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韓国と台湾の産業政策の違いについて

戦時中に日本が韓国に製鉄所や造船所を つくりそれが今日、日本の企業と激しい競争をしています。 (中国大陸にも同様に造った) 同じく戦時中に統治してた台湾には 製鉄所や造船所などの重工業がありません。 砂糖工場は沢山あったようですが。 どうして日本は台湾には、重工業産業をつくらなかったのでしょうか? たんに韓国が地理的に近くて石炭があったからだけなのでしょうか? よろしくお願いします。

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  • omeger
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回答No.1

人口が多くないため目立ちにくいですが、台湾も鉄鋼業の盛んな地域であり、 粗鋼生産量を人口で割ると日本や韓国と同程度の水準となります(1)。 台湾の製鉄企業としては、中国鋼鉄というのがあります。 造船については、韓国・日本・中国の三国以外はどこも生産量は大きくなく、 台湾だけが特別に発展できなかったわけでもないと思いますが、 タイミングや企業の問題で中途半端になってしまった感じがします。 逆に、韓国でうまくいかず台湾でうまくいった分野もたくさんあります。 日本統治時代の経済は色々と意見が分かれて、 コンセンサスが得られるような答えはないのではないかと思います(2)。 台湾がモノカルチャー的ではないかという事は言われるかもしれませんが、 他の地域よりも脱農業化は進んでいた面もあり、 経済水準自体は韓国や大陸よりも進んでいたようです。 1930年代になると大陸の需要に応じて 本土以外でも重化学工業が建設されることになりますが、 場所は今の中国東北部(旧満州)や北朝鮮の辺りがメインだったというように聞きます。 朝鮮半島でも今の韓国に相当する部分は農業地帯ということで、 さらに南東部(釜山周辺)以外は朝鮮戦争の戦火で損傷が激しかったため、 韓国も初期条件は重工業向きではありませんでした。 台湾でも戦時期なると軍需工場が作られるようになります。 しかし、地理的要因のため空襲で破損した部分もありますし、 前方にあって襲撃に脆弱という懸念が、 軍需工業化の加速を踏み止まらせたかもしれません。 むしろ、戦前から残された重工業の集積だけの話なら、 当初韓国を上回っていたはずの北朝鮮の工業力は20~30年で頭打ちになり、 中国東北部も、1970年代までは中国の工業の要衝でしたが、 その後は南部・東部の沿岸部に拠点が移って相対的地位は凋落してしまいました。 日本の鉄鋼業が飛躍的に拡大し、鉄鋼と密接に係る 造船業の規模が世界一になったのは1950~1960年代のことでした(3)。 この時期に欧米との交流も盛んになり、多くの技術革新が行われています。 韓国や台湾で鉄鋼などの重工業が発展するようになったのは、 軽工業が発展した後のことで、1970年代辺りからです。 日本が関わる要因としては、戦前に日本語が教えさせていたために、 他の国と違って日本語を理解できる技術者が豊富に存在し、方式に類似点もあったため、 経済発展期に技術移転が非常に早く進んだというのが言われます。 浦項製鉄所については当時の新日鉄が協力に意欲的だった面も指摘されます。 中国や北朝鮮と比べるなら、戦後の韓国・台湾の旺盛な技術吸収熱、 マクロ経済条件の安定、教育水準の高まり、戦後の日本との活発な交流の中で、 この時期に日本から韓国・台湾への技術伝播が促進されることになったと捉えることもできます。 やがて日本以外に欧米からの技術導入も盛んに行われるようになります。 (1)世界の粗鋼生産量 中国 4.89億トン 日本 1.20億トン ←人口1.28億人 アメリカ 0.98億トン ロシア 0.72億トン インド 0.53億トン 韓国 0.52億トン ←人口0.48億人 ドイツ 0.49億トン ・ ・ 台湾 0.21億トン ←人口0.23億人 (2007年、IISIより) (2)アジア長期経済統計プロジェクトの討論「植民地期の民族工業 - 朝鮮と台湾の比較」 などが参考になりそうです。 http://www.ier.hit-u.ac.jp/COE/Japanese/Newsletter/No.11.japanese/an.htm (3)鉄鋼生産量の長期推移、日本・韓国・中国・アメリカ・旧ソ連、新日鉄の資料から http://www.nsc.co.jp/en/company/pdf/nscguide2007_e_61.pdf

goodmanman
質問者

お礼

詳しい解説ありがとうございます。 台湾にも中国鋼鉄とう高炉があったのですね。 もういちど読み直してみます。

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