民法504条、担保保存義務とは?

このQ&Aのポイント
  • 民法504条による担保保存義務は、保証人や物上保証人を保護するために、債権者に対して担保の保存義務を負わせるものです。
  • 担保を放棄したり他の保証人を免除すると、保証人が担保を失うことになります。民法504条では、保証人が担保を失ったことによって債権者に対して償還を受ける責任を免れることができる範囲を定めています。
  • ただし、他の保証人が免除されても、残った保証人には引き続き代位権が残ります。つまり、他の保証人との関係は解消されますが、債権者に対する責任は残存します。
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民法504条、担保保存義務について

民法504条、担保保存義務について分からないことがあります。 担保保存義務の趣旨としては、 「保証人、物上保証人など法定代位権者を保護するために、債権者に対して民法上で、これらのものが代位できる担保等の保存義務を負わせる」 ものであり、また、 「債権者が担保を放棄したり、他の保証人を免除したりすると、保証人は債権者に弁済した代わりに取得できると期待した担保を失うことになる。そこで、民法504条では担保の喪失・現象によって償還を受けられなくなった限度で保証人は債権者に対して責任を免れることができる事を規定している。」 ものであると思います。 ここで、上記の「債権者が担保を放棄したり」の部分は理解できるのですが、 「他の保証人を免除したりすると」 の部分がイマイチ理解できません。複数保証人がいる場合を想定しているのでしょうけど、他の保証人が免除されても、残った保証人には代位権は残ると思うのですが・・ どの参考文献を読んでもこのように書いてありました。どういうことなのでしょうか?ご教示下さい。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • utama
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回答No.1

他の保証人を免除すると、保証人間同士の求償権が行使できなくなります。(求償権は、法定代位権です。) 例:A債権者、B債務者、C、Dが連帯保証人とします。 Cが全額弁済したときは、債務者Bには全額、他の保証人Dには負担割合(定めがなければ半額)の求償権が行使できることになります。 AがDに対して保証債務を免除すると、CはDに求償権が行使できなくなります、したがって、その分、つまり、半額について保証債務を免除されるということになります。 このように、保証人にとって、他の保証人が存在するかどうかというのは重要なことです。したがって、債権者が、勝手に他の保証人を免除することは許さないというのが、504条の趣旨です。

aoyama0625
質問者

お礼

なるほど、求償権の部分で関わってくるんですね! 迅速で的確なご回答ありがとうございました!

aoyama0625
質問者

補足

あれ? そういえばこの「他の保証人」については、この「担保保存義務」 とどう関わっているのでしょうか?求償権は「担保保存義務」とは 直接関係ない気がするのですが・・・ 追加質問すいません、よろしくお願いいたします。

その他の回答 (1)

  • utama
  • ベストアンサー率59% (977/1638)
回答No.2

保証人間の求償権は、保証契約(人的担保契約)に基づくものですから、求償権の保護と、担保保存義務の間には関係があります。 具体的には、No.1 の事例で、A-C間の保証契約(人的担保契約)が免除されてしまうと、Cが保証人ではなくなってしまいますから、DはCに対して求償権を行使することができなくなります。 しかし、DはCが半分負担してくれると思って保証人になったのですから、知らない間にCが保証人から外されていて、求償できなくなってしまうというのはかわいそうです。 したがって、Dを保護するために、Aは勝手に他の保証人を免除(人的担保を放棄)してはならないということになり、これが、まさに、504条の担保保存義務になります。

aoyama0625
質問者

お礼

あ、そっか、保証契約=人的「担保」契約ですもんね!! これで100%すっきりしました。 全然法律関係は勉強したことや関わったことが無いのですが、 ちょっと仕事で必要になりまして・・・理解力が乏しくご迷惑をお掛けしました。 ご丁寧なご回答、本当にありがとうございました。

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