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合金の熱処理について

Umadaの回答

  • Umada
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回答No.1

majorumaさんのご質問のバックグラウンドやお持ちの知識のレベルが分かりませんので、以下では適当に推測してお答えします。回答内容に過不足があったらすみません。(もっとも、冶金は専門外なので勿体つけて答えるほどでないのですが) 時効硬化処理は一般に、材料中に微細な第二相を析出させることで行われます。その過程で強度や硬度が上がります。(強度や硬度が時効処理で上がるのは微細な第二相が変形に対する抵抗となるため)。時効硬化の有名な例はジュラルミンです。ジュラルミンはたまたまの室温放置で時効がおきて発明されたものですが、時効処理の温度や時間をちゃんと制御してより特性の優れた材料を得ようというのは自然な流れです。 溶体化処理では合金の温度を上げて、室温だと混じりあわない2種類の合金元素を(半ば無理やり)基本金属に溶かし込みます。この合金の温度を室温まで下げると合金元素は再び分離・析出しようとしますが、それには一定の時間がかかります。この場合の反応速度は有名なArrheniusの式 exp(-E/kT) に比例しますから(Eは活性化エネルギー、kはBoltzmann定数、Tは絶対温度)、高温で処理すれば速く析出して早く硬度が上がる道理です。 低温で加熱した場合ですが、析出の際の核発生と析出相の成長の関係で、 低温:微細な析出相が多数できる 高温:大きな析出相が少数できる という違いが生じるのだと思います。通常は前者の方が硬度が高くなります。 私が分かるのは残念ながらここまでです。あとは頑張ってください。 なお、以下のページに関連用語の解説があります。参考になると思いますので必要に応じ読んでみてください。 「技術用語検索」>金属用語解説 http://www.coguchi.com/yougo_s/index.html 「用語集」 http://www.yoshu.net/YoshuWeb/yougo/yougo_list.html

参考URL:
http://www.coguchi.com/yougo_s/index.html, http://www.yoshu.net/YoshuWeb/yougo/yougo_list.html
majoruma
質問者

お礼

早速の回答ありがとうございます! 温度によって発生する結晶の大きさが違う、ということがポイントだったのですね。 Umadaさんのおかげで、概要をつかむことができました!

majoruma
質問者

補足

状態図と対応させてそのことを説明するとすると、 やはり、低温、高温ということだけをピックアップすればよいのでしょうか? それとも状態図から読み取れることがほかにあるのでしょうか?

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