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天気図の前線用のデータはどうやってとるのですか

ふとした疑問ですが、 天気図で温暖前線とか寒冷前線とかを描くための、 データは何を使っているのですか。 アメダスですか。 それともひまわりから見た雲の形ですか。 暖かい空気と冷たい空気が、お互いに 片方の空気が片方の空気に覆い被さっているということは学校で習いました。 よろしくお願いします。

noname#2233
noname#2233

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  • puni2
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回答No.2

(前置き) いい質問ですね。 確かに,天気図の学習をすると,前線の位置はもう最初から与えられているものとして,この前線がやってくると天気はどう変化するか,といった話になります。 教科書でも,前線とは,性質(特に温度)が異なる2つの気団が接している境界面,と書かれており,たいてい暖かいほうの気団がピンク,冷たいほうの気団が水色で描いてあります。 ところが,実際には空気に色があるわけではありませんから,気象庁の予報官は,まず前線がどこにあるかという位置そのものを決めなくてはなりません。 最近のコンピュータによる気象データの解析技術の進歩には目を見張るものがありますが,実を言うと,前線解析(どこにどんな前線があるかを調べて決めること)は,まだコンピュータがかなり苦手とする分野です。 気象庁は数十種類の天気図を毎日何回も作成しており,そのほとんどは自動的にコンピュータが作成してくれますが,地上の天気図(新聞やテレビなどで日ごろ見かける天気図のことです)は最終的に予報官がマウスで集成を加えて仕上げています。特にその中に描かれる前線については,(参考となる情報はコンピュータが計算してくれますが)位置を決めるのは予報官の仕事です。 (本題) では,前線の位置を決める時にどんなデータを使っているか。 ご質問にあるアメダスも,ひまわりも,その他さまざまな気象データを使います。 ですが,一番使われるのは気温の分布図です。 地上の観測点での気温は,まわりの地形ですとか,地上の状態(宅地か工場か畑か森林か)などによっていろいろと局地的な影響を受けます。 そういった狭い範囲の影響を受けたデータですと,もっと広い範囲の気団の様子がかえってわかりにくくなるので,850hPa面(上空約1500m)の天気図が,前線を解析する際によく用いられます。 これだけで決めるわけではなく,もっと違う高度での天気図(に記された気温や湿度など)や,断面図なども用いて総合的に判断します。ひまわりから見た雲の形もかなり参考になります。 ちなみに,上空の気象データをどうやって測るかというと,1日に2回,世界中の測候所や気象観測船から一斉に(日本時間だと9時と21時)気球を空に放って観測しています。 また,局地天気図(関東地方だけなどのような,狭い範囲の天気図)を作成することもありますが,その場合にはアメダスの気温や風向のデータがかなり参考になります。(前線を境にして,気温や風向が異なっていることが多いので) ただこの分野でも,コンピュータ処理の精度向上を目指して,かなりの研究が進んでいるのは確かで,いかにして前線の位置を決めるかといった論文がいろいろと出ているようです。 なお, >何のデータ(点)をつなぐと前線(線)ができあがるの? とのことですが,「ここが前線だよ」という点をつないで線にしているわけではありません。 確かにラジオの気象通報では,通過点の緯度・経度が放送されて,聞いた人がそれをつないで線にしますが,それは前線解析が終わったあとに,天気図の上で通過点の緯度・経度を読み取っているのです。 最初の段階では,上で述べたようないろいろの図を参考にしながら(いわば,「周りを見ながら),もっとも適切と思われるところに線をひきます。

noname#2233
質問者

お礼

ありがとうございます!感動しました。 ばかな質問かなあと思っていたので、うれしいです。 教科書のように空気にピンクと水色の色があるわけじゃないし、と私も思っていました。 マウスで修正を加えるという現実感と親近感。 地上(私は百葉箱を思い描いていました)でなく上空1500mの天気図を使うことに驚き。 世界中で一斉に気球を上げるというスケールの大きさ。 前線の決め方が今でも論文のテーマになっていること。 知らなかったことばかりです。 「プロジェクトX」ばりですね。 こんなに面白いことを何で学校で教えてくれなかったのでしょう・・。 おっしゃるとおり、私は、ラジオの気象通報を聞いていて、 「『寒冷前線が東経*度北緯*度から東経*度北緯*度までにあります。』って淡々と言っているけど、何でわかるの?この人は?」と疑問に思ったのでした。 気球打ち上げ士さん、アメダス、ひまわり、コンピュータ、予報官さんの協力の賜物なのですね。 しかも毎日。雨の日も風の日も(それが本命!)。ご苦労さまです。

その他の回答 (2)

  • puni2
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回答No.3

(訂正)マウスで「集成」→「修正」でしたね。 > こんなに面白いことを何で学校で教えてくれなかったのでしょう・・。 そうなんですよね。あたかも最初からそこに,確固とした温暖前線なり寒冷前線なりが存在しているかのような扱いで,あとは両者の違いを学習して終り,みたいな感じで。 実際には,どこに気団や前線があるのか,またそれは何前線なのか,それを決めるまでが一苦労。 さらには,同じ温暖前線なら温暖前線でも,一つ一つ個性があって,それを見極めるのもまた一苦労。 (たとえば,教科書的には「温暖前線はしとしと雨,寒冷前線は激しいにわか雨」となりますが,梅雨末期の集中豪雨はほとんどが温暖前線によるものです。でも教科書がウソをついているというわけではなく,あくまでも平均的な前線像だからですね。) そういったところが,天気予報の難しさでもあり,面白さでもあると思います。ややオーバーに言えば,前線解析のダイナミズムというか醍醐味というか。 もちろん,中学2年で気象学の最先端を学ぶわけにはいきませんが,「なにげなく見ている天気図がどうやってできているのか」と,一言二言,エピソード的な紹介でもあれば,ちょっと違ってくると思うんですがね。 現在の中学校の指導要領(1993年から実施)では,天気図や気象衛星の情報などから天気予報がどうやってできるかという話にも触れており,教科書にも,世界各地で観測が行なわれて,そのデータが入ってきて…といった図が載っているのですが,2002年春からの新指導要領では,このへんがばっさり削られています。 このあたりの話に興味がおありでしたら,若干専門的になりますが 永澤義嗣「天気図の散歩道」(日本気象協会) 小倉義光「総観気象学入門」(東京大学出版会) あたりをお読みになると良いでしょう。 前者は,月刊誌「気象」に連載されたコラムを単行本にまとめたもので,天気図の出来方や裏話などに関心のある方には,きっと面白くお読みになれると思います。 後者は,「一般気象学」という本(気象予報士を受験する人のバイブルなどといわれる)の続編ですので,かなり専門的になりますが,「閉塞前線は本当にあるのか」など,前線や低気圧の構造に関する興味深い事例がいくつも載っています。 さらに理解を深めたい時は,両者にいろいろと図書や論文などが紹介されているので,そこからいもづる式にたどっていけます。 話が通じた嬉しさのあまり,つい余計なお世話を書いてしまいました。

noname#2233
質問者

お礼

ありがとうございます! 近年のTV天気予報は「降るか晴れるか、今の時期は予測は難しいんです。」なんてぶっちゃけたことを言うようになり、それがかえって科学的に思えて信頼感を増していますが、 降る晴れるの予言はさておき、何前線か決めるのにも苦労するとは!意外でした。 プロの予報士さんがデータを見て、「んんんん~?何前線?」と、首をかしげてしまうこともあるのですか。やはり自然相手は面白いですね! 中学校の先生が「昔、天気は科学じゃないから教科書に載せるのはおかしい、と言われていた時代があった」と言ったのを覚えてます。 「言われていた」レベルが、国か教育委員会か職員室の談話かはわかりませんが。 でも現代の気象学の世界は確かに熱く燃えているのですね~

  • ykkw_2001
  • ベストアンサー率26% (267/1014)
回答No.1

ホンの10年くらい前までは、アメダス情報と気象予報官の経験と勘だったそうですが、気象衛星の情報が充実して、計算機(ソフトウェア)の技術が進歩して、今は、コンピュータがはじき出しているそうです。 パソコン全盛の現代、気象庁は、今なお超高性能のスーパーコンピュータを利用する数少ないユーザーのひとつです。 と、まるで見てきたかのように書いてますが、私、ド素人なんで、全部信用しないように・・・

noname#2233
質問者

お礼

ありがとうございます。 ただもう少し具体的というか実際的に、各地の何のデータ(点)をつなぐと前線(線)ができあがるの?それとも雲の形を気象予報士さんが見て線を引いてるの?というのが疑問です。

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