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ハックスレイの「素晴らしい新世界」の風刺的手法とは?
このタイトルのあらすじと、素晴らし新世界の風刺的手法を教えて下さい。
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- maris_stella
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何を質問されているのか、よく分からないのですが、この話のあらすじは、記憶によるものですが、次のようになります: 人類は、ついに「ユートピア」の建設に成功します。恒久的な平和、戦争のない、人々が楽しんですべて暮らせる理想の世界。……これが「素晴らしき、新世界」です。 しかし、このユートピア世界は、厳重な階級社会であり、最上位の知的遊興階級と、最下層の単純作業労働階級があり、そのあいだに中間階級がある、ピラミッド構造をしています。科学技術の進展により、人工的に一卵性双生児ならぬ、一卵性百生児などが造られ、下層階級の労働力は、こうして確保されます。 人間は、ガラス瓶から人工的な受精によって生まれ、生まれたときから階級分化が決まっており、幼少年時代に、一種のマインドコントロールで、自分が生まれた階級がもっとも素晴らしいという認識を、強制的に植え込まれます。 さらに、社会の安定のため、幸福感をもたらす、非習慣性の無害な麻薬の一種が大量に使用され、最上位の知的階級の人でも、実は、本当の自由意志や思考の自由がありません。 最上位の文化階級の人々は、知識や文化を皮相的に弄ぶだけで、流行に乗って、快楽だけを求め、創造的活動は行いません。創造的活動が起こると、社会の安定を崩す要因になるので、永遠に進歩のない、人間性がある意味失われた、生きて、快楽を享受するだけの、ユートピアとなるのです。 しかし、この世界には、「辺境未開世界」が残されており、そこでは、人々は原始的な暮らしをし、やはり進歩はなく、自由がある代わりに、貧困とどうしようもない文化停滞があります。 話は、この辺境世界に、ユートピアの最上位階級の女性が訪問し、行方不明になることから始まります。彼女は迷子となり、辺境で、男の子を産みます。十数年後、彼女は発見され、ユートピア世界に帰り、彼女の息子も、市民権があるので、ユートピアの住民として迎え入れられます。 この少年というか青年は、サヴェッジ(野蛮人)とあだ名されます。彼の行動、言説は、すべて、ユートピアの知識階級の人たちにとって新鮮で、彼は、新しい玩具になります。サヴェッジの方も、ユートピアの豊かさに驚き、サヴェッジの野生の思考と、創造力、従来なかった発想によって、この世界に変革が起こるかとも思えます。 しかし、ユートピアの知識人たちは、単に、サヴェッジを面白い玩具としか考えることができず、サヴェッジの主張が理解できません。豊かな文化教養を持つが、その独立精神は子供のように単純で、快楽を求めることしか知らない人々です。 サヴェッジは、絶望して自殺します。 風刺というのは、イギリスの階級社会をモデルにしつつ、アメリカ文化の皮相性を極限まで戯画化していることでしょう。アメリカは、物質文明で、ユートピアを築くかも知れないが、それは白痴のユートピアで、宣伝に乗って快楽を追求する人々の刹那的文化でしかないということでしょう。 また、アメリカの競争社会は、やがてイギリスのような階級社会になり、その階級構造を支えるのは、グロテスクな技術と、幸福の麻薬だというのが、風刺でしょう。 (このユートピアは、オートメーションと大量生産で可能となっており、労働者も知的人間も、オートメーションで大量生産されるというのは、アメリカ文化への風刺でしょう。……また、子供は、人工装置で生まれてくるので、フリーセックスであり、子供も自由にセックスしており、ちらと出てくる子供の名が、レーニンだったか、トロツキイだったか忘れましたが、共産主義もパロディにしています)。
お礼
ありがとうございました。学校のレポートの課題でして、時間がなくてざっとあらすじを知りたかったのです。これからいい機会なのでしっかりと読んでみたいです。