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村上 龍の作品を卒論にするんですが・・・
「トパーズ」か「限りなく透明に近いブルー」の作品について、なんでもいいんで意見とか感想とか聞かせてください!! 研究したことあるならぜひ、おしえてほしいです。
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村上龍の作品なら、ほぼ全て読んでいるので、卒論へのちょっとしたアドバイスをしてみます。 質問文の2つの作品で、何か論文的な事を書こうと思うのならば、彼のエッセイを一通り読破するのが近道だと思います。 (1)彼の「エッセイ」は文学的な読解力など持たずとも、ごく普通の一般人・受け手に対しても分かり易い言葉の選び方をしているし、かつ彼の一つ一つの作品に対するテーマやスタンス、書く上での過程を語っています。 それは彼の作品に繋がる世界観をうまく説明した、それ自体一つの「良質な分かり易い論文」になっているので、何か参考にしたいのであれば、やはりそれが一番の近道です。 (2)また、彼の対談したりしている著名人も優秀な評論家が多いので、これらも卒論を書くにあたってよい参考になるかもしれません。 (3)一部の文庫版の中には、読者の感想文が納められているものがあり、その中には彼に受けた感銘を読者の視点から上手に語った、レベルの高い感想文もいくつかあります。 個人的な意見を言えば、質問文に書かれた二つの作品よりも、比較的近年の作品の方が参考になる気がします。 例に出している2作品は、それを読んで何か知的論文的な考察をする、というより作品自体の持つウェーブに読み手がストレートな衝撃を受ける類のものだからです。 その手の本で評論的な文脈を持つには、少し敷石のハードルが高いものと思います。 近年の作品は、作者が平凡な読者に対しても伝わるようにレンジを広げた、冷静に言葉に還元して整理しやすい作品が多いからです。 かといって、極々最近の作品はそれに偏りすぎていて、文学を扱う卒論としては物足りないかもしれません。 個人的には、ほぼその中間項にあたる「メランコリア」と「タナトス」が一押しとして挙げれます。 彼の80~90年代のモチーフのSMモノとして、独白形式の作品で、イヤでも説明口調な部分があって、論理的に言葉で整理しやすいからです。 また、極端な彼の作品テーマがそれ自体特別な世界ではなく、今現代の心理がここに描かれるマゾ側の登場人物から読み取れる普遍的なものと理解できるからです。 彼の一貫して書きつづける「変化」(サド)の対極のものとして、今現代の「変化のない」大半のマゾ日本人を、登場人物の独白形式の中の、過剰な人間観察を通したセリフの内容に読み取れます。 あと、「初めての夜、二度目の夜、三度目の夜」という作品が、作者自身の人間性や根っこを探るのに一番適していると思います。 村上龍という作者への、読者の一般的な認知として、「エネルギッシュで過剰でイカレタ」というイメージを持つ人が多いし、そういった世の中は、もっと日常的で情緒的・叙情的な作品を好む風潮があったりしますが、彼が誰よりも叙情的な感動を得る為に努力している人間ということがよく分かる作品です。 「俗悪で欲望にまみれた興奮は、イノセントで情緒的な感動がない」みたいな認識は間違いで。 「欲望を元にした目標を突き詰めて生き抜いた先にしか良質の情緒や感傷・感動をたくさん味わえない」ということがよく分かって、しかもそれが世の中(日本)に一番欠けているという重要なことが伝わる作品です。 好き勝手書いてスイマセンでした、好きな作家なので内容がつい、少し明後日の方向に反れてしまいました。 ★参考図書を挙げておきます。 (1)『村上龍全エッセイ』(文庫版・全三冊・講談社)の2~3冊目あたり。 『全ての男は消耗品であるvol1~6』(vol4まで文庫・集英社+幻冬舎)の2~4冊目あたり。 (↑は直接作品に触れてない部分も多いので、そういった部分は飛ばし読みした方がいいかも) (2)『存在の耐えがたきサルサ』(文庫・講談社?) (↑確実な名著です。ハードルが高くて少し難解だけど、噛み砕いて読めば、卒論的なテーマは山ほど湧くと思います) (3)『村上龍映画小説集』(文庫・講談社) (コレの、読者感想文の中のタクシー・ドライバーという感想文が特にいいです) 以上です。 名も知らず、遠くから勝手に応援しておくので、適当に頑張って下さい。
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- Dejima
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「ブルー」について、これが芥川賞を取ったとき、純文学にふさわしいのかという議論があったような気がします。私はひたすら読みにくい文章だなと思ったばかりで、いまやほとんど忘れています。 以下、チャチャになります。 「ブルー」はもともと「クリトリスにバターを」というタイトルをつけようとしたが止められたと聞いたことがあります(ホントなのか)。 また、「69」に書かれていることの多くが、当時の村上龍之介君が実際にやったことだというのは、地元でよく知られていることです。そのために、芥川賞の受賞パーティを地元の玉屋でやったところ、高校関係者は誰も出席しなかったという逸話も。 といって別に批判的なのではありません。その着眼点や切り口には感心しております。文章は、やっぱり下手だと思いますけど。
ちょっと自分の回答文が質問文とズレ過ぎていたので、補足を加えておきます。 「トパーズ」に関しては、「トパーズの誘惑(角川文庫)」という、小説の映画化に関してのエッセイが出ているので、これが一番参考になると思います。 「限りなく透明に近いブルー」については、初期の対談本の「俺たちの船は、動かぬ霧の中を、纜を解いて、――。(角川書店)」とか「ウォーク・ドント・ラン(講談社?)」辺りがきっと参考になると思うのですが、これらは相当昔の本でしかも文庫化されてないので、手に入れるのが難しいかもしれません。 あと、やっぱり、「他人の感想のサンプリング」は出来のいい卒論を目指す上で、近道ではないように思います。 かといって質問文の上記2作品を、自分の感想・考察のみから完成度の高い卒論へ仕上げるのも、とても難解だと思います。 ならば繰り返しになっちゃうけど、彼のエッセイや対談集を読んで、そこに書かれている彼自身の自作に対する考察・スタンスや、対談本内の評論家などとの会話の言葉に一通り目を通して参考にした後、もう一度小説側を読み返してみて、そして自分の漠然とした感想との比較の中で辛抱強く言葉を捜していった上で、自分に湧いた卒論を第三者に発表する欲求を書き出すBESTの形式として、文章の流れや手順を突き詰めていくのが近道だと思います。 二度も回答してスイマセンでした。
お礼
アドバイス読みました!!ほんとにありがとうございます。 なんかすごいたくさん、しかも読み砕いていて驚きました・・・私は、まだまだ ちっぽけです。 エッセイとか対談とかとにかくあげていただいたものは、読んでみます。 今日、図書館に参考文献を探しにいったのですが、少なくて、はやくも挫折しそうになりましたが、頑張ります。ありがとうございました。
お礼
アドバイス、ありがとうございます。 読みにくいということですが、「ブルー」でいこうと思っています。 村上龍さんについての雑学として、とっておきます。またなにかあったらお願いします。