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歌語「くらしまほしく」or「くらさまほしく」?
つぎの歌は、約50年前にいただいた恩師の年賀状にありました。 これを転写して友人に送ったところ、その母上が「くらしまほしく」 の部分は「くらさまほしく」ではないかと指摘されたそうです。 M=もろともに いや健やかに いや栄えに 暮しまほしく 祈る初春 A=もろともに いや健やかに いや栄に くらしまほしく 祈る初春 S=もろともに いや健やかに いやさかに くらさまほしく 祈る初春 恩師も母上も、ともに京女にして永遠の文学少女、おくればせながら 軍配をあげるには、いかなる理由がふさわしいでしょうか。 (数年前に亡くなられた母上が息子だけに告げておられたことを知って)
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奈良時代以前、例えば万葉などで盛んに使われた語法に「ク語法」というものがありました。活用語の語尾に附いて「~すること」「~であること」を意味します。イフ→イハク、ネガフ→ネガハク、などは現代までに残存したク語法です(「曰くがある」「願わくは」)。 そのク語法が推量の助動詞「ム」に附くと「マク」となります。「咲カマク」「行カマク」は、従って「咲くであろうこと」「行くであろうこと」を意味します。更に「ホシ」が加わって「マクホシ」という語になり、やがてその省略形「マホシ」が生じます。「咲カマホシ」は「咲きでもしてくれないかなあ、咲いてほしいなあ」の意です。 以上のように、御質問の言葉は元々「暮ラサム」から派生したのですから、御友人御母堂の「暮ラサマホシク」が正解と考えます。
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- dulatour
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前の回答者さまが指摘しているように、「まほし」は、未然形接続なので、「暮らさ+まほしく」が文法的には、ご母堂の言うように正解です。 ただ、「まほし」は平安時代には、多く用いられましたが、平安末期ごろから、[希望]の「たし」がこれに代わり、鎌倉以降は「たし」が多くなりました、これが、口語の「たい」に当たるわけです。 「たし」は連用形接続ですので、現代との「たい」の意味を含んでの、混用ではないでしょうか。 文語と口語の混用としては、一概に恩師の間違いとは言えないと思いますが…
お礼
文語と口語の混用と解釈すれば、楷書・行書・草書が混在するように、 現代人も許容すべきですね(ご指摘に感謝します)。 たしかに「くらしまほしく」は、それなりの響きが感じられるのです。 はじめは、恩師に(このエピソードを)電話で報告するか、あるいは 戯歌でもつくって伝えるべきか迷ったのです。 教えて!goo のQ&Aをもとに、ブログにまとめることにしましょう。
「くらさま」は暮らす様、様子の意だと思います あなたの暮らしの様子が望ましいことを願います という内容ではないかと感じます 、、
お礼
どの家も「健康で豊かに暮らしましょう」という呼びかけですね。 この年賀状は、もともと三人三様の書が合成されていました。 すでに三筆が混在していて、さらに一筆が加えられていたのです。 冒頭の楷書「謹賀新年」、結びの行書「正月元旦」は、いずれも父の 毛筆を転写、隷書体の住所印を朱色で、ガリ版印刷しています。中央に わたしの草書で(二年前の恩師の歌を無断で)書きこんだのです。
- sasa8787
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「まほしく」は希望の助動詞「まほし」の連用形ですが、「まほし」は活用語の未然形に接続するので四段活用の動詞「暮らす」の未然形「暮らさ」と接続して「暮らさまほしく」となります。 従って文法的には「母上」が正解ですが、恩師の歌は教え子への年賀状に相応しい、いい歌だと思いますし、息子さんにだけ密かに伝えた「母上」も奥床しい方ですね。
お礼
半世紀ぶりの久闊を叙す手紙をよんだ友人が、わたしの古い年賀状を 探しだしたところ、亡き母の朱が入っていたので、そういえばあのころ 「さ」が正しいと教わった、と思いだし、コピーを送ってくれました。 いま思うに、おそらく母上は、わたしの歌と信じて、ひそかに咎めて くださったのでしょう。たった一文字「さ」と添えられた筆のあとに、 かつての中学生たちが、それぞれ遠くはるかな感慨にふけったのです。
- garamond
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「くらさまほしく」が正解です。 「あらまほし」と言うように、「まほし」は動詞(型活用)の未然形に附きますので。
お礼
50年以上「くらしまほしく」と思いこみ、読みならわしてきたので、 もし最初から「くらさまほしく」あるいは「くらさまほしう」だったら、 かえって(子供心に)違和感があったかもしれませんね。
お礼
あてずっぽうに「暮らしまほす」という連語・成句・音便かと思って いたのですが「暮らさむ→暮らさまく→暮さまくほし→暮らさまほし→ 暮らさまほしく」と変遷したのですね。まさに、千代に八千代に(!)