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中和滴定のpHの計算について
化学でpHを習いました。 pHは液中のH+の量を対数で表したものと聞きました。 H+の量は溶液の電離度から、電離度の高い塩酸は電離度が1で溶液中ではすべてイオンになりH+で存在する、そこで0.01mol/lの塩酸は[H+]=0.01=10^(-2)となり、pHは2となる。 ここまでは分かります。でもその先が分かりません。 まず塩酸の溶解度によると思いますが、1mol/lより濃い濃度の溶液があるならpHはどうなりますか?pHに負は存在しますか? あと逆に塩基のNaOHも電離度が1です。 NaOHと塩酸を同量加えたら同じ量のH+とOH-が存在するのでpHは7.0になると思います。例えば0.01mol/lの塩酸とNaOHを加えたらそれぞれ0.01=10^(-2)となり、pHは2と12のものをまぜ7で中和します。 しかし、弱酸である酢酸0.01mol/l加えてそこに強塩基のNaOHを0.01mol/lを同量加えてもpH7で中和しません。 しかし教科書には「電離度に関係なくn価の酸1molはn molのH+を放出することができる」とあります。 即ち、酢酸も塩酸も1価であるので、同じ結果になってよいと思いました。 しかし、実際はなりませんし、酢酸の場合中和(当量)点?は7ではありません。 なぜ酢酸も塩酸も1価なのに弱酸であるCH3COOH0.01mol/l加えてそこに強塩基のNaOHを0.01mol/lを同量加えても中和しないのでしょうか? それ所か中和は7ではないのでしょうか? そのときの混合溶液のpHの計算式もみましたが難しいです。私には知識不足で理解できません。 例えば、上記の酢酸とNaOHの同量の混合液のpHはどう計算すればいいのでしょうか?そして両方が反応しきった点(当量点?)はともに1価なのに7ではないのはどう理解すればいいのでしょうか?どなたかご教授願います
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pH<0にもなり得ます。 しかし、そのような領域でpHという概念を用いることは多くありません。なお、実験操作などでは「pH<1にする」や、逆に「pH>13にする」などよく出てきます。 後半の質問ですが、中和の意味を勘違いなさっていませんか?中和とは中性になることではありません。酸と塩基が当量反応することを言います。 0.01mol/Lの酢酸と0.01mol/LのNaOH水が同体積反応すれば、ちょうど中和は完結します。(当量点) CH3COOH + NaOH → CH3COONa + H2O の反応において、酢酸もNaOHも過不足なく中和反応しています。 この反応によって生じる塩の酢酸ナトリウムはその水溶液が塩基性を示しますので、当量点ではpH=7とはなりません。(中和反応自体は当量点に達しており、完了しています。) これは弱酸である酢酸に CH3COOH = CH3COO- + H+ または別の表現では CH3COOH + OH- = CH3COO- + H2O という化学平衡が存在するためです。 中和で生じる酢酸ナトリウムは水溶液中で完全電離をしていますが、水中では酢酸イオンだけが存在することが出来ず上記の左向きの反応が進み、水素イオンが消費され、より正確な表現をすると酢酸イオンの加水分解がおこり水酸化物イオンが生じ、液性はやや塩基性となります。
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中和の意味についてはNO1様がご指摘されていますので、蛇足をば・・・ 化学の授業で「酸・塩基の定義」を学ばれていますでしょうか。酸や塩基にはいくつかの定義が存在します。そのうちの一つがアレニウスの定義です。 【アレニウスの定義】 酸:水溶液中で電離してプロトンH^+を放出するもの 塩基:水溶液中で電離して水酸化物イオンOH^-を放出するもの 中学校までで学ぶ酸・アルカリ(塩基)はアレニウスの定義によるものです。これは酸やアルカリというもの、中和というものを大まかに学ぼうとするにはよいのですがrad-sato様が疑問に思われているようなレベルになってくると、アレニウス塩基の定義では不十分です。(たとえばアンモニアがアルカリ性を示す理由が説明付けられませんよね。) そこでブレンステッド・ローリーの酸・塩基の定義が登場します。 【ブレンステッド・ローリーの定義】 酸:他の物質にプロトンを与えるもの 塩基:他の物質からプロトンを受け取るもの 塩基は、水酸化物イオンを放出するものではなくて、プロトンを受け取るものというわけですね。この定義を用いれば、「酸の電離」という事象が少しはっきりします。今までは HA → H^+ + A^- のようにプロトンを放出することが、つまり酸が電離することというイメージであったと思われますが、実際は HA + H2O → H3O^+ + A^- という風に、「水がブレンステッド塩基としてプロトンを受け取りオキソニウムイオンを生じる」という過程を含めて「酸が電離する」といっています。中和反応は、 HA + H2O → H3O^+ + A^- ・・・(1) HA + B → HB^+ + A^- ・・・(2) (H3O^+ + B → HB^+ + H2O) という2つの反応を含んでいると言えるのだと思います。 おそらく「電離度に関係なくn価の酸1molはn molのH+を放出することができる」という記述にピンと来ないものがあるのだとお見受けしますが、ブレンステッドの定義を受け入れることで、「電離度に関係なくn価の酸1molは“塩基に対して、総計で”n molのH+を放出することができる」と解釈できるようになります。酸が塩基としての水に対してプロトンを放出する割合のことを電離度といっているだけであって、(1)+(2)の総計でn molのH^+を放出するというイメージです。 参考URLをごらんになっていただければよいのですが、酸・塩基にはまだルイスの定義というものがあります。酸・塩基の定義3つは覚えておいたほうがよいかと思います。
お礼
ご回答をすぐにいただいたに主かかわらず、ご返答遅れすみません。 いくつかの定義があることは私も知っていました。 高校レベルの教科書ではアレニウスの定義の不十分さは説明されておらず、ブレンステッドの定義をよく見ると「水以外の溶媒に溶けている物質にも適用できるようにした」(実教出版 高等学校化学I p.80 2006年)とありました。 プロトンの定義は紹介されていませんでした。 裏を返せばアレニウスの定義はも水以外の溶媒では説明できませんということが遠まわしに表現されてました。教科書でも中和滴定は紹介されてますので、アレニウスの定義の不確かさの記述がなかったことで誤解していたようです。 ご指摘とともに、分かりやすい説明ありがとうございました。御礼申し上げます。
お礼
返答遅れました。 pHが0以下あるいは13以上も成り立つ旨ありがとうございます。 中和についてですが、高校レベルの教科書だと「酸と塩基が反応し、それぞれの性質を互いに打ち消しあうことを中和という」(実教出版 高等学校化学I)とありましたので、誤解してました。ご丁寧なご指摘ありがとうございました。 よく読み、正しい理解に勤めます。 ありがとうございました。