電子の電場方向の移動が強く妨げられるからです.

nightingale
質問者

お礼

 非常に詳しい解説ありがとうございました。 私にはちと難しすぎる部分もあるのですが、 本には「金属が結晶となるとき自由電子が生じ、そのため電気が流れ易くなる」 とあるのですが、「結晶か液体か」に関係ないのなら、 こんな書き方しなきゃいいのに…。 便宜上なのかなぁ?  本当にありがとうございました。

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