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燃料電池

簡単な質問で恐縮ですが、教えてください。 環境に負荷の少ない新しいエネルギーとして燃料電池が注目されているそうですが、燃料電池を製造するエネルギーも含めたLCAを計算の上、実際環境にやさしいという研究結果が一致して出ているのでしょうか?

  • ESME
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  • ベストアンサー
  • kenchin
  • ベストアンサー率56% (398/700)
回答No.1

相当難しいご質問ですね。 結論から云うと「発電を主軸に考えると、従来型のエネル ギーと同等だが、そこに熱負荷がオンされるので、その 分の環境負荷を考えると、従来方式より変換熱量当たり の負荷としては良さそう。」って感じですね。 内容は正確とは言えないんですが、参考URLに公開された 研究結果要旨を入れておきます。 PDFですから、読む前にアクロバットが必要な事には ご注意の上お読みください。 □ ここからは、既にご存じならお許し願うとして....。 ご質問の要旨は「燃料電池(という機器単体)のLCA(と いう指標)で、一致した結果が出ているか?」という事 でしたが、LCAの限界と「工程のどこまで含んだLCAか」 を見てみないと、これは変な方向に行きますので、少し ご説明申し上げます。 LCAは製造~運用~廃棄までの内部環境負荷と外部環境負荷 を合計したもので、例えば、各段階でのCO2発生量を取りだ して、それを耐用年数で割った数字(g-CO2/年)とか、発 生熱量で割った数字(g-CO2/J)を持ってきて、他の方式と 比較するわけですね。 ところが、その過程で以下のような問題が出ます。  ○単体機器と複合機器(プラント)    取りだしたエネルギーが、他の変換器機を介さずに    直接利用出来る場合は問題ありません。    ところが、例えば燃料電池でしたら、熱は燃焼空気    の温度を上げる形で出てきますよね?    すると、家庭や工場で熱を使う際には、もう一段の    変換装置が必要です。    つまり、温水で使いたいなら空気/水の熱交換機が    必要ですし、暖房で使うなら、燃焼空気をそのまま    部屋に供給すると酸素不足を起こしますので、    空気/空気の熱交換機が必要ですね。    すると、燃料電池本体だけを見るとLCAは凄く良い    のだけど、後段に付けた変換装置のLCAも考慮しな    いと、「出発点の燃料を、人が使える最終の形まで    変換する全課程をトータルしたLCA」っていう重要    な部分が見えません。    それに比較して、例えば湯沸かし器やボイラなど    の「使いたい最終形をストレートに出してくれる    機器」でしたら、これは熱効率が60%~90%後半で    あるという事とも関連して、「熱を最終段階とし    た場合のLCA」で評価しますと、燃料電池より優位    になる場合が多々あります。    また、ディーゼル発電機などでも、熱の一部は温水    の形で取り出せます(後段の変換装置が不要)から    ディーゼル単体ではLCAが悪くとも、プラント総合    として考えるとLCAは良いって結果になりかねない    んですね。    ですから、何を最終段階に持ってくるかで、調査    結果毎のLCAも変わりまして、一致した意見は出に    くいです。  ○製造者毎/廃棄者毎の工程の問題    各社で製造工程は微妙に違うわけでして、おまけに    廃棄方法も、スクラップにしないリサイクル有り    一度溶解してのリサイクル有り、果ては土中埋設    有りと色々です。    勿論、リサイクルが理想なんですが、製造台数が    現在のように少ないと、リサイクルする手間で    LCAが悪化する場合も多々ありますし、製造台数    が増えると製造工程のLCAも下がりますから、現時    点では、各社各製品毎にLCAが異なるのが現状でし    て、一致した数字は必ずしも出ないですね。 つまり、出発点の燃料は共通点として捉えても、最終の エネルギーの形をどう見るか、これがポイントになって 来まして、この最終形を人が利用できない形で終わらせ た報告書だと、少し問題が存在するし、廃棄方法等の 形によっても異なる、つまり「現実の形と乖離した報告 だと正確な比較は出来なくて、残念な事に現実の形と 十分に合致した報告は(特に数字面で公開された物は) 殆ど無い」って事が言えます。 こんな事から、「研究結果として数字が一致した結論」 は(公開ベースでは)存在しないのですが、現状の燃料 電池耐久年数で見たら、どうやら従来の物の一部(※1) より環境負荷が少ない組み合わせは多そう(※2)っての で御納得いただけたら幸いです。  ※1:従来型火力発電所よりは優位は確実。     車のエンジンでは微妙、家庭用でも微妙。  ※2:燃料製造プラントにもLCAの大小があり、燃料電     池製造プラントにもLCAの大小があり、利用機器     としてもLCAの大小がある。     でも、LCAの小さな物同士を組み合わせると、従     来のプラントより相当良いって事ですね。       

参考URL:
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/denki/de-0106/de_04.pdf
ESME
質問者

お礼

早速、ご丁寧なご回答をありがとうございました。 ESME

その他の回答 (1)

  • tnt
  • ベストアンサー率40% (1358/3355)
回答No.2

燃料電池は2次エネルギーです。 (1次エネルギーとしても作れるけど) 一例を挙げると 電力で水を電気分解して、その水素を燃料電池の燃料に使い また発電して動力に利用する というわけです。 問題はこの「電力」ですね。 (もちろん、いきなり別の方法で水素を得る手段もありますが  その場合、電力を介しないだけです) この始めの電力をどうやって得ているかで評価は変わります。 当然、電力を電力としてそのまま使えるのならその方が良いわけですが 移動体の燃料として使うのであれば 今、移動体用に使われている化石燃料よりは良いという 結論となっている様です。

ESME
質問者

お礼

早速のご回答ありがとうございました。 ESME

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