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投資信託は長期保有の理由は
半額以下になって3年近くなる投資信託を2件所有し、損切りを検討している者ですが、カミさんが次の理由で納得しません。この場を借りて知識ある人に質問させて下さい。 投資信託は、長期保有するのを目的とする商品といわれていますがどうしてでしょうか。 過去の回答や証券会社の営業ではその理由として「リスクを軽減させるため長期投資を前提」といいますが、これはどういうことでしょうか?。 株と違って投資信託には、「信託報酬」という経費を毎日?差し引くので、もし日経株価が少しの変動なくとも毎日?基準価格は下がりませんか?。長期保有になればなるほどその分は下がることになりませんか?。まさか、株価が異常に上がる(10年ぐらいの間に)まで、又は基準価格が買値を越える迄(いつか不明?)を長期と言うのでしょうか。 右肩上がりの、戦後経済の名残りでしょうか。 世間の常識?とされている「投資信託は長期保有」に限定で結構ですから、よろしくお願いします。
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真実かどうかは横に置かせて頂いて、『常識』(?)の説明としても、「投資信託は長期保有」というよりは、「株式は長期保有の方がリスクが少ない」&「投資信託は、一般的には短期売買に向かない」と言った方が正解だと思います。 「リスクが少ない」というのは、理論の世界では、「リターン(=投資利回り)のブレが少ない」事を言います。株価は、短期的にはかなり激しく上下します。しかし、長期で見ると一般的には右肩上がりのトレンドを持つとされています。(この点は疑念を持たれているところですが、ちょっとの間、そう思って下さい。) このような動きをする株価の、(例えば)過去100年分の年末の株価データを持ってきます。(アメリカなら、ニューヨークダウとかSP500、日本なら日経平均といった株価指数。)100個のデータからは、1年間の投資期間のリターンが99個とれます。(1902年12月~1903年12月のリターン、1903年12月~1904年12月のリターン、・・・・)同様に5年間のリターンは95個、10年間のリターンは90個とれます。それぞれのリターンの中には、プラスマイナスは勿論、大儲け、大損など色々な数字が入っているはずですが、数字のばらつき具合は、1年間が一番大きく、10年間が一番小さくなります。期間を長く取れば取る程、短期の上下よりもトレンドの方の影響が強く出るからです。データの対象期間を変えても、ばらつきが1年>5年>10年となる傾向自体は変わりません。だから、「長期投資によって株式投資のリスクは減らせる」と言える訳です。(尚、長期の株価が右肩上がりではなく、仮に右肩下がりだったとしても、数字のばらつき具合は10年間が一番小さくなります。) さて「右肩上がり」についてですが、まず、この手の議論をする場合は、数字の信頼度を高める為にできるだけ長い期間を使うので、戦争で継続的なデータに問題がある日本株よりは、アメリカ株のデータと使う事が多いようです。議論自体は、「戦後経済の名残」という事と直接の関係はありません。また、「1年よりは5年の方が、5年よりは10年が」という相対的な議論であって、「(例えば)10年待てば元本に戻るに違いない」という事にはなりません。(「過去の数字を信じるならば、10年以内に元本に戻る確率は○○%」とは言えて、これは対象期間をどこをとるかで違いが出てくるので、こういう場合は、「戦後の日本をとるか」といった事に影響を結構受けます。だから、特定の期間の影響を減らす為には、長い期間をとるしかなく、データとしては日本株よりはアメリカ株って事になります。) 「アメリカでそう言えても、日本にもあてはまるのか?」「アメリカだって、これからもそうだ、と言えるのか?」といった疑問を持たれるは当然で、それに対して「右肩上がり派」が反論するとしたら、 ・ 個別の企業、個別の国については、右肩上がりだと断言はできないのは事実。 ・ 但し、国全体として長期的に見ても右肩上がりになっていない国は、あるかも知れないが、ごく少数。(無いと断言しないのは、私自身が無い事を確認していないからです。) ・ 株式が債券よりもリスクが高い以上、投資家は株式により高いリターンを要求し、長期間それが実現しなければ株式会社という制度自体が成立しなくなる。 ・ つまり、これまで右肩上がりだったのは、株式会社制度の性質からして当然であり、今後も株式会社制度が生き残るのなら、右肩上がりは、長~い目で見れば成立するはずだ。 ってところでしょうか?(信用するかどうかは個人の考え方次第です。) 以上をまとめると、「長期投資で株のリスクは減らせる」(より積極的には「長い目で見れば、リスクをとった分いつかは報われる」)という考え方は、これまでの経験的な事実と、株式会社制度の本質からくるもの、という事になるでしょう。それを信じるなら、長く持てば持つほど、リターンのばらつきは減るし、リターンがプラスになる(=元本割れしない)確率も高くなる、という結論になります。 尚、ここまでは、「長期投資で株のリスクは減らせる」という考え方を、感覚的に理解して頂くために、論理的な厳密性をある程度犠牲にして書きました。(でないと、これよりも更に長くなってしまうので。)その点、ご容赦ください。、 ようやく、「投資信託は短期売買に向かない」に移ります。一般的に、投資信託の保有コスト・売買コストは、現物投資よりも高くなりがちです。短期売買は、既に述べた「理論」のような「株式の長期的な優位性」を当てにするのではなく、どちらかというと、売買のタイミングや銘柄選定の正しさを信じてやるものです。その為、「ゼロサムゲーム」により近いものになるので、売買コストや保有コストの高さは大きなハンディキャップになります。また銘柄分散によるリスク(=リターンのばらつき)の軽減は投信の(唯一の?)メリットですが、裏返せば値動きが静かになり、動きの悪い投信を高いコストを払ってやる意味はあまりありません。 つまり、「短期売買をするつもりなら、一般的に投資信託は投資対象になりにくい」というだけの事で、「一旦、投資信託を買った以上持ち続けた方が良い」という事とは別の話です。勿論、「信託報酬が高くとも、長い投資期間であれば無視してよい」って事にも、全くつながりません。 この点については別の方への回答にも書きましたので、宜しければ見てください。そこでは、「株に上手・下手は無い」という説にも触れています。(正確に言うと、上手いのか、偶然なのか、統計的には区別がつかない、という事です。宝くじで3億円を当てた人が、宝くじをあてるのが上手い、と主張しても信じる人はあまりいないのと本質的には同じ事です。)私の知る限り、それに対して、根本に触れるような有効な反論はでていません。その説を信じるなら、 (1) ファンドマネージャーの腕をあてにして報酬を払う投資信託は無意味(信託報酬は、資金量の関係から銘柄分散できない代償ぐらいの意味しかない。) (2) 証券会社の売買のタイミングや銘柄選定に関するアドバイスも当然無意味だし、自分で悩むのも無意味。 (3) 最も合理的な株式投資は、「極力売買コスト・保有コストを抑えて、かつ充分に分散して、あとは株の長期的な優位性を信じて淡々と買っていく」というもの。(それでも生きている間に報われるかどうかは100%の確実性は無い。) (4) ついでに言うと、株価操縦のような事が無い限りは(実は重要なポイント)、証券会社が(手数料を除けば)顧客を意図的に損させる事もできない。損をさせようとしても、長期的にはそうならない。それができるぐらいなら、「より下がる株」がわかる証券会社は上手い、という事になってしまうから。 たいへん長くなりましたが、仕事として株をする人間なら誰でも、(信じなくとも)知っていて当然の『常識』は、私はこんなものだと思います。自分としては、それなりの自信がありますが、専門家の方のご批判があれば、私にとっても有難いです。(尚、私には、証券会社等売る側の経験はありません。)
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- Eivis
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損切りはたぶん正解です・・・!! 『株と違って投資信託には、「信託報酬」という経費を毎日?~~~又は基準価格が買値を越える迄(いつか不明?)を 長期と言うのでしょうか。』を書かれた気持ちそのものでしょう。 >投資信託は、長期保有するのを目的とする商品といわれていますがどうしてでしょうか。 ●長期持つものだと暗示をかければ、客は騙されて長く保有することに疑問を持ちません! >過去の回答や証券会社の営業ではその理由として「リスクを軽減させるため長期投資を前提」といいますが、これはどういうことでしょうか?。 ●客に長く持っていて貰えれば、販売する金融機関は『「リスクを軽減させるため長期投資を前提」』とする客のお陰で 自分たちのリスクを免れる事が出来、それだけ有効に客の塩漬け財産を運用できます。 投資信託は絶対に大底では設定しないところが味噌です・・・株価も底から坂を登り始めいろいろ仕込んだ頃、おもむろに新規設定し 【新発もの】として売り出す訳ですが、奇妙に2~6ヶ月経つと下がるのです・・・と言うより組み入れたものが下降線上に 向い始めた頃売っているのではないかと悪口(本当の事)を云いたくなるほどです。 最近知り合いの信託銀行社員が、自分の所で売り出したような種類の投信に手を出し塩漬けにしている方が多いくらいですから 意外と金融関係でも銀行にお勤めの方は引っ掛かっているくらい設定している会社にはオイシイ商品といえるかも知れません。 ・・・エンロン問題もあったことですし、とにかく本当の意味での【自己責任】で、お互いに頑張りましょう! 投信については以前いろいろ書きましたが、いささか自分でも拙文を書きすぎかと反省、小休止しています。[回答名:Eivis] 投資信託について: http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=32559 http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=33069 株式投資について: http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=57682 http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=63885
お礼
小休止のところ、登場頂き感激しています。 90年頃までは、日本が高度経済成長で株価も一時の下落あるも全般に上昇していた。しかもどのような産業が時代の要請かも大体が読めた。従って投資信託のような商品は長期に所有する限りそれなり(預金の金利以上)を購入者に還元できた。勿論証券会社等販売会社もそれなりの利益が得られた。その点、両者に長期所有がよかった。 その点、株の売買については個別なので、あのトヨタでさえ損をする投資家がでることあった。証券会社にとっては売買の手数料のみなので、短期の回転を望んでいた。勿論これは今もですが‥‥‥。 近時は高度成長もなく、日本は利息も安く、かつグローバル化で何が成長かも読めない。ITブームも現実に利益のでていたのは一部の企業で株高のみのバブルであった。 購入者は「長期所有で預金の利息以上でかつ安心」を望み、昔の幻想のみで投資信託を購入する。証券会社にとっては、購入者の昔の幻想を利用して「信託報酬」等の収入を目的にタイミングよくかつ口上手に販売する。「信託報酬」等がどの位か知りませんが、1~3パーセントですか。5年物定期預金の利息以上ですね。半額以下になるまで(1/3近いのもあり)所有する馬鹿は私だけですね。しかも、5年物の預金の利息以上を払いながら‥‥‥株なら早く損切りするのに。 そうですか。今は、長期所有は証券会社等の販売側の利益のためだけといえるのですね。しかし、証券会社側として何かこのことに反論ないでしょうかね。「強いて言えば」でもよいので再度登場お願いできませんか。又、他のどなたでも、、特に銀行・証券会社関係の人登場下されば感謝します。
お礼
大切な時間を使って、長文で学識ある回答ありがとうございました。コピーして何度も興味深く拝読しております。 >「投資信託は、一般的には短期売買に向かない」と言った方が正解だと思います。 この解説の逆説から、「投資信託は、一般的には長期投資に向く」と表現すれば、それはそれで間違いなのですね?、又は正確でない?。そこで、一般に「投資信託は、リスクを軽減させるため長期投資を前提」とボカす表現とした?。この方がより間違いなのに(又は正確でない)‥‥‥?。「向かない」と「リスク(がある)」を混同している?。広い意味で株も投資信託も同じであるのに<販売や運用形態等の違いから>、区分して説明する必要あるときに便宜のためにでてきた字句と解してよいでしょうか?。 いずれにしろ、この附近の概念は経済学の<感覚>の問題と思われますので期間をかけて勉強してみます。 又、よろしくお願いします。