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エタノール問題について
近年石油価格の上昇に伴い、バイオマスエタノールが注目されていますが下記のような疑問がありますのでご回答御願いします。 1:バイオマスエタノールは様々な穀物を使い生産されていますが、詳しい生産方法やどういった原料があるのか。また何故近年こんなに注目されているのか。 2:環境問題の解決のためバイオマスエタノールは有効なのか。 3:環境問題とは別にバイオマスエタノールが世界経済に与える影響は何が存在するのか。 疑問(質問)が多くてすいませんが、ご回答御願いいたします。
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1.バイオエタノールの製造方法は、いわゆる穀物を発酵させて、エタノールを作る(ようはお酒です)とは少し違います。お酒を造る酵素はアルコール濃度が一定以上のところでは働きません(死滅する)。だから発酵酒のアルコール濃度に上限があるのです。お酒で一定以上のアルコール濃度を得るためには、蒸留する必要があります。バイオエタノールを製造するためには、アルコール濃度が高い状態で、活発に活動する酵素を開発し、その酵素を用いて製造します。その際相当発熱するのでその冷却にかなりのエネルギーが消費されるといわれています。 また原料となるものは穀物だけではなく、いわゆるセルロース(ようは穀物の食べれないところですね)を原料として製造することが研究開発され、近々工業化されるところに来ています。セルロースを上記の酵素が働くように粉砕し軟化させる工程が余分に必要となります。 2.バイオエタノールは、植物が空気中の二酸化炭素を固定化したものですから、燃焼して生じる二酸化炭素は±ゼロ、いわゆるカーボンニュートラルを実現します。勿論栽培、収穫、運送、さらには発酵、成分調整とうに一定のエネルギーを必要としますが(二酸化炭素を別に排出する)、化石燃料を使用することに比べれば圧倒的に二酸化炭素の排出抑制効果がありことが、世界的に合意されています。原子力に頼らない、唯一の地球温暖化対策といって過言ではないのではないでしょうか。 太陽電池、風力発電などは、天候次第。安定して発電できないため、バックアップに火力発電所が必要となり(うまい蓄電方法が現時点ではないため)、二酸化炭素排出抑制効果はバイオアルコールにくれべればかなり低いと言われています。昼夜という問題なら、世界中に太陽電池を設置し、昼の国から夜の国へ送電するという案も無いわけではないでしょうが雨や曇りでは・・・。 3.当然耕地面積確保、とかバイオ燃料の原料植物栽培労力確保と言った問題、さらには石油産業との競業と言って問題が山積しています。
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- aburakuni
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1.エタノール(=アルコール)の原料は澱粉質・糖質で、あらゆる穀物や果物糖から造る事が出来ます。飲料のアルコールの原料を考えれば、その多彩さが判ると思います。日本以外の世界各先進国がエタノール使用を進めていますが、麦やトウモロコシ等から製造する数量は国内の消費増加分を賄うのに精一杯で、今のところ大量の輸出余力のあるのはブラジルのサトウキビを原料としたものだけです。 2.京都議定書の目標とするCO2抑制は、2008年から数量測定が始まりますが、自動車用燃料部門での削減に追いつく新技術は間に合わず、現在燃費抑制以外の手段はバイオ燃料の使用だけというのが現況です。議定書の取り決めとは別に、真にCO2抑制に役立つかと言う問題は、ブラジルのサトウキビ由来のバイオエタノールに限ってはイエスです。 ブラジルの森林伐採はサトウキビ栽培が対象のものではなく、日本の総国土面積の数倍の未耕平地があります。そこにサトウキビを植えて数ヶ月で、CO2を取り込みながら育ったトウキビを採集し、その一部からエタノールを製造するので、CO2の消費はゼロと言うより実際は廃棄繊維質分がマイナスです。日本での使用には輸送が必要ですが、現在の原油も輸送が必要なので、確実にCO2排出削減は実現出来ます。 3.米国におけるバイオエタノールの問題は、石油産業・農業団体・投機家が利用しており、現在の経済混乱に繋がっていることは間違いありませんが、米国内事情でありクレームの付けようがありません。また原料以外の農作物価格高騰の原因となったのは、本質的には投機材料を捜す相場屋の問題です。短期間で農作物の転換を行えば需要供給は乱れますが、長期的な購入に基づいた新たな農業生産をブラジルで行うことは、世界経済の観点でもむしろプラスであると考えます。
お礼
非常に詳しい内容でとても参考になりました。 特に「環境問題の解決のためのバイオエタノール」に関しては分かりやすく、さらに自分でももっと調べていきたいです。 私自身の考えは悲観的な見解でしたが、長期的な視野で考えさらに着々と1つの問題を解決していく事で、最終的にはプラスになっていく事が分かり勉強になりました。
- mat983
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(1)(2) 注目を集めたのは、地球温暖化を防止するための国際的な枠組みとなる京都議定書で、日本の義務である温室効果ガスの6%削減に貢献するからです。 製造工程は下記にあります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB (3)現状、世界的に穀物価格が値を上げています。 製粉メーカー5月に続き小麦粉を11月上旬の出荷分から値上げすると発表しています。 イタリアでも主食パスタが相当値上がりし、消費者が怒っている映像が流れました。
お礼
URLどうもありがとうございます! 製造工程に関して詳しく理解できました。 やはり世界的に穀物の価格が上昇し、環境問題の改善より 先に経済問題に影響が出ているのですね。
- watico
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2:環境問題の解決のためバイオマスエタノールは有効なのか。> 現在多く使われているトウモロコシデンプンエタノールでは有効と言えません。農作物を生産するためにはご存じの通りエネルギーを消費します。耕し、肥料、農薬を生産し撒き収穫しその為にそれらの生産過程で輸送過程で農機の使用過程で二酸化炭素を排出します。なぜトウモロコシから作るかと言うとデンプンを原料にするとエタノールの生産が簡単だからです。 バイオエタノールはまだ研究途上で有り、現在研究されていることは廃材や生ゴミからエタノールを生産すること。セルロースを原料とすることです、これが完成すれば大量の廃棄物(例えば間伐材、稲藁、紙屑、生ゴミ)からエタノールを生産できることになりますので環境問題解決に大変有効な燃料と言えます。
お礼
詳細なご意見ありがとうございます! 現在の状態ではまだ解決に至るまでの状態で無い事が良くわかりました。 しかし、悲観的なことばかりでなく、将来的には環境問題の解決につながる研究が現在なされていることに関しても分かりました。 とても分かりやすかったです。ありがとうございます。
- neKo_deux
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> 3:環境問題とは別にバイオマスエタノールが世界経済に与える影響は何が存在するのか。 身近な例です。 ・原料になるトウモロコシの価格が急上昇した。 →生産物をオレンジ→トウモロコシに切り替える海外の農家が増えた。 →輸入オレンジの価格が上昇した。 →以前はコンビニで105円で売っていた紙パックのオレンジジュースの価格が116円だとかになっていた。
お礼
身近な例で参考になりました。 この例を元にもっと色々調べてみたいと思います。
お礼
1つ1つ詳しく書いてくださってとても分かりやすかったです。 製造過程から現在の問題に関するまで非常に参考になりました。 自分でも分からなかった内容が明記されてあり、 新しい見方、考え方でさらに勉強になりました!