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医療崩壊と医療新生
巷では「2007年は医療崩壊元年だった」と言われ始めています。 実際には小児割箸事件や産婦人科逮捕事、診療報酬削減等の前兆はあったのですが、新研修医制度と併せて爆発した感があります。さて今までの医療体制が維持できるかどうかですが、仲間内では、これからの道筋として以下の3パターンが言われています。 1. アメリカ型: 混合診療が解禁となり、保険診療でカバーされるのは最低限のものとなる(新薬や新しい治療法は自由診療でしなさいとなる)。もちろん超高額になってしまうので、ある程度の医療を受けたければ収入に応じた民間医療保険に加入する必要が出てくる。 これは新しい民間医療保険分野を開拓できると目論む勢力、総じて経団連側が要求している方向です。 2. イギリス型: 混合診療を解禁させず国民皆保険制度を維持する。その一方で医療費自体は抑える方向で進む。これは現在の日本が行っている方向です。ただし同じようなことをしたイギリスは深刻な医療崩壊を招いてしまい、現在医療費を大幅に増加させる方向に転換せざるを得なくなりました。 3. ???: 混合診療を解禁させず国民皆保険制度を維持する。その一方で医療費の増加を容認する。つまり国民の負担を挙げるあるいは他の分野を削って医療費を充実させる道。これは主に医療者側が要求している方向です。 皆様は1~3あるいは他にどのような方向に進むと思いますか? ・ ・ 以下自分の考えを参考までに記載しています↓ 現在の日本は2の方向で進んでおり、正直3番の方向に軌道修正する可能性は低い。つい先日(限定的ではありますが)「混合診療は違憲」であると地裁レベルでの判決もあった様で徐々に1番に移行していくと推測。 そうなると今後は民間保険会社が指定・指示する優良な病院になることがポイントであり、如何に元気で優良(高額な保険料を支払う金持ち)患者を取り込み、不健康で不良(保険料を払えない貧乏)患者を押し付けるかが重要課題である。 あと不用意な医療は施さないことも重要。特に老人に関しては「延命治療は本人が苦しむだけ」等と家族を説得して、すぐに逝って頂くことが必須となる。 総じて ・最初の治療費を高く設定して貧乏人お断り、金持ち大歓迎の方針を露骨に出す。 ・保健会社に可愛がってもらうために、入院した患者の治療方針には保険会社の意見をうまく取り入れる。 なんてことが重要になるのではないかと考えています。
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まだまだ勉強不足の私ですが、私としては3の方向にいかなければならないが、1の方向に国民が気づかぬうちに移行してゆく。と思います。 私は医師ではありません、理学療法士です。今年の診療報酬は維持されましたが、リハビリはと言うと、相変わらずの6ヶ月打ち切り。が堅持され、今まであった、除外規定が削除され、さらにリハビリは窮地に追い込まれています。結局、自由診療で好きなだけリハビリに取り組める一部の富裕層が何年もリハビリを続けることが出来、それなりの成果を挙げています。つまり、回復は何年たっても一定時間以上リハビリを行っていれば続くと言うことを証明しています。 3の方向へ行くためには医療の無駄を削ることが最優先だと思いますが、リハの観点からして老人医療における無駄はかなりあると思います。特に整形外科クリニックなどは物療機器を揃えてどんどん患者を回してますし、シップ薬などの処方はリュックを抱えてもらいに来る老人もいます。こういう、効果があるのかないのか、際限なく行われている部分をもっと制限するべきではないでしょうか。 中医協の人間はもっと、現場から登用すべきだと思います。 診療報酬制度は単なる数合わせに終始している感がします。
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- clear_water
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1を選択した時点で自由診療が主となるように思われたかも知れませんが・・・。 予防的な点滴や検査に関して・・・患者に「予防的な検査・投薬を行います。予防措置のために保険は適用されませんが(若しくは負担率が5割になりますが)如何致しますか?」と聞けばいい事だと思います。(これで訴訟を起こされるリスクは回避できます) 「何ともない」と主張している患者が来て点滴を受けるのは全くの無駄遣いです。 私が言いたいのは現在の制度をいかにして維持するかであり、無駄に医者通いをしたり、どう考えても風邪の症状なのにレントゲンを撮ったり血液検査やピロリの検査もしておきましょうとワケの分からないことを言う医師を消滅させる目的として混合診療を行うべきだと考えます。 選択的に一部を自由化・若しくは負担の増加をさせることでかなりの額の税金の支出が減ることになります。 実際には検査時にたまたま血圧が高かっただけで血圧の薬を投薬され続けている患者さんが10人程度私のお客様にいますが、そのうち半数はその薬を飲んでいません。医師に言った方がいいというと「悪くて言えない」と言うのが理由のようです。 「何のためにどう言う理屈で検査・投薬を行う」 これを理解しないで保険適用の幸福の中で無駄な治療を受けている人が多いのは間違いありません。この構造をなんとかしない限り混合診療ではなく自由診療のみの世の中になるのは必定だと思います。
お礼
今後の医療についての質問だったのですが、やはり医療従事者と一般の方で考え方の剥離がみられました。 日本の医療費はGDP比で言えば極めて安価に留まっており、WHOは日本の医療制度を世界一と認定しました。この世界一の医療を支えていたのは医療従事者(医師も含める)の屈辱的な労働条件だったのですが、その事実はほとんど知られていないようですね。厚生労働省の操作された収入金額をみて、「開業医は儲かりすぎだ」と憤っている方々が多いようですし。 ・ やはり2番の方向で進み一旦医療崩壊が起こった後に、政界に強い力をもつ経団連の望む方向(1番)への医療新生が起こるのでしょう。 最後になりますが、回答してして頂いた方々どうもありがとうございました。
補足
残念ながら医療制度の事をあまり理解されていないようですね。 ・ 予防措置と説明すれば訴訟リスクを回避できると書いていますが、できません。そもそも予防措置(=治療の必要がない)と判断すること自体に責任が生じます。つまり、予防措置と説明し何もしなかった患者がたまたま具合が悪くなった場合(低確立ですが確実に起こります)、「医師が予防措置だと説明したからやらなかったのに!大嘘を言われた、訴える!」という流れなんですよ、今の日本は。 挙句の果てには「負担率が5割になりますが...」って、そこでも5割は保険でまかなうつもりなんですか? ・ 「何のためにどう言う理屈で検査・投薬を行う」これを理解する患者は確かにいるのですが、結果論で責任を問われる時代にいちいち危ない橋は渡れません。
- clear_water
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1ですね、混合診療を実現しなければ 看護婦「今日はどうなさいました?」 患者の連れ「特に何ともないのですがおばあちゃんに点滴を打ってもらおうと思って」 こんな風景が消えずにいつまでも医療費に掛かる歳出が減りません。 必要な診療と投薬を必要なだけ施すのが最良であって、安心のための予備的な点滴はあってはなりません。 2は本末転倒であり本当に必要な人への医療が行き届かなくなります。 3も医療費の増加で必要な治療にまで医療費負担が加算されます。 国費の歳出に関して冒頭に書いたような自体が消えない限りそれを貪り食われてしまいます。 必要ない診療のために医療負担が増えることで消費が悪化し、儲かるのは医者ばかりという意味のない構造が出来上がりかねません。 これからの時代は医療を受ける側が保険適用内で医療を受けるか、混合診療で一部自由診療の医療費で治療を受けるかを選択できるようにならなければいけないと思います。 毎回血液検査をする医院や寝違えただけなのにリハビリを進める医院が多くあります。私は採血やリハビリは必要出ないと自己判断した上で拒否をしますが多くの患者は医師の言いなりです。 それこそ自由診療にして、かつ明朗会計にする必要がある物だと考えています。 正直言って私はカルテやレセプトの内容が気になります。 もしかすると掛かっても居ない病気に掛かったことにされて居るんじゃないかとドキドキです。 いい加減な医者が多すぎる以上、混合診療にした上で病院・医院をしっかり監査することは重要な事だと思います。
お礼
おそらくは医療関係者以外の方からの意見と思われますが、これまた大変参考になる意見です。 ・ さて予防的な点滴はあってはなりませんとのことですが、実際には裁判という大きな壁があります。最近は患者救済のため医療側にとって不利な流れになっており、予防的な検査・処置が必須になっています。頭の痛い問題です。 ・ あとカルテやレセプトに掛かってもいない病気が記載~とありますが、日本の場合はこの病気ならこの検査・薬剤は保険適応というのが全て決まっており、それが必ずしも適切ではありません(決めているのは国)。そこで患者さんが保険制度を利用できるように頭を捻りながら適切な疾患名をつけているのが現状ですし、嘘は嫌だから自己負担100%払いますor払って下さいという土壌は残念ながらできておりません。 ・ 最後に、3番で医療負担増大に反対されている様ですが1~3の内、国民の医療負担or不安が最も増えるのは1です。混合診療が解禁されると必ず保険診療部分は削減させられ、民間医療保険への加入が重要となります(経団連はそれを狙っています)。ちなみにアメリカの場合、4人家族が入る一般的な医療保険料が10万位/月~と聞きましたが、この位の額だと残念ながら現在の日本の医療からは程遠いレベルの医療しか受けられません。また自由診療の場合は純粋に医療側と患者のみの契約となるので国の関与は及ばなくなり(少なくとも物凄く弱くなる)、しっかり監査するもなにもありません。一部の金持ちにとっては素晴らしい医療が受けられると思いますが、大部分の国民は今までと同程度の保険料で制限された医療を受けるか、医療負担を増やしてなんとかするかの選択を迫られます。地獄の沙汰も金次第、それはそれでスッキリして良いかも知れませんがね。
- ed_7126
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1.の方向に行くと思います。 私は3.の方向を望みますが、日本のアメリカ追従の傾向を見ると、1.の方向に行くのではと思います。 医療費のうち、無駄がかなりあります。 患者の立場で言うと、かぜを引いたらすぐ病院に行く。どこか痛いとすぐ病院に行く。貰った薬はまともに飲まないで捨てる。好きなだけ食べ且つ飲み、運動もせず成人病の道にまっしぐら。超高齢でも毎年いろいろと検査する。 このような患者を沢山見ますね。 お医者さん側から見ると、違った構図と思います。
お礼
御指摘ありがとうございます。 指摘して頂いた無駄な部分なんですが実はこれら医療費の増大だけでなく、医療者のマンパワー疲弊にもつながっている問題でもあります。 因みに医療機関受診への敷居を高くすることも解決策の1つだったりします。敷居を高くする方法が高額な医療費請求、かかりつけ以外は受診不可、医療期間が消滅しなかなか受診出来なくなる(特に地方)、あるいは他の方法なのかはわかりませんが...
お礼
理学療法士からも御指摘頂き非常に助かります。 やはり1の方向を予想されますか...特に「富裕層が何年もリハビリを続けることが出来、それなりの成果を挙げています」の部分は典型例として大変参考になります。 医療、ぶっちゃけ老人医療に無駄があるのは勿論承知しているのですが、今の厳しい医療期間経営を考えると、稼げる所から何としても稼いでおく流れも仕方ないかと感じてしまいます。 3の方向になれば露骨に稼がなくても大丈夫だから不必要な医療費が意外と減ったりして?いやいや人間の欲は底無し沼なのでもっともっと稼ごうとするかな? う~ん、診療報酬制度の限界なんですかねぇ