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ワラント発行による創業者シェアの確保

杉浦 元(@sugicchi)の回答

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回答No.1

会社設立、おめでとうございます。新しいチャレンジが楽しみですね。 創業者の持株比率維持として、新株引受権のついた社債であるワラント債(新株引受権付社債)を用いるのは、よく行われている手法です。社債とワラント権(新株引受権)を分離し、ワラント権のみ創業者に持たせるようなことを行います。 注意しないといけないのは、ワラント権はあくまでも新株を引き受けることができる権利であり、新株をもらえる権利ではないので、ワラント権を行使して新株を受け取るときには、その株式を取得する分のお金を会社に払い込まないといけません。 そして、あくまでも権利なので、ワラント権を行使するまでは実際の創業者の持株比率は著しく低下します。 また、1円増資の手法はワラント債の手法とは全く別のものです。安い発行価額での株主割当増資によって既存株主の持株数を増やし、その後時価発行の第三者割当増資によって第三者から資金を調達します。通常、時価は株主割当の時の株価よりも高いので、時価発行増資のときはあまり株数は発行されませんから、既存株主は持株比率を維持できることになります。 ただし、1円で行うことに関しては否定的意見が多いです。これは、本来増資は資金調達が目的のはずなのに、発行価額が1円では資金がほとんど調達されず、株式の発行費用さえも賄えないためです。ですから、少なくとも増資の登記と株券発行費用が賄える分ぐらいの増資をすることをおすすめします。多分、1株100円以上でしょう。株式公開などを検討されているのであれば、この点ご注意ください。 さて、ワラント債の手法についてまずは述べます。 社債は社債券を投資家に対して発行することによって資金を借り入れますから、まずはお金を出す投資家が必要です。 また、今回は分離型のワラント債というものを発行するのですが、tattooさんの会社は多分株式に譲渡制限がついていると思われるので、分離型ワラント債の発行には株主総会の特別決議(発行済株式数の過半数以上の出席する総会を開催し、2/3以上の賛成)が必要になります。 5,000万円のワラント債を発行する例を挙げます。 1.5,000万円を出してもらう投資家を探します。一定の期間後に5,000万円は返済するので、実質的な資金負担は、投資家はありません。 2.取締役会、及び株主総会を開催し、発行の決議をします。 3.5,000万円の入金によってワラント債を発行します。 4.ワラント債発行についての登記を、法務局に行います。 5.投資家サイドで社債とワラント権を分離し、創業者はワラント権のみ投資家から購入します。一般的には社債発行総額の1%程度の価格(このケースでは50万円)です。 6.5,000万円を返済し社債を償還(消滅)します。 7.社債が償還されたことを法務局に登記します。 以上です。 次に、株主割当増資の手法について述べます。tattooさんの会社は1株5万円の額面株式を発行している会社という前提で話します。額面を下回る発行価額で増資を行うためには、増資の前に額面株式を無額面株式に変えておく必要があります。そこで、 1.取締役会で額面株式を無額面株式に転換する決議をします。 2.定款で額面株式しか発行できないようになっている場合には、無額面株式を発行できるように定款変更をします。この場合、株主総会の特別決議が必要です。 3.取締役会を開催し、株主割当増資の決議をします。 4.新株式割当日公告(商法280条の4第2項)を定款に記された方法でうちます。多分tattooさんの会社は官報でしょう。 5.各株主が指定された金額を払い込み、増資が実行されます。 6.法務局に増資の登記をします。 その後、時価による第三者割当を行っていけばOKです。 以上です。長文失礼しました。 御仕事のご成功をお祈りします。

tattoo
質問者

お礼

大変具体的でわかりやすいご回答ありがとうございます。 大変感謝しております。 ご回答をお寄せいただいたsugicchiさん、主催されているgooさんに 御礼申し上げます。 ありがとうございました。

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