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木星が恒星化したら・・・
よく、木星は太陽になり損ねた星だ(おそらく、恒星という意味の太陽)と言われていますね。もう少し、質量が大きければ恒星になりえたとのこと。 実際に、資源としての「木星太陽化計画」も提案された事があり、それをネタの一部としたSFが「さよならジュピター」で、実際に木星を恒星にしてしまう(するのは、謎の宇宙存在ですが)のが「2010」でした。 さて、実際、現在の木星を恒星化したら、地球上から見て、どれくらいの明るさになるものでしょうか? 満月より明るく、地上を照らすほどになるのでしょうか? 昼間側に来た時、太陽以外に見える星となるものなのでしょうか? 空想でなく、化学的な回答を、お願いします。
- psss
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- 天文学・宇宙科学
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まず、どういう方法で、木星に核融合を起こさせ燃やし始めるのか、また反応をどう維持するのか、その技術の展望がないと、科学的にも何も、何も言えないとも言えます。少なくとも、どういう形に維持されるのかです。安定状態での放射エネルギーとか、木星の表面温度などはどうなるのかです。 表面温度が太陽と同じにあるというのは難しいようにも思うのですが、とまれ、表面の輝きについてKという係数で考えて置きます。K=1の場合、太陽と同じに輝くので、K=0.1だと、赤い色のK型の主系列星の輝きで、相当に明るい星の場合です。 木星の位置は、太陽から約5.2天文単位です。これが4になるのは、木星と地球が最接近した場合で、もっとも遠くなるのは、丁度太陽の向こう側になった時で、この時、あいだの距離は、6.2天文単位です。大体、平均5天文単位ぐらいと考えます。 次に考えなければならないのは、木星の直径が、現在のままに維持されるかどうかです。太陽の密度比重は1.4で、木星の比重は1.3でほとんど同じです(水より少し重いぐらいです)。しかし、太陽は、木星のおよそ1000倍の質量を持っています。太陽の場合、巨大な重力と、恒星内部のガスの膨張圧力が釣り合って、現在の直径が維持されていると考えられます。このバランスが崩れると、太陽は何万倍以上の直径に膨張し、赤色巨星となります。 木星の場合、重力で、惑星のバランスが成立しています。内部物質の圧縮に対する抵抗と重力の釣り合いで、現在の大きさになっているのです。もし木星の中心部で原子核融合反応を起こさせ、木星全体を、その表面温度が太陽と同じになるぐらいに加熱すれば、膨張圧力と重力のバランスの問題になります。重力は変化しませんが、そのような高熱になると、ガスや物質の熱膨張圧力は膨大なものになります。これと、重力がバランスを取るというのは、幾らぐらいの直径に木星がなった時かという問題があります。 そのままの大きさで、核融合反応が起こり、それが維持されるというのは無理なはずです。どういう方法か、表面温度が、相当に高温になり、内部で核融合が起これば、木星は膨張します。とりあえず2倍に膨張するとします。すると密度は1/8になりますが、これでも、融合反応は維持されるのだとします。 以上の前提で、木星が、5天文体の距離から見て、太陽に較べ、どれぐらいの明るさになるかを概算します。木星の直径は、約7.1万kmで、太陽のそれは、約70万kmですから、十倍太陽の方が大きいですが、木星膨張2倍とすると、木星の5倍が太陽の直径になります。球体だと仮定すると、表面積は木星の25倍が太陽です。しかし、距離が5倍平均あるので、25分の一、太陽よりも暗くなります。つまり、625の1、光度が落ちます。Kを考慮すると、これをKで割るのが妥当です。(625/K)分の1に輝きはなります。 ここで太陽と月の実視光度を考えます。太陽は実視光度、約-26.7等です。月は満ち欠けしますが、満月の時、約-13等になります。満月は珍しいですから、-12等ぐらいだと考えて、太陽光度との差を見ると、14.7等です。満月の時は、13.7等になります。14等だと考えると、天体の光度等級は、5等で、100倍の明るさの違いになっています。14等の差とは、100^3/2.5=40万です。つまり、月は太陽の40万分の1の明るさしかないのです。これを、K=1の場合の625と較べると、640倍の明るさになります。 また、K=1として、625分の1の明るさを等級で示すと、約7等級です。太陽の等級-26.7等から、この等級を落とすと、プラスすることになり、-19.7等になります。月よりも7等級ほど明るく、それは、640倍の明るさとも一致します。 K=1として、満月の460倍の明るさとなり、5天文単位の距離を隔てても、夜、満月があっても、もっとも明るく煌々と輝き、真昼ほどではなくても、暗くなりかけた夕暮れぐらいに地上は明るくなるでしょう。空もまた、昼間の青空ほではありませんが、かすかな青い光に一面満たされるでしょう。この木星が造るかすかな青空で、他の星の光は大部分消される可能性もあります。昼間に星が消されているようにです。 木星が膨張しなかった場合、表面積で、1/4の光の強さを考えればよく、この場合でも、満月の120倍の明るさになります。ただし、Kの値次第で、相当違う値が出てきます。Kはかなり、極端に変化するのです。 (何か計算間違いしているかも)。
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- k-family
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科学的に、と言うことですと恒星化しないと言うことになってしまいます。 木星が恒星化するためには今の100倍ほどの質量が必要らしいです。なお、太陽は2E30Kg、木星は2E27Kgで1000倍違います。 それはさておき、 木星と太陽間は約5天文単位ですから、単純に考えて地球との距離が4天文単位、つまり太陽との距離の4倍。 現在の木星の半径はおよそ太陽の10分の1ですから表面積は太陽の100分の1、 太陽と同じように輝いたとして、100分の1のさらに16分の1(4の自乗)の明るさ(エネルギー)だと思います(1600分の1)。 月は太陽の800分の1の明るさ(うろ覚えで自信なし)なので月よりは暗く星より明るいのではないでしょうか。 直感では月より遙かに暗いが全天で最も明るい星、と言うような気がしましたのでちょっと意外です。表面積が100分の1ですが球なので、この計算がちょっと違う様な気がします。 最後は空想になってしまいましたが、何方からも科学的な回答が無いようでしたので、私なりに計算してみました。
お礼
やはり、あれほどの遠方だと、大して明るく見えないのですね。 薄々、そうではないかと思っていましたが、距離と明るさの関係について、まったく疎いので、質問してみました。 ありがとうございました。 ちなみに、太陽化については、自然にならないのは、勿論承知しています。 ですが、「太陽化案」は、きちんとしたものですし、現在の技術では不可能でも、乗り越えられる可能性の高い範囲での提案だったと聞いていますので、その辺は「空」想という訳ではないでしょう。 そこのところは問題をクリアし、木星に「火を点ける」事が出来た、という前提での質問と捉えていただきたいと思います。
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う~ん、なるほど。 どうやら、どういう風に「燃やし続けるか」が一つのポイントみたいですね。 それにより、点火後の直径や明るさが全く違うとなれば、仮定が多すぎて、答えが定まらないようですね。 可能性の一つとして、月よりも遥かに明るい星となる場合もあるが、それだけが答えと云う訳にはいかないのですね。 ちょっと簡単に考えすぎていたようです。無理矢理に答えを強いた様で、なんだか申し訳ない感じです。 しかし、それを判らせて戴いた事に感謝して、k-familyさんには申し訳ありませんが、高い方の評価をさせて戴きました。(どのみち、差を着けなければならないシステムなので、御容赦願う、ということでひとつ)