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法律要件分類説

法律要件分類説によて主張・立証責任の分配がされると聞きましたが、 例えば、債務不履行責任の故意過失の立証責任は債務者であり、不法行為責任の故意過失の立証責任は被害者であるというのは、条文の書き方から法律要件分類説によって決まるものなのでしょうか? 債務不履行の規定は、債権者からみれば、賠償金を受け取る権利の発生ですし、債務者から見れば、賠償金を支払う義務が発生するわけですが、権利根拠規定と考えれば債権者に、権利障害規定と考えれば債務者に主張・立証責任があることになってしまいますが・・・。 宜しくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • kanpyou
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回答No.2

a1bさんが、どの程度の法律知識があり、理解されているかよくわからないので、混乱させてしまうのが大変憂慮されるのですが、、、 結論から言えば、純粋に規範説を採って、規定にある要件すべてを主張するものに負わせるとすれば、解釈論はまったく必要がなくなります。 しかし、民法をよく読んでみると、709条は加害者側についての規範を規定していて「賠償する責任を負う」とあります。 この規定を根拠に、被害者側が主張するのですから、加害者の民法規範と、被害者の主張立証責任規定(訴訟上の規定として)とを同一視することは、無理があるのです。 では、「証明責任」とはどのような意味であるかということを確認すると、「事実を主張立証しないことによる訴訟上の不利益の危険」です。 具体的に裁判でどのようにそれが機能するのかといえば、事実の存否が不明となり、裁判において判断が下せない「ノンリケット」の状態になった場合、その危険を誰に負わせるかという訴訟上の負担なのです。 結局は、誰を保護しなければならなくて、誰にその危険を負わせるかという判断に収束します。 ご質問に「条文そのものよりも条文の解釈によってなされていると考えてよいのでしょうか?」とありますが、民法における条文解釈という意味ではなく、訴訟上の『特別な解釈』と考えたほうが理解しやすいかもしれません。 法律分野では、その研究を『要件事実論』と呼んでいます。 ちなみに、不法行為責任における故意過失の立証責任が被害者であるとされているのは、加害者が自ら不利益となることを主張することは期待できないためです。 また、「債務不履行責任についての故意過失の立証責任が債務者である」としていますが、債務不履行成立の実際のところ、債権者にとっての興味は"履行"であり、相手の故意過失を証明することは非常に困難でもありますので主張の必要は無く、それどころか、履行があったかどうかの立証も必要ないとの考え方もあります(債務者側が、受領遅滞や同時履行の抗弁事実を主張立証すれば明らかとなる)。 つまり、債務者が、特段の事情(416条2)を主張しない限り、事実認定されることとなります。

a1b
質問者

お礼

回答有難うございました。 参考になりました。

その他の回答 (1)

  • kanpyou
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回答No.1

「証明責任論」の部分は諸説あり、非常に難解なのですが、通説というか、概略を説明すると… 「証明責任の分配」 ・法律要件分類説→規範説 ・利益衡量説 ・修正法律要件分類説→法律要件分類説 以上のように分類されます。 初期の法律要件分類説は、ご質問のように同じ条文内に権利根拠規定と権利障害規定が混在している場合があり、規定だけで分類するには困難がありました。そこで利益衡量説は、立証の難易度や主張することの利益により分類すると説きました。それによって「(口頭弁論における)証明責任の転換」も説明できますが、しかし、人的範囲(誰に適用するのか)が曖昧との批判となりました。 最近では、修正法律要件分類説が説かれていて、規範説を、解釈や判例によって修正されたものです。権利根拠事実、権利障害事実、権利消滅事実をそれぞれ主張するものが負うとされます。

a1b
質問者

お礼

懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。 既に20点満点の回答をいただいているとは思いますが、一点確認をさせていただきます。 債務不履行責任についての故意過失の立証責任が債務者であること、不法行為責任に おける故意過失の立証責任が被害者であるとされているのは、条文そのものよりも 条文の解釈によってなされていると考えてよいのでしょうか?

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