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mRNAのコピー数
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- geneticist12
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まず、一細胞からRNAをとって分析するのは、PCRが使える現在となっては不可能ではないですが困難です。十分量の細胞や組織を使って、細胞数を計測したりいろいろな方法で推測したりして、一細胞あたりのRNA量に換算するのが普通でしょう。 特定のターゲットmRNAのコピー数を求める方法としては、 1. RNase A protection assay 古典的な方法ですが、おそらく最も定量性がよいです。 in vitro transcriptionなどで、ターゲットRNAの一部に相補な放射性ラベルRNAプローブを作ります。放射性ヌクレオチドの取り込み率から収量が求められますし、一般的な定量法法で収量を求めても良いですが、収量(重量)がわかれば設計したプローブの分子量で除してモル数(これにアボガドロ数をかければコピー数になる)が求められます。モルあたりの比活性も算出できます。 サンプルRNAに過剰量のプローブを加え適当な条件でインキュベートすると、ほぼ100%のターゲットに一分子あたり一分子のプローブがハイブリします。その後、一本鎖RNAを特異的に分解するRNase Aで消化すると、ハイブリしなかった過剰のプローブは分解され、ハイブリしたプローブだけが残ります。分解されなかったプローブの放射活性からハイブリしたプローブのモル数(=ターゲットRNAのモル数)が求められます。 2. 定量PCR No. 1さんが書いている通りですが、補足すると、 ターゲットRNA(から逆転写されたcDNA)に対するのと同じプライマーで同程度の増幅をする(つまり長さや配列が極端に変わらない)濃度既知のテンプレートをコンペティターとして加えてPCRをかけます。等量のサンプルに対してコンペティター量を振って、ターゲット由来のPCR産物とコンペティター由来のPCR産物の量が等しくなるポイントを検量線から求めます。そのポイントのコンペティターのコピー数ががターゲットRNAのコピー数ということになります。 ただし、ターゲットRNA量を正確に測定するためには、コンペティターはPCRの段階でプラスミドなどのDNAを加えるのではなく、in vitro transriptionなどで合成したRNAを逆転写の段階から加えるべきです。 なぜなら、逆転写反応はRNAサンプルに対して100%の効率ではなく、しかも反応ごとに効率が振れるものだからです(一般的に10~50%くらいの効率)。
すみません。肝心なところが抜けていました。 5.出たコピー数をテンプレート量と細胞数で計算して、細胞1個あたりのmRNA数を算出する
そういう実験はしたことがないので、単に私の知っていることと持っている技術を組み合わせて「私ならこうする」程度のことしか書けませんが。 1.細胞数をカウントする 計算盤かパーティクルカウンターか何かで、とにかく単位容積あたりの細胞数を出します。 2.その細胞の単位量から懸濁液を造り、遠心して細胞ペレットを得る 3.そのペレットよりRNAを抽出する 4.目的遺伝子のプライマーを使って、コンペティティブPCRかリアルタイムPCRを実施して、遺伝子のコピー数を出す 求める精度にもよると思うのですが、これでいけませんかね? 標準プラスミドを作らなきゃならないのが手間ですが。
お礼
回答ありがとうございます。やはり多数の細胞から平均をとるという形なのですね。ありがとうございます。
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お礼
とても丁寧に回答していただきましてありがとうございます。参考にさせていただきます。