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「在す」の読み方
先日、ある人の俳句で、「三尊の素足に在す花の冷」の中の「在す」の読みが問題になりました。「仏像が素足でおられる」という意味です。作者は「おはす」のつもりで書いたといいますが、「おはす」を辞書で引くと「御座す」と出てきます。いっぽう「在す」は「います」と読ませるようです。ただ、「在す」と書いて「おはす」と読むのも間違いではないという人もいます。たしかに「おはす」も「います」も「ある」「いる」の尊敬語で意味はそんなに違わないようです。「在す」の読み方はどちらが正しいのでしょうか。
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ほかの方も指摘の通り、どちらもありうる。敬語(尊敬語)としては、歴史的に考察すると、「います」は奈良時代(それ以前については史料不足のため不明)までで、その後平安時代には「います」自体がほとんど使われなくなり、「おはす」にとってかわられたようです。漢字で「御座す」と表記するようになったのは、鎌倉時代になってからで、当初は意味的に、上代の「在す(います)」を引き継いで「在す(おはす)」と読んでいたと思われます。 なお、室町時代に入り、「御座ある」の形ができ、「ござる、おぢゃる」という言葉があらわれ、尊敬語としてだけでなく、「ある」の謙譲語として使われたようです。
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- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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私もおはすと、最初は読みました、そして想起したのは、いうまでもなく、与謝野晶子の使用例。 【鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな】(Webから)。この引用の文言と字がただしければ、漢字は使っていません。 “お座す”という漢字では表現が違うということなのでしょうか。 晶子の場合は、“であられますなぁ”でしょうから、仮に“おはす”の漢字が“お座す”という字の方が字としては、正しくてもではこの字をあてるのはちょいと、考えます。 ご質問のこの俳句やはり漢字を使いたいと思うでしょうから、“お座す”ではなく、“お在す”と表現するのかなと、自分は感想として思っています。 もともと慣用的になってきた、“お座す”という漢字表示のほかに、 “お在す”という表示も生きていていいのではないかと存じます。 勿論私は、楽しむだけの全くの素人の感想です。 そしてなんの典拠もありません。 “まします”も最初はいいかな、とも思いましたが、晶子の使用例があり、そして歯切れ、そして、決めの方からの注文に応じると、“おはす”という言葉で、“お在す”という字でいいのではないかな、という心の落ち着きで、句の状況を画き、自分をそこに置いています。
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丁寧に解説していただいてありがとうございました。
- 0123555
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>「三尊の素足に在す花の冷」の中の「在す」の読みが問題になりました ・この場合は、字余りになりますが「まします」ではないかと思うのですが。素人ですがご参考まで。 >「仏像が素足でおられる」という意味です ・辞書に例が載ってます。 ・http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99&dtype=0&stype=1&dname=0na ・http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99&dtype=0&stype=1&dname=0ss
お礼
ありがとうございました。 とても参考になりました。
- rauren
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こんにちは。 どちらでもよいでしょうね。 俳句全体の意味からすると、「います」の感じはしますが、俳句は作者の意図がすべてですから、作者が「おはす」で詠んだのならそう読むのです。芭蕉大先生の作品だって「魚の目に泪」というのがありますが、うお、でもさかなでもいいですよね。足にできる「魚の目」は「うお」と読んでほしいものです(笑。
お礼
ありがとうございました。
- sicco
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どちらも正しいです。 ただし歴史上は、「います」がよく使われたのは主に奈良時代まで。 それ以降は「おはす」が多く使われるようになっていきます。
お礼
ありがとうございました。
お礼
とてもよくわかる解説をありがとうございました。手持ちの辞書では歴史的な変遷まではのっていませんでした。納得です。