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デジタルで作成した絵画の値打ち
西欧米(上海含む)では日本発のポップカルチャーの空前のブームもあり、村上隆や奈良美智の原画が驚異的な価格でセレブ中心に売買されています。 私もイラストレーターの一人であります。浮世絵からアニメ文化という流れを組む日本独特の描写方法というのなら、私個人の作風も充分に現代アートとして大富豪に認められても良さそうなもんだなと感じてしまいますが(そう感じるアーチストの方はたくさんおられるでしょうね)。いつかそうなることを夢見て・・そこで質門なのですが、彼らはデジタルをほとんで使っていませんよね。つまり高値で取引されるのは原画が一枚しかないからですよね。 ということはデジタルデータの優れた作品をいくら頑張って作っても絵画扱いはされず画商には見向きもされないってことでしょうか・・ 絵画の価格というのはオリジナリティーやセンスや色彩ではなく希有性だけで決まるのですか?でしたらデジタル作品には価値がないのでしょうか。なんだか描いてて空しくなってきました。励ましてくれる方いらっしゃいませんか。
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評価と価格とは別物ですから どんなに優れた作品でも、同じものをあの人もこの人も持っている、となると そこに流通品以上の価格を付けるのは難しいと思います。 漫画の原画は高値で取引されても 同じ絵が載っている漫画本はブックオフ価格です(笑)。 もし作品に高値を付けたいのなら(評価はともかくとしてですが笑) 制作者はその辺りをよく理解して自ら希少性を作るしかないと思います。 優れた絵を描くだけなら少々ナニが足りなくても描けますが それを商品にしたいのなら頭を使わないといけません。 昔から、良い絵が描けて商才もある僅かの絵描きだけが 脚光を浴びてきたのだと思います。 所詮、絵画を売り買いする連中は、作品の出来よりも希少性で評価します。 と言うより、それが彼らの唯一の評価基準でしょう。 何よりも分かりやすい基準です。 唯一性と大きさで価格が決まる、という部分では不動産と一緒です(笑)。 最近では写真作品のプリントも売買されるようになりましたが これも「元ネガが存在する」という理由で価格が安定しません。 デジタル作品は元データが元ネガと同じですから その元データに何かしらの強力なコピープロテクトをかけないかぎり 希少性はないに等しいと思います。 或いは既出のように元データを破棄するとか(版画家はよくやります)、 プリントアウトにサインを入れるなどで希少性を持たせるとか、 プリントアウトを特殊な用紙(媒体)で行うとか。私はこの方法です。 知人の版画家は、プリントアウトに手描きの彩色をして それを作品として発表しています。これも希少性を得る方法です。 或いは、作品を手段にして作家のキャラクター形成の方向に行く事も考えられます。 つまり、作品ではなく作家に価値を持たせる方向。 これなら唯一無二です。芸能人上がりの写真家や イラストレーターを名乗る絵描きなどがこの手法です。 ● 結局、誰も皆本来の才能以外の部分で苦労しているのでしょうね。 やたらと作品を高値で売ることに執着しすぎるのもどうかと思いますが 食べていけなければ意味がありませんから無頓着でもいけないと思います。 くれぐれも「絵もかける画商」にはならないようにして それでもご自分自身や作品に正当な評価が得られるように頑張ってください。
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- watercolors
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P.S. 江戸時代の浮世絵師も、版画だけではなく、「肉筆浮世絵」としてセレブにもアピールはしていましたね。 この、版画と肉筆のバランスを上手く取る事が秘訣ではないでしょうか?(笑)
お礼
なるほど。とても参考になります。 画材や手法が違っていても、時代を象徴する「文化」としての評価が大切なのですね。 個人的には、お金に無頓着な人ほど、本物の「アーチスト」だと思いますが、裕福な生活にもあこがれてしまう私はそういう部分との矛盾と葛藤とジレンマとも戦ってしまいます・・ 自分の作品がどういう形で世の人々に触れれば幸福なのか、じっくり考えてみたいと思います。 どうもありがとうございました。
- watercolors
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あなたは、絵画の価値や売り方を勘違いされているのかも。 デジタルは、同じ絵を何枚も作れる版画と同じなのです。 かの版画家「池田満寿夫」氏は、絵画の底辺を広げようとして、油絵ではなく版画を選びました。 今では美術品として認められている浮世絵版画だって、一部の裕福なものだけの美術品ではなく、庶民の楽しみだったと思います。 当時は、陶磁器を西洋に運ぶ為の詰め物として使われるほど、それ一枚の価値は低かった物です。 しかし、版も壊れて残っている版画の枚数が少なくなってくると希少価値で一枚の価値は上がってきて金持ちのコレクションになってしまいましたが。 仮に、油絵などの一点ものは、1枚 30万円くらいかな。 版画だともっと安くなり、2万とか3万。 しかし、油絵は1枚しかないので、30万の売値ですが、版画は枚数がありますので、刷数によっては、刷師の分を差し引いても画家の取り分は多くなることもあります。 これを、ラッ○ン、ヒロ・ヤマ○タなどのインテリアアートのような売り方をすると、悪徳商売と非難されます。 デジタル絵画は、どちらかというと、現在では、イラストなどの用途で使われている物が多いと思います。 ポスターとしてでも多くの人に手に取ってもらえば良いじゃないですか。 (トータルでの収入はそう変わらないと思いますよ。) そして、後世では広重や北斎のように評価される事が来るかもしれません。 庶民の文化のオタクまんがだって、村上隆や奈良美智のように、米国ではもてはやされたではないですか。 これは、枚数を制限して一部の金持ちにもアピールした成果でしょう。 というよりも、浮世絵の様に、これだけ庶民が支持すると金の亡者のセレブも放っておけなくなったのでは? (キャラクタ物として庶民へのアピールも忘れては居ないようですが) 芸術は、一部の成金や 口先だけの評論家、学芸員の為の物ではないということの証明で、村上や奈良は、それを逆手に取ったのでは? デジタルでやっている人だって、「叶精作」氏とか漫画やアニメーション関係なら結構ビッグネームの人は居ると思いますよ。 ただ、金持ちよりも庶民に受ける種類の物だと思いますが。 とは言え、私は、創る上で触感が少ないデジタルから、アナログで制作する事の方が多くなってきましたが。 まぁこれは創り手の我が儘かもしれませんが、現在なら、デジタルコピーもできますし、画材は何でも構わないのではないですか?
- nemosan
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漫画家で大学教授の竹宮惠子さんは、販売用イラストをデジタルで作成した場合 自分の気に入った色の出た1枚がプリントできるとデータは消去するそうです。 この話を読んだ時は、さすがはプロ!と感じました。 たしかこの本(1巻か2巻かは忘れた)の巻末に載ってました。 http://www.amazon.co.jp/dp/4592132890
お礼
ありがとうございます。 しかしながら元データを消去したということを外部の人間に実証するのがむずかしいと思うのですが(たとえば転送もバックアップも可能)、どうされているのでしょう?
補足
なるほど、様々な工夫が必要なのですね。お詳しい方でとても参考になりました。 現在はメディアに流通させることを目的として絵を描いておりますが、自分の絵に愛着もあり希少性を加えて新しい価値をつけることに魅力を感じます。仕事のギャラではなく、絵そのものに買い手がつくと名前を売ることもできますから。 ところでデジタルデータに希少性を持たせることに成功した作家さんってご存知でしょうか。 ビッグネームや有名人でしたら少しは価値もつくのでしょうけど、私はまだ無名に近いです。地道にやっていてBIGな仕事を得るチャンスも来るかもしれませんがなかなか思い描いたとおりには・・という感じです。