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ウイルス感知・・・
ふと思ったのですが、最近話題となっているノロウィルスなどの早期感知などはできないのでしょうか。 たとえば、服に付けれるほどの小さなセンサーで、この空間に特定のウィルスがいるよ!っていうことがわかるような・・! 少し調べてみたのですが、とても小さなウイルスはだめなのでしょうか??
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Jagar39です。 除菌イオンですか・・・どうもそもそも「ウイルス不活化作用」そのものがほんとにあるのかどうか・・・ 論文発表されたものはまだ見たことがないので、ネットでちょっと調べてみたのですが、いろいろ調べた中で代表的な記述があるURLを参考URLに挙げておきます。 じっくり精読すると、もうひとつ信用する気にはなれませんね。 原理はイオンがOHラジカルに変化し、細菌やウイルスのタンパク質の水素を横取りしてH2Oすなわち水になるという化学反応の結果、水素原子を奪われたタンパク質は変性して感染能を失う、というものなのですが・・・ まず第一に、タンパク質って相当な高分子構造なのですが、そんなに簡単に水素原子を抜けるのか?という点。H2Oは水素結合なのですが、タンパク質分子から水素原子を抜けるほど強い結合なのでしょうか? この辺は化学の領域であまり詳しくないので判りませんが(高校時代も化学の成績はたいしたことなかったし)。 次に、もしOHラジカルがタンパク質から水素原子を抜けるのだとしたら、こんなの吸い込んだら猛毒ですよね。粘膜組織がズタズタに破壊されてしまう。ウイルス表面のタンパク質から水素原子が抜ける、ということは細胞表面のタンパク質からも水素原子を抜ける、ということですから。現に細菌や真菌に対しても同じ効果がある、と謳ってるし。 下に挙げたサイトでは、ウイルスの不活化実験の概要が掲載されています。 http://www.itmedia.co.jp/news/0209/05/nj00_sharp_ion.html しかしこれも疑問が。 まず実験装置が写真で掲載されているのですが、温度をコントロールする機構が見あたりません。普通に室温下で実験すれば、イオンを使おうが使うまいが、つまり何もしなくてもウイルスは死滅します。 また装置も、エアロゾルにしたウイルスを噴霧して反対側で回収しているのですが、噴霧したウイルス量の全てを回収できる装置にはとても見えません。 つまりきちんとコントロールされた実験装置にはとても見えません。 当然データの再現性はとても低いでしょう。つまり10回やれば10回、かなり違ったデータが出る、ということです。 この10回のうち、対照区(イオンを通さずに回収した実験区)よりウイルスの不活化率が高い、というデータが1回出れば「効果があった!」と発表できてしまうわけです。 このサイト、「ブラック形成法」とか「赤血球凝集反応法」という専門用語をちらつかせ、ブラック形成の写真まで見せているだけに、基礎的な実験条件を記載していないところが余計怪しく感じます。 ま、ほんとに良いデータが出ているのなら、さっさとVet.MedかVirologyあたりに論文書いてよ、という感じです。その論文を読んで初めて「信用できるデータかどうか」を検証できるわけで、こんな怪しげな記述では検証以前の問題という感じですね。 さらに別のサイトでは「ウイルスを99%不活化」などという記述も見られます。 一応、不活化試験などで感染価を求めながら処理法の検証をする場合、10の2乗感染価が低下すれば「有意な低下」と認めることができます。つまり99%低下というわけです。 でも、10億個のウイルスが99%低下して1千万個になったところで、「感染するかしないか」にはたいして影響がないのですけどね。ノロウイルスなんて100個でも感染すると言われているのに。 という「眉唾」な考察を頭の隅に置いといてください。 で、仮に除菌イオンに殺ウイルス効果がある、と仮定して話を続けます。 >ウイルスを除菌イオンで破壊して、イオン濃度を測る、という方法 まず最初の問題は、空気中のイオンそのものが不安定な存在であるために、「自然なイオン濃度の低下」と「ウイルスを不活化したことによる低下」を区別することが難しい、ということでしょう。 ささいな条件変化によってイオン濃度の低下速度はかなりばらつくでしょうから、計測したプレポストの濃度差のどれだけがウイルスの不活化に関与したのか、を割り出すのはとても難しそうです。 1個のウイルスを不活化するのに、どれだけのイオンが必要か、という定量データも必要ですが、これも難しそうですね・・・ もうひとつの問題。こちらはかなり根本的かつ深刻です。 調べた限り、この除菌イオンという代物は、「ウイルスを特異的に不活化するもの」ではないですね。細菌だろうがカビだろうがウイルスだろうがダニの糞だろうが、水素原子を含む高分子量物質から手当たり次第に水素原子を抜いてくるもののようです。 すなわち。 空気中の細菌やカビやチリといった、普通にうじゃうじゃ漂っている微細粒子に片っ端から働くので、濃度差をもって「ウイルスがいたかどうか」を推測することは、まあ不可能でしょう・・・ 古来、こういう「なんにでも効きますよ」という謳い文句のもので「本物」はなかった、というのが経験則なんですけどね・・・ あ、イオンに関しては素人なので、区分は「一般人」にしておきます。
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一応ウイルス検査の専門家ということで知っていることを書かせていただきます。 まず現在ある技術から書きますと、例えばPCRの話が出たのでその話から。 PCRとは、目的の遺伝子のある特定の部分のみを増やす技術です。 No.1さんが書かれた「ウイルスの断片から遺伝子を復元し」というのはちょっと誤解を含んでいますが、要するに「検体中にある特定の遺伝子が存在したか否か」を比較的容易に判定できる技術です。 プローブの話が出たのでちょっと詳しい話をしますが、PCRを行うには目的の遺伝子の塩基配列にマッチする「プライマー」というものの設計が必要です。「モノ」としてのプライマーはプローブと基本的に同じで、PCRに使われるものをプライマーと呼ぶ、くらいの理解でOKだと思います。 つまりある特定の塩基配列に相補的に結合する短いDNAをプライマーとして使うわけです。これを増幅したい遺伝子の2カ所に設定することにより、2つのプライマーで挟まれた領域が増幅されます。 ですので、PCRを行うためには、原則として「増幅したい遺伝子の塩基配列が判っていること」が条件となります。 ま、ウイルスのゲノムはどれも短いものですから、新種のウイルスであっても全塩基配列を調べることは容易です。「遺伝子」としての機能解析となると話は別ですが、配列を調べてプライマーを設定すること自体は決して難しくありません。 ウイルスの中には変異が激しいものもあります。No.1の方はエイズウイルスを例に挙げておられますが、インフルエンザウイルスのようにもっと激しいものも多くあります。 ですがこれも、ゲノムの全領域に渡って激しく変異しているわけではなく、比較的保存性が高い領域は必ずありますので、そこを標的にプライマーを設計すれば、かなり汎用性が高いPCR系を組むことができるでしょう。インフルエンザにしてもエイズウイルスにしても、抗原部位をコードする領域は絶えず変異していますが、非構造蛋白(酵素など)をコードする領域は比較的保存性が高いことが多いですし、非翻訳領域などの領域がプライマー設計に適している場合も多々あります。 なのでPCR系を作出してそれで検査を行うこと自体は別に現在の技術でも難しくはありません。 ただし。 ウイルス遺伝子はタンパク質の殻(カプシド)に守られていますので、「検体をそのままPCRにかける」ことは基本的に著しく感度が落ちます。元々空気中のウイルス量などたかがしれていますから、すなわち「検出不可能」となる可能性が高いです。 臓器検体や血液などからPCRでウイルス遺伝子を検出する際には、ほとんどの場合「核酸(DNAまたはRNA)を抽出する作業」が必要になります。最もベーシックな方法はフェノール系の薬品でタンパク質を変性させてエタノールで核酸を沈殿させるという手法ですが、これは現在いろいろなキットが販売されていて、多少楽になってはいます。 ですがどれも小1時間以上はかかり、またそれなりに煩雑で神経を使う作業です。 なので「空気中のウイルスを検出」することは原理的に不可能ではないと思いますが、「センサーでちょちょいと」というわけにはいかないですね。PCRは温度をかけてDNA合成をさせる技術ですので、そもそもコントロールされた実験室内での仕事、ということはおそらく当分変わらないと思います。 さて、「センサーで空気中のウイルスを検出」ということになると、まっさきに思いつくのがパーティクルカウンターのようなもので空気中の微細粒子の存在を検出すること、となるのですが、これも残念なことにウイルスはあまりにも小さいので光学系の装置では検出は不可能です。 これは科学が進歩すればあるいは、というレベルの話ではなく、物理的に光の波長よりウイルスが小さいという問題に起因するものですから、「光学系では不可能」ということが判っている、という話です。 現にウイルスは普通の顕微鏡では見ることができません。 ウイルスを観察するには電子顕微鏡が必要で、これはNo.1さんが書かれているように(少し大げさにしても)実験室を丸々1部屋、という程度の規模になります。 これが将来携帯できる程度の大きさになるか、と聞かれると、とてもそんな世界など想像もできないのですが、まあ遠い将来にはそんなこともあるかもね、くらいしか言えません。 ただ、それだけの高倍率での観察系ということになると、例えばコップくらいの容積の空気中から、1億個くらいのウイルス粒子を探せ、という話であっても、大海原に落ちてしまった10円玉を探せ、くらいのスケール比になってしまいます(別に厳密に計算したわけでもないですが)。 1視野を5秒でサーチするとしても、もしかしたら1年間サーチしてもコップの中の空気の判定が終わらないかも・・・(別にこれも厳密に計算したわけではないです) 下痢便中からウイルス(ノロなど)の存在を電子顕微鏡でサーチできるのは、下痢便1g中に1~10億個くらいのウイルスが含まれており、それを超遠心などで濃縮するから可能なのです。空気中のウイルス、となるとかなり絶望的な感じがします。 もうひとつ問題が。 仮にウイルス粒子を検出できる手法が存在するとすれば、その検出器は空気中に漂うありとあらゆる粒子をも検出してしまうでしょう。 参考までにウイルス粒子のだいたいの大きさを書いておきます。 小さいもので20nmほど、大きいもので400nmくらいですか。 1mmの千分の一が1um(マイクロメートル)、そのさらに千分の一が1nm(ナノメートル)です。ですから言い換えると0.02~0.4umくらい、mmに換算すると0.00002~0.0004mm、です。 まあいつかは実現するかもしれませんが、その道はかように遠く険しい、というわけで、現在の技術レベルではまだ想像もできないお話だったりします。
補足
返答ありがとうございます!! こんなに書いていただけるなんて・・!!笑 半分くらい頭に入りました・・・。 でも、センサーの話で、工学的に無理だというのは、調べて自分もわかりました。そのようなセンサーがあれば、ホントおっしゃる通りなんでも探知出来てしまいますよね・・・ で、また質問なんですが、前の補足に書いたように、ウイルスを除菌イオンで破壊して、イオン濃度を測る、という方法はやはりだめでしょうか?数が少なくすぎますか?? それとも他に根本的な問題がありますか??? もし良かったらご返事ください。
- unos1201
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現在の段階では、センサーを開発するのに数兆円程度、大きさも体育館程度になるのではないでしょうか。将来的にはスタートレックではないのですが、携帯式の分析機器が持ち運べる程度の大きさ、重さで進化するとは思います。 現時点での方法論として、PCR法というウイルスの断片から遺伝子を復元し、数億倍以上に増殖したものを分析して、その分析をすることによりどういうウイルスか調べることになります。また、それの一部に特異的に反応するプローブを作成できれば、検出感度は低いかも知れませんが、ある程度に多量のDNAやRNAがあればですが、存在しているようだと推測できる状態になると思います。 この技術は日進月歩ですので、特定のものに対しての開発は可能でしょうが、多くの情報を分析するには必要のないような病原性の低いもの、ほとんど無いであろうものまでの情報の蓄積、また、その解析が必要ですので、まだまだ夢物語です。しかし、宇宙への探索が始まれば必要ということで小型化されるので、コストも現在なら数兆円以上かかるものも数億円程度まで下がるかも知れません。 しかし、エイズウイルスのようにどんどんウイルスが変異するタイプにまで適用できるような分析装置が開発されるようになるには気が遠くなるような技術の革新、進歩がないと蒸気機関が発明される以前の月旅行と同レベルの困難さはあると思います。数世紀後にはできる可能性があるとは思いますが、一般の人にまで普及できる状態にはならないのではないでしょうか。情報解析機器の発達で生物領域のものは、悪用されると人類破滅の恐れもありますし、遺伝子の領域はかなり制限されると思いますので、悪用されないようなシステム開発が十分にされると実現するのではないでしょうか。
補足
早い返答ありがとうございます!! やはり、お金もおきさも馬鹿にならないですね・・・!! PCR法とかは調べるとでてきましたけど、やはりこれだと自動化はほどとおいですよね・・・!! 次のプローブつていうのは、すいません知識がないもので申し訳ないんですが、自動化できるのでしょうか??? さきほどサイトをみてて、一つこんなんいいんじゃないかなと思ったのは、除菌イオンでウイルスを破壊できる技術ありますよね。これを応用して、ある狭い空間に一定量の除菌イオンを放出して、そこにウイルスレベル以上の物質を選別した空気を取り込んで、除菌させて、またその空気をイオン測定器で測定すれば、ウイルスの有無はわかるのではないでしょうか?? すいませんなんかごちゃごちゃ浅い知識の意見を並べて。。。
お礼
遅れてすいません。。。! みなさん色々詳しいお話ありがとうございました!! 不可能な部分が多かったのは残念でしたが、なんか実現が絶対!!不可能じゃないんだなということも感じました。 後、メーカーさんの解説も絶対、本当!ということはないんだなということも勉強させていただきました。 またオレの思いつきに付き合ってもらえるようでしたらお願いいたします。