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野村萬斎の演じたオイディプスについて
- 「彼の演じるオイディプスは単に運命に翻弄される優柔不断な若者ではなく、欠陥のあるヒーローだが、繰り返し人間の流血の歴史を通して行われてきた基本的な間違いを犯させてしまうような知性を備えている。
- His Oedipus is not just a indecisive young man at the mercy of fate, but a flawed hero with an intelligence that leads him to repeat fundamental mistakes made throughout humanity's bloody history.
- In his portrayal of Oedipus, Nomura Masasai challenges the conventional interpretation of the character as a passive victim of fate, presenting him as a complex and flawed hero whose intelligence ultimately leads to his downfall.
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まず、as so many stagings of this drama would have us believeに関してですが、ここは「挿入句」として機能していて、asは接続詞で「~のように」という意味になります。 wouldが使われているので、やや仮定法的なニュアンス、つまり「この劇が上演されると」という感じでしょうか。 また、have O Cで「OをCにする」という使役動詞になります。 以上を踏まえて訳すと、「この劇が何度も上演されるたびに、私達が思うように」くらいでしょう。 無生物主語+have+O+C=「無生物主語の理由で、OがCする」という構文も参考になるかもしれません。 また、本文ですが、as---の挿入句が挟まれているので見えにくくなっていますが、相関語句としてnot merely---, but---があります。not only---, but alsoと一緒の意味ですので、 「彼の演じるオイディプスはただ----というだけでなく、欠陥のあるヒーローだが---」という風につながります。細かいことですが。 また、be possessed of A=「Aをもっている」という一種の形容詞後置(過去分詞の修飾でもかまいませんが)がa flawed heroを修飾しています。 そして、そのAにあたるのが、an intelligenceなわけです。 このan intelligence を先行詞とする主格の関係代名詞節を作っているのがthat---という構造になりました。 ここで、phantomoperaさんが、ひとつ見過ごしているのが、nonethelessという副詞と、doomsという動詞です。 nonetheless=「それにもかかわらず」 doom O to do=「Oを~するように運命付ける」 無生物+O+ to do=「無生物のせいでOは~する運命である」 という意味ですので、それを考慮して訳出すべきでしょう。 a flewed heroまででいったん訳し終わり、そこからまた頭から訳していく方がいいですね。 試訳 「彼の演じるオイディプスはただ単に運命に翻弄される優柔不断な若者というだけでなく、何度もこの劇が上演されるたびに我々が思うように、不完全な英雄なのである。オイディプスは知性を持っているが、それにもかかわらず、逆にその知性が仇となって、人類が血みどろの歴史の中で犯してきた根本的な過ちを繰り返すことになるのだ。」
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 as 以下と、nonethless とdoomsの意味もうまく組み込まれた素晴らしい試訳をありがとうございました。 >not merely---, but---があります。not only---, but alsoと一緒の意味です これはしりませんでした。「~ではなく、・・・だ」の意味だとばかり思っていました。 再度ありがとうございました。