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SiO2とH[Al(OH)4]の反応を教えて下さい。

ume_pyonの回答

  • ume_pyon
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回答No.4

3たび登場でスミマセン・・・.多分最後です!? ホントに視点が鋭いですね^^;私がいかにあいまいに理解していたかを暗示して下さって,ありがとうございます!? >例えばSi-OとSi-Fの結合は電気陰性度の差からSi-F結合の方が強くて切れないのに、どうしてH-OHとC-O結合ではH-OH結合が切れてしまうのですか? そうですね~,これは誤解を招く表現でした.訂正しますので,ひとまず忘れてください(爆).私も安易に「電気陰性度の差」だけで結合状態を結論付けてしまいましたが,それだけでは結合力をはかることはできません.そこで,目安になる結合エネルギーを比較します. Si-H:76kcal    C-H:98kcal Si-Cl:95kcal   C-Cl:77kcal Si-O:106kcal   C-O:84kcal Si-F:125kcal これを見れば,なぜSi-Fが一番安定か,わかります. しかし,同族のCにおいては,C-ClやC-Oよりも,C-Hのほうが強いですよね. このように,なぜCでは「非共有電子対を持つ元素(=ハロゲンや酸素)」とは結合力が弱いのに,Siでは逆に強くなるのか?そしてなぜSi-Fが一番結合力が強いのか?それを分子軌道法(量子化学の一部)を用いて説明すると, 『非共有電子対を持つ元素との結合体,例えばCF4などは,F同士の非共有電子対同士が電気反発しあってしまい,CH4などに比べて結合力が弱まる.一方,Siには空の3d軌道があり,そこにハロゲンの非共有電子対が入り込むため,結合力が強くなる(※).また,OとFは非共有電子対の数が違うから結合力も異なる.一方,Clの場合は,Fよりも共有結合半径が広がりすぎてしまい,3d軌道との相互作用はあれど,2原子間の距離が離れすぎてしまい,結合力がOよりも弱くなるものと思われる.』 (※)Cの最外殻は2pであり,3d軌道とはエネルギー差が大きいため,ハロゲンの非共有電子対が入り込めないが,Siの最外殻は3pであり,3d軌道とエネルギー差が小さいから,非共有電子対が入り込むのです. という背景があるのです.これを読んで「なるほど!」とわかっていただければいいんですが,もし「意味不明??」と感じられましたら,単純に『SiのほうがCよりも電子が多いから,それだけ複雑な相互作用がたくさん生まれそうだなぁ~』と考えるにとどめて置くといいでしょう.要は,複雑なんです・・・(だって,量子化学だもん><). 一方,C-OとO-Hの結合エネルギーの比較ですが,一般的に,有機化合物においては,単純に結合エネルギーの大小で,結合の切れ易さを予測することはできません. 例えば,水とメタノールでは,水のほうが電離定数が高いですよね.これを,    R-O-H ←→ R-O- + H+ と考えてみましょう.そうすると,R=H(つまり水)と,R=CH3(つまりメタノール)の場合で,O-Hの切れ易さが変わってくることになりますよね.これは,CH3というのが電子を押し出す力が強いので(電子供与性なので),O(δ+)-H(δ-)というOの極性を薄めてしまいます(なぜなら,CH3から電子が押し込まれて,Oのプラス性を弱めてしまうから). つまり,同じO-Hをもつものでも,置換基によっては結合の強さも変化することが多いからです. 同様に,O=C=OはH2Oとわずかながら相互作用して, O=C=O + H-OH → O=C(+)-O(-) + H(δ+)-O(δ-)H → O=C-O-H                                   |                                   OH となりますが,同じC=Oをもつケトン(R-CO-R')の場合は,水のような弱い酸とは相互作用しないことが知られています(触媒としてH+を加えると,容易にC=O → C(+)-OHとなりますが). とまあ,有機化合物はどんな置換基がつくかだけで,まったく性質が異なることなどショッチュウなので,臨機応変な解釈,幅広い知識が必要になることを覚えておくといいですよ!(ですよね,rei00さん!?) ------------------------------------------------------- >では、 ※ SiO2 + H2O ←→ 2H+ + SiO3 2- >の式からNaOHとの反応式を作るのはやっぱりおかしいんですかね? >それとも、もし水よりも電離定数が大きかったらOKなんですか?? No.3でも述べましたように,「予想」としては全然OKですし,私もそういう「予想」を立てます.しかし,それが「本当なの?」と言われたら,必ずしも※が反応機構に関与しているとは言い切れないかもしれません.つまり,※の予想結果と教科書の反応式が一致したのは,ただの「偶然」である可能性もあるのです.そこで,反例として「水よりも電離定数が小さければ」という仮定,推測をしただけで,水よりも電離定数が大きければ,※が反応機構に寄与しているとも考えられるでしょう. しかし,※の酸が「酸塩基反応」を起こすほど強いのか,それともNo.3で説明した「脱離反応」のほうが起こりやすいのかということについては,他の分野,要素を考えない限り,これ以上の議論ができないのです. 例えば,カルボン酸とアルコールのエステル反応などは,酸塩基反応で考えると間違える典型です(エステルについては以前にも質問があったので,検索してみるといいでしょう). CH3COOH ←→ CH3COO- + H+ このH+がC2H5OHを攻撃して水を脱離すると考えると,CH3COO-C2H5が得られますが,同位体実験から,エステルの組成はCH3CO-OC2H5ということが知られています.つまり,脱離された水は,「カルボン酸のOHとアルコールのHが結合して脱離したもの」であって,「エステルのCOOは,カルボン酸のC=Oと,アルコールの-O-が結合したもの」なのです. CH3C-OH + H-O-C2H5 ←→ CH3C-OC2H5 + H2O    ||                 ||    O                 O だけど,「じゃあ,なんで酸塩基反応は起こらないの?」ということを説明するのは難しく,高校生に対しては「別の反応機構が起こっていて,そっちのほうが優先されやすいから」と答えることが多いようです.というか,高校生では理解が難しいので,そうとしか答えられません. M効果,反応速度,脱離速度,立体障害,中間体の安定性etc.などの,多くの要素を考えると,エステル反応が酸塩基反応よりも優先されることが説明できますが,エステルの合成反応機構については非常に難しいので,省略させてください(←あっ,大学では習いますよ!). こんな感じで「納得」していただけましたか? なお,もしも質問が膨らむようでしたら,いったんこの質問を締めてから,改めて「化学」のカテゴリーから質問しなおすと,私やrei00さん以外の方からも解説をいただけると思いますよ(まあ,有機に関してはrei00さんがいらっしゃれば鬼に金棒ですが(笑)).

gedo-syosa
質問者

お礼

>(※)Cの最外殻は2pであり,3d軌道とはエネルギー差が大きいため,ハロゲンの非共有電子対が入り込めないが,Siの最外殻は3pであり,3d軌道とエネルギー差が小さいから,非共有電子対が入り込むのです. う~ん難しい・・。ケイ素原子の3p軌道や、炭素原子の3s軌道や3p軌道にハロゲンの非共有電子対が入ることはできないのですか?? >CH3というのが電子を押し出す力が強いので(電子供与性なので),O(δ+)-H(δ-)というOの極性を薄めてしまいます. 酸素原子がプラスに帯電しているんですか! そんなのはフッ素との化合物中ぐらいだと思っていました。。 やはりいろいろと学んでからでないと、反応の予測はできないんですね~。大学に入ることができたら、こういうことももっとよく勉強したいと思います。 >いったんこの質問を締めてから,改めて「化学」のカテゴリーから質問しなおす いや~、なんて質問し直したらいいのか思いつかなくて・・。(爆)

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