山吹色の英語
山吹色の英語は、golden yellowが正しい回答で、bright yellowではありません。なぜなら、もしbright yellowだと、画像検索でbright yellowを調べてみたら、ほとんど純粋な黄色が出てきました。bright yellowの定義は、「bright=鮮明=これだと赤みの方に片寄った黄色を表す修飾語が全く存在しない」を示すので、一般にbright yellowは、黄色に全く赤みがかっていないので、レモン色っぽい黄色と混同され、黄色と区別が全く付かず、山吹色に近くない色になってしまい、精確さを欠く恐れがあり、色として正しく当てはまらなかったからです。山吹色とは少し赤みがかった黄色のことで、橙色と黄色の中間色のことです。絵の具・ねん土で山吹色を作るには、黄色と橙色を混ぜた色です。
(注):濃い黄色と書くと、トーン別のカラーチャートで、純色の黄色から明度をわずかに下げた色と混同されてしまう気がします。濃い=明度に関する修飾語が多いため、「濃い黄色」という表現はたぶんおかしいと思うので使用しないほうがよいと思います。
golden yellowの定義は、gold(en)は、色相では赤みの黄に当たるので、golden yellowも必ず赤みの方に片寄った黄色になるからです。画像検索でgolden yellowを調べたら、橙色と黄色の中間色(山吹色と同じ色)になっていました。赤みの黄とは、「黄色が多く、赤が少ない」という意味で、橙色と黄色の中間ぐらいの色相のことです。マンセル表色系では7YR~2Y未満。ちなみにJIS慣用色名では、山吹色は10YR(0Y) 7.5/13(鮮やかな赤みの黄)で、ゴールデンイエローは7.5YR 7/10(強い赤みの黄)(山吹色よりやや橙寄りで、黄色との区別が更にはっきりしている。山吹色に近い)です。
これ全体が分かれば山吹色の英語は、「golden yellowが正しいです。bright yellowではありません」。ということがお分かりになるはずです。
でも、全ての和英辞典や全ての翻訳サイト[翻訳アプリ]では、山吹色の英語は、bright yellowが圧倒的に多く、golden yellowがあまりヒットしません。
書籍の和英辞典では、以下の通りです。
「ライトハウス和英辞典」「スーパーアンカー和英辞典」「ルミナス和英辞典」では、bright yellow,gold。「デイリーコンサイス和英辞典」「フェイバリット和英辞典」「アドバンストフェイバリット和英辞典」「パーソナル和英辞典」「ウィズダム和英辞典」「サンライズクエスト和英辞典」「エクシード和英辞典」では、bright yellowのみ。「プログレッシブ和英中辞典」「ジーニアス和英辞典 第3版」「ラーナーズプログレッシブ和英辞典」「新クラウン和英辞典」「新和英大辞典」「新和英中辞典」「旺文社和英中辞典」「ニュープロシード和英辞典」では、bright[golden]yellow。「オーレックス和英辞典」では、golden yellowのみ。「bright[golden]yellow」とは、「bright yellow」と「golden yellow」の2種類を略した書き方のことです。
インターネットの内蔵和英辞典では、以下の通りです。
「Weblio和英辞典」では、「golden yellow,bright yellow」。ネーミング辞典では「bright yellow,golden yellow,marigold」。「実用・現代用語和英辞典(更新前)」では「bright yellow」。「英辞郎 on the WEB」では、「bright yellow,gold」。「WEBSARU和英辞書」「bab.la辞書」「Linguee辞書」では「bright golden yellow」。「Wordreference和英辞書」には未対応。
ここで初めて出てきたのは「gold」と「marigold」と「bright golden yellow」です。
goldだけだと、山吹色に金属光沢を合わせた色で、yellowが付いていないのでマンセル表色系では表現できず、山吹色やゴールデンイエローと比較すると少しでもくすんだ色(=黄土色に近い色)になってしまいます。
「marigold」は、JISでは8YR 7.5/13で山吹色よりやや赤みが強く、かなり橙色に近い色をしていて、それにmarigoldは、様々な色のバリエーションを持つため、山吹色の英語に当てはまらない気がします。
「bright golden yellow」とは、「bright[golden]yellow」とは異なり、単にgolden yellowにbrightを付けたという意味で、golden yellowと同様、山吹色に当てはまりますが、名前が長ったらしくて分かりにくくなると思い、ヒットが少ない気がします。また、bright golden yellowは、書籍の和英辞典には0件。brightは、トーン別の色相カラーチャートの「ブライトトーン」に当たるので、明度に関する修飾語が入ってしまいます。ですのでbrightを消して「golden yellow」にすると、分かりやすくなると思い、書籍の和英辞典や画像検索、色名一覧やJIS慣用色名、一部の英和辞典などにもヒットします。英和辞典では、例としてリーダーズ英和辞典にgolden yellowの見出しがあり、その日本語訳は「明るい黄色,鮮黄色;黄橙色,やまぶき色」という表記を致しております。
「黄橙(きだいだい)」とは、意味は、「1.黄みを帯びた橙色。2.山吹色。黄金色。」のことです。でも、以下のソースにて「黄橙(きだいだい)」という名前の色を探してみても、いずれもヒットがありません。
* JIS慣用色名
* 原色大辞典
* すべての辞書
* 日本の色・世界の色(出版社=ナツメ社、監修=永田泰弘)
* 色の名前辞典507(出版社=主婦の友社、著者=福田邦夫)
* 新版 色の手帖(出版社=小学館、監修=永田泰弘)
など
翻訳サイト[翻訳アプリ]では、以下の通りです。
「Google翻訳」では、yamabuki color(ウェブ検索からの場合は『bright yellow』)。
「Weblio翻訳」では、bright golden yellow。
「Bing[Word]翻訳」「Excite翻訳」「フレッシュアイ翻訳」「Never Papago翻訳」ではbright yellow(Never Papago翻訳では文章にするとgolden yellowになる場合もある)。
Baidu翻訳(このサイトのみ他の表記に切替ボタンがある)では、golden yellow,bright yellow,bright golden yellow。
また、色鉛筆・クーピー・絵の具では、山吹色の英語は「chrome yellow」です。これだと、JIS慣用色名では3Y 8/12(明るい黄)となっていて、3Y=赤みの黄の範囲から外れています(JISの黄色は5Y。マンセル表色系における黄は2Y~6Y未満)。つまり黄色との区別がほとんどありません。それにchrome yellowは変色しやすいので今は使われなくなったため、当てはまらない気がします。
まとめていうと、全ての翻訳サイト[翻訳アプリ]・全ての和英辞典では、山吹色の英語は、ほとんどが「bright yellow」になってて、「golden yellow」があまりヒットしないため、曖昧さ回避ができず、混乱の原因になるかと思います。誤解をなくすようにするには、橙色と黄色の中間に当たる色の正式名称は、あえて山吹色とは呼ばずにゴールデンイエローと表記した方が誤解を防ぐことになると思います。つまり、この色の正式名称はあくまで山吹色ではなくゴールデンイエローであり、日本語の色名ではたぶん表せないということでしょうか?
お礼
早速、上記のサイトに行って、文字化けで検索してみました。すごいっすね。用例も豊富に出てきます。感動しました。 garble もgarbageも出てきました。これは使えますね。 おおきに!