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同じ焦点距離のレンズでも設計によって光路は変わってくるのでしょうか?
同じ焦点距離、F値で設計の違う二種類のレンズがあるとします。 その二種類のレンズを使って同じカメラ(一眼レフ)で同じ被写体を撮影した時に、レンズに入った光がCCDやフォーカシングスクリーンに入る時は同じ角度から入るのでしょうか? なぜこのような疑問を持ったかとと申しますと、私の持っている二種類の望遠レンズで(両方とも400mmF5.6です)、片方は他方に比べてピント合わせ(MFですが)が大変難しく、慎重にピントを合わせて撮影したつもりの写真の中にもかなりピンボケが多いのです。 フォーカスリングの回転角のことも考えましたが、ピンボケの多い方のレンズのほうが回転角が多いのでピントあわせは易しいはずなのに結果は逆なのです。 そこで考えたのですが、ピント合わせの難しいほうのレンズは全長が長く、バックフォーカスも長いのですが、この二種類のレンズではフォーカシングスクリーンに入る光の角度が違っていて、それによりピントのズレの見え方(ピントがずれている時のボケの見えの大きさ)が違ってくるので、フォーカシングの精度の違いが出てくるのではないかと考えたのです。 カメラメーカー(カメラbodyとピントあわせの難しい方のレンズを作ったメーカー)の相談室に聞いてみましたが、そんな事は無いと思う、と言われるだけで理論的な説明はいただけませんでした。 原因が分かれば、レンズに適したフォーカシングスクリーンに交換するなどの対策が考えられるかも知れず、何とかこの疑問を解決したいのです。 光学に詳しい方の説明がいただけると大変ありがたいと思い、ここで質問させていただきます。 よろしくお願いいたします。
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#3でもちょっと触れましたが、 まず最初に、撮像面への入射角度という場合に、 1. 光軸上の一点から出た光が、画像中心で円錐状に収束していく、その頂角(F値に対応) と 2. 画像周辺で、主光線が撮像面に対して入射する角度 をきちんと区別する必要があるかと思います。 画像中心で、ピントを合わせやすい(微小なボケを判別しやすい)というような場合には、1.(こちらはレンズのF値に関係している)でしょうし、テレセントリックな光学系、というような場合には2.の角度を扱うかと思います。 像側テレセントリック これが問題になるのは、どちらかというと(標準から)広角レンズかと思います。 長焦点のレンズだと、画角が狭いので、画像周辺部でも主光線はそれほど傾きません。例えば、焦点距離400mmだと、一枚の薄レンズでも画像周辺部での光線の傾きは像面の垂線に対して3度程度です。 (100mm位のレンズだと、射出瞳を像面から離す方が望ましい(画像周辺で主光線がより垂直になる)とかあるようですが) 画像中心での光線が作る頂角 撮影距離が無限遠だと、この頂角はレンズのF値に1:1で対応しています。ですから、同じF値なら、頂角は同じになります。(レンズの構成が変われば、射出瞳の大きさや位置が変わりますが、それの場合でもF値と頂角の関係は保たれています) ただし、撮影距離が短くなった場合には、 ・レンズの繰り出しによって頂角が狭くなる(有効F値が大きくなる)。 頂角の変化(有効F値の変化)の程度は、レンズ設計(射出瞳の位置)によって異なる。 ・全群繰り出しでないレンズ(焦点距離の長い望遠レンズで多いインナーフォーカスなど)では近距離の撮影時に焦点距離が変化(短く)なる。結果、頂角に影響を与える という効果があるかと思います。 特に、後者のピントあわせ機構の違いによる焦点距離変化の違いの影響は現れやすいかもしれません。 また、ピントの山の検出のしやすさには、レンズのボケの具合(#4さん回答にある収差の補正状況)の影響もあるようです。素直にボケるよりも、二線ボケになるほうが、ピントの山を見つけやすいのだとかという説明を見たことがあります。(ニコンのMFカメラのスクリーンではピントの山をつかみやすくするために、こういう工夫がされている、というのを書籍で見かけたことがあります。)
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- ikkyu3
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ANo4の補足に関して、 >「テレセントリックレンズ」で検索してみたのですが、これは測定などに使う、視角が限りなくゼロに近い特殊なレンズのことではないですか? 「テレセントリックレンズ」には、レンズの主点から見て「前方(被写体側)」と「後方(像面側)と両方向とが有ります。 測定用は、主として前方ですね。 コンシュマー デジタルカメラ用は、後方になります。オリンパスさんのデジタル一眼レフ用の交換レンズは、撮像素子面に垂直に光が入るように、この性能に特に拘ったつくりをしています。(クラスにより程度問題のようですが) このようにすると中心から周辺まで均質性の高い像になります。
お礼
ご回答、有難うございました。 テレセントリック性という概念については存じませんでしたので、目からうろこの落ちた感じがしております。 まだまだ、勉強することがたくさんありそうです。 少しずつですが、勉強を続けてまいりたいと思います。 これにていったん締めさせていただきます。 有難うございました。
- ikkyu3
- ベストアンサー率43% (535/1229)
専門家ではないのですが、経験上、同じ焦点距離のレンズでもピント合わせのしやすさが違うのは、フォーカシングスクリーンを必死で見ていた、マニアル時代の今よりピントが見やすいカメラで経験したところです。 現代のAFでもTTL位相差検出の一眼レフでは、同じボディでもレンズが違えば、焦点位置がセンサーと結像で微妙に違うので、意味が少し違うかもしれませんが補正が必要なのも経験したことでしょう。 これは必ずしも主光線の方向の違いだけではなく、諸収差や絞りの変化での焦点の移動なども関係しますから、一概には言えませんが、同じ焦点距離(画角)のレンズでも光軸と主光線の角度は、単レンズでない限りレンズの設計により違ってくると思います。 これは、同じ焦点距離(画角)のレンズでもテレセントリック性が像側で違うと光軸と主光線とのなす角度が違ってきます。 詳しい説明は、専門で無いので出来ないのですが、テレセントリックレンズで検索をかけると、参考資料が見出せるかと思います。
補足
早速のご回答有難うございました。 仰るように、二つのレンズの間でピント合わせの難しさは明らかに違います。そしてその理由は、ピントの外れた時のボケの大きさが同じではないからだろうと想像するのです。 それがはっきりすれば、何か有効な対策が考えられるかも知れない、ということで模索を続けています。 「同じ焦点距離(画角)のレンズでも光軸と主光線の角度は、単レンズでない限りレンズの設計により違ってくると思います」と言う点に初めて援軍を得た思いです。 「そんな事は無い(または殆ど無い)」とおっしゃる方が殆どなので(メーカの回答者もそうです)、何とかこの件について理論武装できたらなあ、と思います。 「テレセントリックレンズ」で検索してみたのですが、これは測定などに使う、視角が限りなくゼロに近い特殊なレンズのことではないですか?
- foobar
- ベストアンサー率44% (1423/3185)
今、問題にされているのは、画面周辺への(光線中心:主光線の)入射角度でなくて、画面中央で円錐形に収束してくる光の角度ですよね。 細かいことを言うと、同じF値、焦点距離でも、レンズの設計によって繰り出した(近接側の撮影をするとき)に入射光の作る円錐の角度が二本のレンズで異なることはあります。(もう一つ、ピントあわせがIF式のレンズだと、焦点距離自体が撮影距離で変わってきますので、この影響も出てきます) が、望遠レンズで通常の撮影なら、これが問題になることはほとんど無いかと思います。(最短撮影距離付近だと、上記IFでの焦点距離変化の影響が現れるかもしれません。) 絞りによるピント位置の移動が大きいレンズの場合には、その影響が出ることもあるそうです。(スクリーンでのピント合わせに使った光束と、実際の撮影に使う光束の違いが現れることもあるのだとか) 余談 画面周辺の主光線の入射角度は、広角レンズだとレンズによって差が出ることもあるようです。
補足
早速のご回答有難うございました。 仰るように、被写体の一点から出た光が焦点面で円錐形に収束しますが、 その円錐の頂角が(同じ焦点距離、F値のレンズで)設計によって変わってくるのかどうかと言う問題、と言えると思います。 なぜこういう疑問を持ったかと言いますと、 SLR用の広角レンズには焦点距離よりも長いバックフォーカスを持つものが多いですよね。こういうレンズにおいて、(被写体の一点から出た光が)レンズを通って最後尾のレンズを出た後どのように焦点面に収束していくのでしょう?同じ焦点距離、F値を持つ仮想の理想レンズ(単レンズ)と同じ角度で収束していくのでしょうか? 広角レンズで、設計によって最後尾のレンズ以後の光路が変わってくるのならば、望遠レンズだって変わらないとは言えないのではないか、と考えました。
- ameru2007
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レンズの設計、枚数などで変わるかもしれませんが、 最終的にはそんなに変わらないと思いますよ。 だって同じ画角で同じイメージサークル・・・ そこまで変わると本気で思ってます? なんとなく質問者様も「そりゃないよな」って思っていませんか? たぶん思ってるとおりだと思いますよ^^;
お礼
ご回答、有難うございました。
補足
早速のご回答、有難うございました。 正直、「そりゃ無いよ」とは思っていないのです。 有ると信じ込んでいるわけでも無く、ただただ疑問に思っているだけですけれど。 なぜこのような可能性を考えたかと言いますと、 SLR用の広角レンズには焦点距離よりも長いバックフォーカスを持つものが多いですよね。こういうレンズでは(被写体の一点から出た光がレンズを通って最後尾のレンズを出た後どのように焦点面に収束していくのでしょう?同焦点距離の理想レンズ(単レンズ)と同じ角度で収束していくのでしょうか?それが想像できないので悩んでいます。広角レンズで設計によって光の収束の具合が違うのならば、望遠レンズだって同じことがありうるのではないかと考えたのです。 まず、長いバックフォーカスを持つレンズの光の収束の様子を知りたいものです。
- bardfish
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レンズの後玉から撮像面までの入射角は同じ焦点距離のレンズなら極端に違いはありません。 フランジバック内の光路は35mmのイメージサークルに合わせて光学設計しています。 ピンボケの多いレンズはもしかしたら光軸がずれている可能性があります。 光軸がずれていると仰っているような現象になるはずです。もしくはマウントにガタがあるか。 一度メーカーへ点検に出した方が良いでしょう。
お礼
ご回答、有難うございました。
補足
早速のご回答、ありがとうございました。 なぜ、このような事を考えるかと申しますと、SLR用の広角レンズには焦点距離よりも長いバックフォーカスを持つものが多いですよね。 こういうレンズでは(被写体の一点から出た光がレンズを通って最後尾のレンズを出た後どのように焦点面に収束していくのでしょう?同焦点距離の理想レンズ(単レンズ)と同じ角度で収束していくのでしょうか?それが想像できないので悩んでいます。 なお、 ピント合わせの難しいほうのレンズは、専門業者のオーバーホールから戻ったばかりでレンズの不良は考えにくいですし、マウントにもガタはありません。
お礼
具体的なご説明を有難うございました。 大変勉強になりました。 教えていただいた事が100%理解できたわけではありませんが、この質問をさせて頂く前よりはずいぶん前進いたしました。 テレセントリック性という概念を教えていただき、「画像中心での光線が作る頂角はレンズのF値で決まる」という事も、なるほど!、と言う感じで、目のうろこがかなり減った感じですが、まだまだ私にとっては奥が深そうです。引き続いて勉強して行きたいと思います。 有難うございました。 これで締めさせていただきます。