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どうして牛は美味しいのでしょう
こんにちは。 好き嫌いはあるかと思いますが、牛肉は、どの部位も美味しく、その上、ミルクまで、美味しいです。牛タンも美味しく、牛骨はだしになります。 もちろん、魚や鳥や豚も美味しいですが、食料として人間にとって、味わい深さでは敵わないと思います。また、牛自身は草食だし、暴れないし、ミルクを絞られても、されるがままです。 その点で考えると、牛は人間の食生活において、こんなにも都合のいい動物です!なんか理由はあるのですか?ひょっとして、人間が長年かけて、牛をそのような動物に改良したという経緯があるのでしょうか。
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獣医師です。 まず「牛肉が一番美味しい」という認識についてですが、世界でも牛肉を最高級の食肉としている国が多数派、というわけではありません。豚肉や鶏肉の方が高級とされている国もかなり多いです。 それは何故かというと、なんと言っても彼の国の牛肉は美味くない、というのが最大の理由でしょう。イギリスやオーストラリアから来た人に和牛の肉を食べさせると「なんて美味い!」と驚きますから。ま、あまりに脂が強すぎて口に合わない場合も結構ありますが。 実際、はっきり「美味い」のは、黒毛和種などの「和牛」です。ホルスタインの肉よりはちょっと高級な豚肉の方が圧倒的に美味い、と思う人は多いはずです。 もちろん和牛が美味いのは品種改良の賜です。肉専用種でもアンガスやヘレフォードなどはさほど美味いわけでもなく、もしかしたら乳用種であるホルスタインの方が美味いかも、という程度です。 それはとにもかくにも、和牛が「筋間に脂肪が入る」ことを主目的に改良されてきたからです。アンガスに和牛と同じエサを食わせても皮下脂肪が付くだけで、いわゆる「サシ」はまったく入りません。 一方、「乳用種」であるホルスタインは、とにかくひたすら「乳を出すこと」を目的に改良されてきました。 その結果、今では40kgの子牛を産む牛が1日にどうかすると60kgの乳を出す、という極めて特殊な動物になってしまっています。3000gの赤ちゃんを産んだお母さんが1日に5Lのおっぱいを出す、という状況を想像していただければ、ホルスタインの異常さが判ると思います。 この60kgの乳、もちろん子牛には飲み切れませんし(この1/10でも飲んだら下痢して死んでしまう)、だからといって放置するとあっという間に乳房炎になってしまう(ヘタすれば死にます)という、牛にとっては「ヒトに乳を搾ってもらわないと生きていくこともままならない」厄介な能力です。 これもヒトがこつこつと品種改良をしてきた結果です。 また、「牛は大人しくて扱いやすい動物」というイメージをお持ちのようですが、そうとばかりは言い切れません。なんせ「闘牛」に使うくらいですから、元々はけっこう神経質で凶暴な動物です。 ホルスタインは比較的大人しい品種ですね。ヒトが搾乳できないほど凶暴な牛は淘汰されてしまって遺伝子を残せないわけですから、大人しいのが残っていくことは極めて自然です。 それでも農場に1~数頭は、その酪農家自身も扱いかねているちょっと神経質な牛がいるものですが。 「美味しい牛」である和牛は、これはけっこう危険な動物です。 昔ながらの、牛を数頭しか飼っていないような小規模農場では、ヒトと牛が毎日濃密な接触をすることも可能なので人には馴れている牛が多いですが、数的には少数派です。 ホルスタインの採血や処置はあまり緊張しませんが、和牛は緊張しますね。実際怪我をしたことも一度や二度ではありませんし、入院したり生死の境を彷徨ったり、という話もけっこう聞きます。私の知り合いにも、角で引っかけられて腕を切断する寸前の大げを負った人と、突進されて壁に押しつけられ、1週間生死の境を彷徨った人、それから後ろ足で顎を蹴られて1ヶ月入院していた人がいます。 というわけで、質問者さんの「牛は美味しい」というイメージは主に黒毛和種の、「牛は大人しい」というイメージは主にホルスタイン種のもの、ということになります。品種によって違うのですよ。 またちなみに、豚の骨もダシになりますし、鶏も然りです。むしろ牛の骨はBSE以来、使われていません。 牛に限らず、家畜は全てヒトがその目的のために品種改良してきた結果が現在の姿、ということです。
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- origy
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直接の回答ではありませんが一言。 どんな物にも二面性があります。人間にとって有益な物は有害な面も持っています。毒薬を薄めると薬になる場合もあります。たとえば砒素は猛毒ですがまったく砒素を含まない餌だけで動物を飼育すると、ある段階で成長が止まるようです。つまり海水に自然に含まれている物質は海から生まれて進化してきた生物には必要なのでしょう。自然に含まれてないアルミニュウムは体内で利用されず、脳に溜まって痴呆症の原因になるらしく、若い人はキレやすくなるそうです。またラジウムは多ければガンの原因になりますが、少しですと成長が良くなったりします。ラジウム温泉にも薬効があります。 さておいしい牛ですが彼らの出すゲップ(CO2など)が地球温暖化の原因の一つです。またBSEも困った問題です。少しでもコストダウンして安い牛乳を生産するため、生まれた子牛には乳を与えず、濃厚で栄養価の高い牛骨粉を与えていて、それがBSEを広げることになったようです。牛乳を一度も飲まずに成長した牛もいるかもしれませんね。かわいそうですね。 中国にいる豚を全部処分すれば、インフルエンザが無くなる、という話は有名ですね。鳥インフルエンザも無くなるかもしれません。もっとも鳥がいなくなってもおなじ結果でしょう。 牛、豚、鳥、これらに人命を危うくされる事はあっても、これらを全部殺してしまえなんて事にはなりませんね。それほど彼等は美味しいし、それに他人はともかく自分は大丈夫という、根拠のない理由で生きていけるのが人間の素晴らしい楽天性ですからね。
お礼
どんなものにも二面性があるというのは大変説得力があると思いました。そういうことを考えると、都合のいいことばかりではなく、角度を変えて考え抜いて見ると結構怖いので、考えないようにしてしまいます・・・。貴重なご意見ありがとうございます
- 24blackbirds
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牛の先祖はヨーロッパ、アジア中心に分布していたオーロックスという森林棲の偶蹄類です。ヨーロッパの文献では盛んに狩られていたことが明らかで、17世紀に絶滅したようです。この、森林の動物を、草を食べる家畜に品種改良するには大変な努力があったようです。鈍牛という言葉と猛牛という言葉が共存するのが牛の性状を現しているといえるでしょう。アルタミラの洞窟に描かれるほど、彼らは得難い貴重な獲物であったのです。 豚の原種、イノシシ、ニワトリの原種、赤色野鶏は今でも野生種が生息していますが、牛の原種は体が大きすぎたため、そしておいしかったために、徹底的に狩られてしまったのでしょうね。人間の執念って怖いですね。 ちなみに、シカが最高のベンズン(狩猟肉)とされるのは、イギリスにはもうイノシシがいないことも理由の一つです(最近再導入されています)。そして彼の国ではシカは、アカシカ協会により計画的にハントされています。かつ、イギリス人はシカ肉の臭さを何とも思っていないようです(納豆を平気で食べる日本人のように)。 さらに蛇足。イスラム法で豚を食べることが禁止されている理由として、牛や羊や山羊は草を食べて肉を生産するが、豚は人間が食べられるものを食べるから、という説があります。これが正しいとしたら、限りある資源を合理的に利用するシステム、ということです。合理主義者のムハンメッドらしいとも思えます(あ、アラーの言葉を授かっただけだったか)。
お礼
>人間の執念って怖いですね。 ・・・なるほどです!より豊かに、安全に、美味しい物を食べ暮らすことへの人間の執念が、今の牛と人間との関係となったのですね。 参考になります。ありがとうございます。
- umetoshiso
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農学部学生です。 昔から飼われている牛・豚・鶏のような家畜はかなり品種改良されているので味もおとなしい気質も品種改良の成果である部分は大きいはずです。 また、家畜化される動物には祖先種が ・群れで生活することを好む ・人になれやすい ・生産性が高い(肉や乳などがたくさんとれる) ・繁殖力が高い といった条件を満たすものが多いです。 要するに最初から家畜に向いていたから家畜化されたので、食用家畜が食生活向けなのは当然といえば当然というわけです。 味は確かに私も牛大好きですし好まれることは多いですが、他の家畜に比べて餌にお金がかかったり(肉牛に草だけではカロリー不足ですし、日本の土地事情では放牧は難しいんです)、和牛の子牛は一頭買うのに100万円近くかかるし育てるのに大変な手間がかかるので牛もいい点ばかりではないです。どの家畜も一長一短ですよ。 蛇足ですが、牛もけっこうされるがままな子ばかりじゃないですよ~。牧場での一般の人の体験用に出される子はおとなしいのが選抜されているのでなかなかお目にかかることはないかもしれませんが、牛にも個性があるので攻撃的なのもなかにはいます。 乳絞りの妨害するわ作業中蹴るような動作で脅してくるわ実際蹴ることもあるし頭突きもしてくるという牛がいて実習中私も苦労させられたことがありました。肉牛が角を振りかざして突進してきたという経験を持つ先輩もいますよ。
お礼
生の経験談、ありがとうございます! わたしの知らない牛の一面が分かって嬉しいです わたしが牛と向き合うときというのは、お肉やミルクのような、食料としてだけで、牛への認識は食料です。だけど、実際は、いろんな個性の子がいて、育てるのにも大変で、そう思えば、お金さえ出せば、天から降ってくるみたいに、美味しく牛を口にいれていたことが、考えさせられます。
- r-takepi
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面白い質問ですね。 >牛は人間の食生活において・・・・牛をそのような動物に改良したという経緯があるのでしょうか。 牛肉が美味しいかどうかの議論は不毛なのでしませんが、 日本の農業、畜産は常に改良をして美味しく育て易い品種を作っています。 (手法は、掛け合わせから遺伝子改良までさまざまです) 当然、牛も改良されて、乳牛や食肉牛などに分けられていると思います。 育てかたでも色々と研究されているみたいですよ。 食肉牛にはビールを飲ませたり、乳牛にはクラシック音楽を聴かせたり。 そのような努力の上で、今の味があると言うことです。 ちなみに、牛肉の旨味成分は脂肪に有るそうです(URL参照) それと、暴れる暴れないの話ですが、 これも有る程度品種改良でなんとかなるんじゃないかなぁと思っております。 以下はネズミの話ですが、 動物実験で使うネズミにもおとなしいタイプがいます。 注射を打つ実験などをする場合にはこのタイプを使うことが多いのですが、 このおとなしいタイプも品種改良によって生まれたと思います。 (おとなしいネズミ同士を掛け合わせる) 牛とネズミとは違うかも知れませんが、遺伝って言葉もあるくらいですから、 あながち否定も出来ないと思います。
お礼
URLありがとうございます! 旨み成分ってあるのですね! すごい!現在の牛の美味しい要因のひとつは、遺伝子レベルの話にまで関っているのですね! 牛が、人間にとって一方的に美味しい存在なのは、かみさまが生物をつくったときに、設定しただけではなく、人間による、品種改良の賜物でもあるのですね。
- SaySei
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>ひょっとして、人間が長年かけて、牛をそのような動物に改良したという経緯があるのでしょうか。 > そうだと思います。 というのも、祖父が「水牛を食べたことがあるが硬くて食べれたものではなかった」と言っていました。(現在は食用に飼育された水牛があると聞きますので、そうしたものですと祖父が言っていたほど酷いものではないと思います。が、現役で頑張っている水牛だと、祖父の言っていた通りなのだと思います。) 牛にもイロイロといますよね。それぞれの用途に合わせて、現在も改良がくわえられていっているのだと思います。
お礼
なるほど!水牛は、食用の牛の肉と違い美味しくはないのですね!参考になります! ありがとうございます◎
私も鹿肉をフランスで「専門店」にて食べましたが、サッパリしすぎて美味しくありませんでした。 柔らかく美味しい牛肉1gをつくるには、人間が食べる穀物8gが必要です。 飢えている人が居るのに、贅沢ですよね。 中国の食物輸入で全世界穀物市場は大暴騰です。
お礼
経済問題・社会問題的な視点からのご意見、ありがとうございます。参考になります。 鹿肉はサッパリ味なのですか!
- Willyt
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これは好みの問題で、貴方が単に牛が好きということだけではないでしょうか。鳥が好きな人、豚が好きな人も大勢いるようですよ。それぞれの家畜は品種改良を繰り返してより美味しく、より低コストで肉がえられるよう工夫されて来ました。ただ、一番美味しいとされているのは鹿ですよ。フランス料理店では鹿の肉に一番高い値段がついているのが普通です。私も何度か食べたことがありますが、柔らかくて美味しい肉ですよ。
お礼
ありがとうございます。 一番美味しいとされているのは鹿なのですか?!知らなかったです。一般的には、牛が一番美味しくて高級とされているようなイメージがありました。単に好みの問題なのでしょうか。わたしは、一方的に人間に有利な牛と人間との関係に、因果と言うか運命的なものを感じずにはいられません。
- momochu
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回答ではないのですが、面白い質問なのでちょっと立ち寄ってみました。 そうですよね。もし、牛のように美味しい動物がライオンだったら大変でしたよね。餌も大変だし、乳搾りも命がけですよね。 年月をかけて、ライオンを家畜化すれば、おとなしくなるんですかねえ。 意外とライオンの肉も美味しかったりして。でも固そうですよね。
お礼
>そうですよね。もし、牛のように美味しい動物がライオンだったら大変でしたよね。餌も大変だし、乳搾りも命がけですよね。 そうなんです!そういうことも思っていました!
- nebnab
- ベストアンサー率34% (795/2317)
>もちろん、魚や鳥や豚も美味しいですが、食料として人間にとって、味わい深さでは敵わないと思います。 それは質問者様がそう思っているだけで、人間すべてがそう思っているわけではありません。 私は牛肉も美味しいとは思いますが、肉の中でいちばん美味しいとは思っていません。 また、インドの人口の多くを占めるヒンズー教徒にとっては、牛は神聖な動物で、食べるなんてとんでもないことです。 >また、牛自身は草食だし、暴れないし、ミルクを絞られても、されるがままです。 いや、牛は暴れますよ。 スペインの闘牛の牛は「暴れている」と言えるでしょうし、日本でも平安時代に使われていた「牛車」の牛はよく暴れたそうで、それで使われなくなっていきました。 というわけで、牛は人間の食生活に完全に都合のいい動物とは思えませんが、いかがでしょうか?
お礼
ありがとうございます。 確かに、「牛は美味しくて暴れない」というのは、偏った部分もあったかとは思います。広く世界を見渡せば、おっしゃられるように、すべての人間にとって、牛とはそういう存在ではないのかもしれないですね。
- myeyesonly
- ベストアンサー率36% (3818/10368)
こんにちは。 >人間が長年かけて、牛をそのような動物に改良したという経緯があるのでしょうか。 に尽きるでしょう。 犬も猫も豚も馬もそうです。 耕運機が出来た近年ではあまり使われませんが、牛は農業での重要な動力源でもありました。 更に古くは牛車を駆動する機関車でもありました。
お礼
ありがとうございます! 長年の人間の知恵で、今の食用動物は、より人間の生活にとって便利で都合のいいかたちに育て改良していったのですね
お礼
詳細な回答をありがとうございます! 参考になります。 >牛に限らず、家畜は全てヒトがその目的のために品種改良してきた結果が現在の姿、 ・・・そうなのですね。。私の知らない世界でした。 >質問者さんの「牛は美味しい」というイメージは主に黒毛和種の、「牛は大人しい」というイメージは主にホルスタイン種のもの、ということになります。品種によって違うのですよ。 ・・・これも勉強になります。まさに、そのイメージでした!すっきりしました。