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管弦楽曲、交響曲、協奏曲などの違い

m-taharaの回答

  • m-tahara
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回答No.2

 数多い例外が存在することを承知の上で、あくまでも本当に基本的な要素の御説明から入ります。  交響曲は特定の用途やテーマによることなく、純粋に聴くための音楽です(書いていながら例外ばかり頭に浮かんできますが)。ハイドンによって一応完成された様式から言うと、ソナタ形式という主題(テーマメロディ)とその展開から再現と流れる一連の音楽を一楽章とし、これに本来は踊りのための音楽であるメヌエットやスケルツォを加え、メリハリを付けるために速い楽章と緩やかな楽章を組み合わせて一つの曲としています。ハイドンが一応完成させたドイツスタイルの交響曲(ベートーヴェンや晩年のモーツァルトなどが基本)では第1楽章に速いソナタ形式、第2楽章に緩やかな音楽(ソナタの場合もあり、もっと単純にメロディの繰り返しだったりする)、第3楽章で舞曲(踊り)、第4楽章にまた速いソナタ形式を持ってくる、もしくはロンド形式、という何種類かの部分を組み合わせた形式(ABACABAがもっとも基本-A・B・Cそれぞれが一つの部分)で構成されています。  協奏曲とは一人、もしくは複数の独奏楽器とオーケストラが文字通り協演するための音楽です。多いのはピアノ、ヴァイオリン独奏ですね。  こちらは独奏者の演奏の美しさ、技術を聴いてもらうのが主眼なので、オーケストラは控えめなケースが多くなっています。  こちらは3楽章形式が基本と言え、第1楽章がソナタ形式で、曲全体の中でかなり長いこと(全曲の半分以上)も多くなっています。第2楽章は通例緩やかな曲、第3楽章には先程書いたロンド形式を使うことが多いです。  管弦楽曲というのはそれ以外のオーケストラ用の曲全てをさすため、これと言った定義はありません。中でも多いのはバレエ音楽、交響詩などでしょうか。オペラなどの序曲だけを集めたものもこのジャンルに入れていることが多いようです。  それ以外にも、歌手の唄(独奏もあり合唱もあり)をメインに伴奏として何かの楽器(ピアノが多し)、オーケストラが演奏する曲は声楽曲という範疇に入ってきます。独唱(一人が歌う)の時には歌曲、と呼ぶこともあります。  これはお解りかとも思いますけれど、多数の歌手(一人もあるにはあります)を使い、ストーリーに従って劇形式になっているものが歌劇(オペラ)です。  オーケストラ以外では数人の奏者が一緒に演奏するものを室内楽曲、ピアノ曲のように一人で演奏するものを独奏曲と言います。ピアノソナタなどがそうです。  また、明確な基準があるわけでは無いながら、概ね第二次大戦頃から後の作品や日本人の作曲した作品については現代音楽(現代曲)として独立して置いてある店が多いです。  最初にも書きましたように、これはかなり膨大な例外を無視してやや乱暴に切り分けたものです。ベートーヴェンの交響曲でも「田園」のようにかなり情景を描いている上に5楽章形式の、しかもさっき書いた形式とは全く違った曲もありますし、第9番のように合唱が入っているものもあります。マーラー頃から後、20世紀になるとこうした形式に則っているものの方が稀、と言える状況になります。  それではそれぞれの区別をどうつけているか、ということで言うと、これは作曲者がどう名前を付けたか、を尊重するしかありません。「交響曲」と命名されていれば作曲者はこれを交響曲として聴いて欲しい、という意図を持っているわけですから交響曲に入れる、ということです。  一方交響曲の起源から言えば、もともとは歌劇の序曲から出発し、それを次第に拡大し独立させたものです。序曲の時点では切れ目なしに演奏される急(速い)緩急の三部形式が基本でした。  こうした曲のスタイルなどは別に意識しなくても充分に楽しめます。逆に形式を意識した上で作曲家の創意工夫についておっ、こんなところでこんなことを、という風に発見して楽しむことも出来ます。  御自分の嗜好性に合わせて好きに聴かれるのが良いでしょう。まあ、CDショップで曲を探す際には知っていた方が楽かもしれませんね。  あまりに幅広く且つ奥深いテーマなので、とても書き切れません。  もし、この内容、別な話でも具体的な疑問etc.お有りでしたら追加でお答えしたいと思います。

jakob
質問者

お礼

早速のお返事細かいところまで、ありがとうございます。 ますます、深みにはまりそうです。 助かりました。

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