楽天オークションはこれで至上最強のオークションになる?
従来、ヤフーと楽天という、二大IT企業がオークションサービスを提供してきましたが、両者は対照的でした。
○ヤフーオークション
1.オークション終了後は、当事者が自ら住所氏名等を連絡し合い、取引する。出品者の住所・電話番号が虚偽であっても落札者が気付く可能性は低い。
2.ほとんどのオークションでは、「支払い終了時に発送」(落札者は出品者の商品発送前に支払いせざるを得ない)であり、出品者は(発送する意思のない出品、全く別の品を送付することにより)容易に詐欺が可能で、現に詐欺が多発、社会問題化。
3.商品に欠陥があった場合も含め、返品を認めるかは(法律上は決してそうではないので法的手段を取れば別なのだが)事実上代金を受け取っている出品者の意思一つ。
○楽天オークション
1.完全匿名取引で、住所氏名等の連絡はできない。
2.落札者が支払手続→楽天がお金を預かる→出品者が商品を発送→商品が落札者に到着→落札者が「受取確認」→出品者に着金という楽天あんしん取引により、出品者が商品を発送しないという形での詐欺、及び全く別の品を送付することによる詐欺はほぼ不可能に。
3.落札者に返品の権利があり、出品者は返送時の送料負担者を選択できるのみ。
正直、一長一短だったと思うのです。
1につき、完全匿名取引はヒューマンエラーに弱過ぎ、楽天は不評でした。一方ヤフーの実名取引はよいものの、出品者が虚偽の住所・氏名を通知することが容易というのは詐欺の温床になってきました。ヤフーの2や3は出品者に有利過ぎ(落札者に不利過ぎ)で妥当でなく、楽天の2は理想にかなり近いもののまれに返品を繰り返す落札者もいるようです。
ところが、8月から楽天オークションがリニューアルされました。
楽天オークションのネックであった1が変わり、実名配送も選択できるようになりました(http://auction.rakuten.co.jp/guide/new/20080801/)。しかも、その場合楽天に登録してある住所が、お互いに相手に自動的に開示されるようになりました!
実名配送が多く選択されるかは今後次第ですが、楽天オークションで実名配送が広がった場合、かなり理想的なオークション環境になるのではないでしょうか?なぜなら、(1)相互に実名・真の住所が自動的に通知されるのでお互い無責任な行動が取りにくい(2)商品の受取確認後に出品者の口座に入金されるので、商品を発送しないという詐欺、まるで違った商品を送りつける詐欺はほとんど起きない。からです。
出品数等、参加者の動向は不確定ですが、このリニューアルで楽天オークションは利用者にとってかなり理想的なシステムになったように思うのですが、皆さんはどう思われますか?