「お疲れさま」は目上の人に、「ご苦労さま」は目下の人に。これが一般常識になっているようです。その意味を考えてみると納得できると思います。
「お疲れさま」 ・・・ 共同で成し遂げた場合などの後に相手の労をねぎらう
「ご苦労さま」 ・・・ 自分の為にしてくれたことに対して相手の労をねぎらう
同じ労をねぎらう場合でも、相手によって言葉を使い分ける。このあたりが日本語のいいところだと思います。
さて、実際の場面ではどうなっているのでしょうか。人々の意識について、文化庁の調査で興味深い調査結果があります。
【平成17年度「国語に関する世論調査」の結果について】
http://www.bunka.go.jp/1kokugo/17_yoron.html
この調査によると、「お疲れさま」と「ご苦労さま」の使い分けは、必ずしも一般常識どおりにはなっていないようです。おそらくは「ご苦労さま」よりも「お疲れさま」の方が失礼に当たるケースが少ないということで、1つで済ませたほうが無難だという意識が働いているのではないかと思います。
ところで、いくら目上の人に対して使う言葉だからといっても、会社の中で上司や先輩社員に対して、「お疲れさま」と声をかける人は少ないと思います。大抵は「お疲れさまです」とか「お疲れさまでした」と言いますよね。「です」や「でした」が付くことで丁寧な表現になり、同時に言葉の『あたり』(耳障り)が柔らかくなります。同期や目下の社員には「お疲れさま」でも「お疲れさまでした」でもいいと思いますが、間柄によって使い方を考えた方が良いでしょうね。
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