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毒は感染するのか?
「ウィルス」とはラテン語で「毒」が語源と聞きましたが、現在の使われ方を見ると二つは別物のようにも思われます。 インターネットで軽く検索もかけてみたのですが、ウィルスと細菌の違いが書かれてるサイトがあってもウイルスと毒の違いを書いてるサイトはあまり見当たりません。 トリカブトなどの毒は有名ですが、例えば植物の毒に感染し、さらにそれが何かしら経路で人から人へ感染するというのはありえるのでしょうか。 例えばバイオハザードという映画がありますが、あれの原因がキノコとかヘビだったら(フィクションではありますが)、「ありえねー!」となるのでしょうか。 この分野に関しては全くの素人ですが、少し知識が必要になったため質問させて頂きました。 薬?細菌?麻薬?微生物?ワクチン?ドラッグ?副作用?・・・・と、何か顕微鏡の世界がごっちゃになった感じで混乱してきております。 些細な事でも、参考となるサイトでも、お答えいただけると嬉しいです。 どうぞよろしくお願いいたします。
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一応ウイルスの専門知識を持つ者です。 「感染」の意味については、No.1さんとNo.2さんが極めて的確な回答をして下さっているので繰り返しません。 ウイルスって、その正体が判ったのは戦後になってからで、まだ人に知られてそれほど時間が経っていない微生物です。 細菌がどういうものかはもっと前の時代から判っていたのですが、濾過して細菌を除去したモノでも病気が感染し得ることは19世紀から判っていて、「濾過性病原体」などと呼ばれていました。つまりその頃はウイルスが「生物」なのか「毒」なのか判っていなかった、ということです。 ウイルスが微生物であることが判ったのはウイルスが遺伝子を持つことが判ってからですし、遺伝子の正体が判ったのは戦後のことですから、微生物としてのウイルスの姿が判明したのは戦後のこと、ということになります。 新しい何かが判れば言葉の定義も変わりますから、古い語源などを調べても、それはそれで興味深いですが、頭の整理の仕方を間違えると混乱するだけになってしまいますよ。「生物」という言葉の定義すら、常に揺れ動いていてウイルスは生物なのか違うのか、といった議論があるくらいですから。 「感染」の定義は、No.1&2さんの説明で良いと思います。要するに侵入した生体内で増殖して次の生体に侵入する、というところが肝心なところです。 で、No.3さんが触れられているプリオンの話ですが、これは現在では「感染」とは定義されていません。 BSEの病原体はプリオン、と一般には理解されていますが、実はプリオンは正常な動物やヒトの体内にも普通に存在するタンパク質です。 BSE等の疾病の原因となるのは、このプリオンが構造変換したもので"異常プリオン"という言い方をすることが多いです。 異常プリオンは摂食などによって動物の体内に取り込まれると蓄積し、その動物が持っている"正常プリオン"をドミノ倒しのように"異常プリオン"に変換していくわけです。その結果、組織中に異常プリオンが十分増えると病気になるわけです。 つまり病原体が体内で「増殖」するのではないため、プリオン病(牛のBSE、羊のスクレイピー、ヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)は総称して「伝達性海綿状脳症」という言葉を使います。「感染性」ではなく「伝達性」です。英語ではinfectiousではなくtransmissibleです。 とはいうものの、世間一般的にはBSEは伝染病として認識されていますし、事実法律では伝染病に定められています。 というようなわけで、人間が自然界の全てを理解しているはずもないので、あらゆる事象を言葉で定義づけしようとしても、必ずその境界上にあるような事象が現れて、また定義し直すということを歴史は繰り返しているわけです。
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図書館で調べてみるとウイルスは病毒と訳していた時代があったようです。又病原性が高いことを毒力が強いと言うことは現在でもあるようです。この意味の毒というのは体の調子を悪くするものという意味だと思います。細菌などが作る毒は毒素といわれているようです。中毒というのは毒素の毒作用に中(命中などと同じ使い方)るという意味ですが食中毒のなかに細菌やウイルスが食品の中に混入していて食物を摂取した後これらの微生物が体の調子を崩した場合細菌性食中毒というように言うらしいです。紛らわしいのはこれを略して単に食中毒と呼ぶことがあることです。
お礼
図書館で調べていただいたのでしょうか?でしたらわざわざすみませんです。 食中毒って略されてたんですね。知りませんでした。 なにか言葉の根源的な意味がいろいろ混ざって現在に至っている感じがしますね。 質問の返答とともに雑学的な意味でも大変参考になります。 丁寧な回答ありがとうございました。
感染はしませんが、サリンなどの毒ガスが患者に付着したままで、何も防護 服や手袋を身に着けずに救助すると、救助者にもぞの影響が及ぶ可能性があ ります。衣類や畏怖に付着している残留物が他者の皮膚等(特に手)に接触 することによりその効果が及び、2次災害を及ぼす危険性があるかもしれま せん。あくまでも予想ですが、十分考えられます。 確か地下鉄事件の際にも医療従事者が若干名これに巻き込まれたと聞きます。
お礼
なるほど2次災害によって広まる可能性は確かに考えられますね。 TVドラマなどで、そうゆうところへ行った登場人物がそのごシャワー浴びてるの見ましたがそうゆうことだったんでしょうかね。 何か、質問と共に日常的にも役立ちそうな知識です。 丁寧な書き込みありがとうございました。
- nativepage
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狂牛病などの原因であることが示唆されているプリオンタンパク質と呼ばれるものが、あるいは感染性の毒と呼べるかもしれません。 (プリオンのみが病原性を持つのかどうかはまだ完全には証明はされていないそうですが。) もしプリオン仮説が正しいとすると、プリオンタンパク質は食べることで感染するという不思議な性質を持つことになります。 なので、プリオンタンパク質を生産し、人に食べさせることのできる生物がいれば(自分が食べられるのでもいいですが)バイオハザードの設定上、無理のないものとして用いることができると思います。 専門ではないので、あまり自信はないです。 一応参考ページを二つほど上げておきます。
お礼
参考ページ、ざっとですが見させていただきました。 初耳の名前が結構ありましたがとても興味深いです。 私も専門ではないのでなかなか理解には苦しみそうですが、特異なもののようですね。確かに、読む限りなんとなく特例として必ずしも否定できない感じがします。 特別、「感染」する「毒」を探し求めている訳ではありませんが、事例や存在が私の知識外では意外と普通に存在する、または例外があるのではと考えてました。 こんなのもあるんですね、とても参考になりました。 丁寧な書き込みありがとうございました。
- guragura77
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細菌やウィルスは、体内に入ったのが少量でも、体の中で増殖して細胞を壊したり毒素を作ったりします。一方毒物は体内に取り込んでも、取り込んだ量以上に増える事はまずありません。 毒物が体に悪影響を与えるにはある程度の量が必要で、毒を取り込んだ人から別の人へ悪影響を与えるほど毒物を渡そうとしたら、血液を大量に入れ替えるとか、かなり大掛かりな事をする事になりそうです。しかも、そうする事で一人当たりの毒物の量は減っていきますから、人数が増えれば増えるほど体への毒物の影響はなくなっていきます。 こう考えると、毒物が人から人へと被害を拡大していくという事態はあまり起こりそうもありません。
お礼
量に関するご説明、物凄く納得いたしました。考えてみれば確かにその通りですね。毒と薬は紙一重など、毒に関しての量の重要性はよく聞きますが、ウィルスで量はあまり耳にしませんものね。 >毒を取り込んだ人から別の人へ悪影響を与えるほど~ ちょっと笑ってしまいました・・・(笑)。細菌兵器なんてものも聞きますが、それに比べてなんて効率の悪い。 論理的でとても理解しやすいです。 丁寧な回答有難うございました。
- Hayate03
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言葉の定義からすると、答えは「毒は感染しない」です。 ウイルスと細菌は似て非なるものですので、その違いについて論じられる事がありますが、 ウイルスと毒は、お書きになっているように別物なので、その違いが論じられるケースはあまりないのだと思います。 ウイルスや細菌には「感染」という言葉が使われます。 この言葉は、細菌やウイルスといった微生物が生き物の体内に侵入することを言います。 一方、毒の方は生き物ではないので感染という言葉は使われません。 毒には「中毒」という言葉が有ります。 質問者様がお書きになっているように、食物連鎖の過程で、毒が特定の生き物の中に蓄積され、 それを捕食する動物が中毒を起こす事態は実際に有りますが、これを感染とは言いません。
お礼
成る程、毒とウィルスはやはり別物なんですね。 >この言葉は、細菌やウイルスといった微生物が生き物の体内に侵入することを言います。一方、~ 物凄く納得いたしました。 と言う事は、違いは「生物」「非生物」ということでしょうか。 >食物連鎖の過程で、毒が特定の生き物の中に蓄積され、 それを捕食する動物が中毒を起こす事態は実際に有りますが、これを感染とは言いません。 これは、前にTVなどでも見た記憶があります。確かにこれを「感染」とは言わないですね。 動植物といえば「毒」ですが、ウィルスや細菌をだすものもいるんでしょうかね。気になる所です。 丁寧な回答有難うございました。
お礼
これ以上ないというくらいの的確かつわかりやすい回答ですね。 ウイルスがそんなに知られてまだとは知りませんでした。 語源とのズレも納得できると言うものですね。 最後の一文にもまさしくと深く頷かされました。 丁寧な返答を長文でわざわざありがとうございます。 大変参考になりました。