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ピアノの和音の成り立ち
sanoriの回答
- sanori
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こんにちは。 絶対音感保持者で理系のおっさんです。 和音、すなわち、ハモるということには、物理学的な裏づけがあります。 まずは、そもそもなぜ、12音律、つまり、1オクターブが12音周期の音階が広く普及しているのかを知っておく必要があります。 重要なのは、倍音の考え方です。 非常に不思議なことに、人間の聴覚、すなわち耳と脳というものは、 1倍音、2倍音、4倍音、8倍音、16倍音・・・・・ が、全て「同じ音」に聞こえます。 周波数が2倍になることと、1オクターブ上がることとは、全く同一のことなのです。 当然ながら、倍音同士ですので、互いにハモります。 仮に、1倍音を「低いド」と呼ぶことにしましょう。 2倍音は「ド」、4倍音は「高いド」。 ここまでで、「ド」だけしかないピアノの鍵盤が出来上がりました。 周波数は、オクターブ数の指数関数として表されます。 周波数 = 定数 × 2のm乗 両辺の対数(底は2)を取れば、 log[2]周波数 = 定数 + m (m: オクターブ数) では、次の仕事に移ります。 1倍音の「ド」に対して、3倍音もやはりハモります。 ですから、なるべく3倍音もハモるような刻みの音律にしたいものです。 ところが、どう頑張っても、鍵盤の刻みを等間隔にする限り、ちょうど3倍の周波数を出すことはできません。 しかし、「できるだけ3倍音に近い音を出せるような鍵盤の刻み」を設定することは可能です。 1オクターブが1鍵周期の音律は、上記のとおりです。 以下、2鍵周期、3鍵周期、4鍵周期、5鍵周期・・・・・ とした計算結果をここに書きたいですけれども、長くなるので省略しまして、 いきなり「正解」である、12鍵周期の計算結果を下記に示します。 鍵盤 倍音数 n 2の(n/12)乗 0 , 1.0000 1倍音 = 低いド 1 , 1.0595 2 , 1.1225 3 , 1.1892 4 , 1.2599 5 , 1.3348 6 , 1.4142 7 , 1.4983 8 , 1.5874 9 , 1.6818 10 , 1.7818 11 , 1.8877 12 , 2.0000 2倍音 = ド 13 , 2.1189 14 , 2.2449 15 , 2.3784 16 , 2.5198 17 , 2.6697 18 , 2.8284 19 , 2.9966 ←3倍音に非常に近い音を作ることに成功!!! 20 , 3.1748 21 , 3.3636 22 , 3.5636 23 , 3.7755 24 , 4.0000 4倍音 = 高いド 25 , 4.2379 26 , 4.4898 27 , 4.7568 28 , 5.0397 ←5倍音に近い! 29 , 5.3394 30 , 5.6569 31 , 5.9932 ←ほぼ6倍音 = 3倍音の1オクターブ上 32 , 6.3496 33 , 6.7272 34 , 7.1272 35 , 7.5510 36 , 8.0000 8倍音 = もっと高いド 以上が、出来上がりの、12音律の半音階です。 ドから順番に数えると数えるとわかりますが、 3倍音や6倍音に非常に近い音に「ソ」と言う名前が割り当てられ、 5倍音に近い音に「ミ」という割り当てられています。 つまり、 「ドミソ」という和音は、4倍音(ド)、5倍音(ミ)、6倍音(ソ)の3つからなる和音なので、ハモって聞こえるわけです。 そして、 上記の27番目の音と28番目の音を見比べます。 本当の5倍音は、27番目(ミ♭)と28番目(ミ)の間にあります。 ですから、「ド・ミ♭・ソ」のマイナーコードも、ある程度ハモって聞こえるものと推測します。 また、34番目の音であるシ♭が、7倍音にわりと近いことに注目してください。 ド・ミ・ソ・シ♭ という4和音(C7)がハモって聞こえるのは、そのためであると考えられます。 メジャーセブン、マイナーセブン、オーギュメント・・・・・その他たくさんのコードがありますが、これらは、12音律というものと、人間の脳の性質によって、たまたま得られた産物と考えてよいと思います。 クラシックでも、複雑な和音は用いられている例は、ありすぎるほどあり、 たとえば、よく覚えてませんが、左手が ド・ミ♭・ソ で、右手が1オクターブ上の「レ・ファ#・ラ」とするなどのような和音も用いられていたと思います。 以上を踏まえまして、 >>> そもそも和音の成り立ちのはおおもとは4和音なのですか? 音楽史的に、どう、こう、というのは知りませんが、 原理として「4和音が基本である」ということはありません。 むしろ、2和音が基本と考えてよいぐらいです。 低いドと真ん中のソ(2和音)は、ものすごく良くハモります。 >>> それをひきやすくするために3和音に1つ指をへらしているのでしょうか? 練習曲ならば、そういう考え方は当然あるでしょうね。 ただし、2和音や3和音の方が、かえって綺麗に聞こえる例も多々あり。 >>> 和音とはこの音とこの音はあわせるときれいというのが研究されてつくられていてかならずしも一個おきにあけて鍵盤をひけばいいというものでもないですね? そうですね。 3度だけでなく、2度とか4度、5度、6度とかのパターンもあります。 2度は、セブンス系統やSUS4の場合に登場します。 ちなみに、カラオケで、自分はハモるのが得意だと勘違いしていて、いつも、メロディーの3度下をなぞっている人を時々見かけますが、私は耳をふさぎたくなります。 >>> 一曲のなかにはハ長調ならハ長調の和音、ト長調にはト長調の和音以外のコードははいってはいけないのですか? 基本がはいっていればところどころちがうコードがはいっても調はかわらないのですか? 「何でもあり」と思っておけば、ほとんど間違いありません。 ものすごくたくさんの例があります。 モーツァルトの曲のような、退屈でくだらない音楽(失礼)でなければ、 12音全てがルート(ベースの音に相当)になる可能性がありますし、 ハ長調の和音の中に、#も♭も縦横無尽に登場したりします。 長くなって失礼しました。 以上、ご参考になりましたら。
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