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反結合性軌道
大学に入った教養の化学で 反結合性軌道を習いましたが 結合性軌道というのは何となく結合に寄与するんだろうなぁ。というイメージだったんですが、 「反」というのはいったい何が「反」なのでしょうか? 「反結合性軌道」に電子は入らない方が結合は安定になるということでしょうか?
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軌道の形を見たら分ると思いますが、結合性軌道は原子核間に存在します。 そのため、原子核の+電荷同士を電子の-電荷が引き付けて糊のような役目をします。 一方、反結合性軌道は結合の外側に有るため、 そこに電子があると原子核は+電荷の原子核同士の静電反発と、 それぞれの原子核は電子により外側に引き付けられるという二つの斥力を受けます。 これらは結合を解裂させる寄与を果たしてしまうため、「反」結合性軌道と呼ばれます。 要するに、反結合性軌道に電子が入るとその結合は切れてしまうということです。
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- inorganicchemist
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直接の答えは >「反」というのはいったい何が「反」なのでしょうか? それぞれの原子軌道の線形結合を取るとき、「差」に相当するもの 電子ローブの「位相」が反対 といってもなんのこっちゃ、わからんと思いますので。反結合性軌道の形は原子間に必ず節(電子密度がゼロになる部分)が存在します。そのため不安定ということもできます。 >「反結合性軌道」に電子は入らない方が結合は安定になるということでしょうか? yes. ちなみに結合性、反結合性の両方に電子が入ると、いわゆる閉殻構造になります。結合に直接関与しないとして無視される軌道ですね。 あと、大学レベルでは問題ありませんが、 「軌道があるから電子が入る」という考え方は間違っています。 「電子があるから、軌道ができる」のです。 結果は同じですけどね。
- Tacosan
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確かに結合性軌道に電子が詰まってから反結合性軌道に電子が入っていくのですが, それでもやはり反結合性軌道に電子が入ると結合が弱くなります. で, ((結合性軌道の電子数) - (反結合性軌道の電子数))/2 が結合次数となり, これが結合の強さをおよそ表すことになります. 例えば一酸化窒素 NO では結合性軌道に 6個, 反結合性軌道に 1個の電子があるので結合次数は 2.5 となりますが, ここから電子を 1個取り去った NO^+ は結合次数が 3 となり, 実際に結合距離は短く, また結合エネルギーは大きくなっていることが確認されています. また, O2 の酸化還元種でも O2^+ < O2 < O2^- < O2^2- の順に結合距離が長くなり, 同時に結合エネルギーが小さくなることが確かめられています.
お礼
どうもありがとうございます。 イメージがいわいてきました。 さらに質問なのですが、 実際、2原子間で結合が作られる際に、 結合性軌道の方がエネルギーが低いので そちらが先に電子が入ったような気がします。 結合性軌道が充填されたのち 反結合性軌道に電子が入り始めるのですよね。 結合が形成されるときに、反結合性軌道に電子が入っていくと どのような効果があるのでしょうか? すでに結合性軌道に電子があるため、 「電子があると原子核は+電荷の原子核同士の静電反発と、 それぞれの原子核は電子により外側に引き付けられるという二つの斥力」を生じさせる効果はなくなってしまっているように感じたのですが。。