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光の散乱について

starfloraの回答

  • starflora
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回答No.2

    どうしてそうなるかは、説明できないです。というか、これは、電磁波に関する微分方程式を解いて得られる結果で、何か比喩で説明するということができないのです。実は、説明できないにも拘わらず、分かった気分になっている現象が他にもあります。     光(電磁波)が、媒体(つまり、空気とか水)のなかを通る、あるいは入射した時、色々な現象が起こります。反射、屈折、吸収、散乱などがそうです。このなかで、「反射」は、空気の表面あるいは水の表面で、光が入射せずに、跳ね返って、元の方向に戻ることで、「屈折」は、まっすぐ進んでいた光が、空気や水に入ると、進行の方向が曲がることです。また「吸収」は、例えば色の付いた水に白い光を通すと赤くなるのは、赤以外の光がおおむね水に吸収されるからです。     これらの現象、つまり、反射、屈折、吸収は、どうしてそういうことが起こるのか、よく分かったつもりになっておられるでしょう? けれども、本当は、これもきわめて複雑な現象で、電磁波の基本方程式から、空気や水や、その他金属や、色々な物質の特性に従って、微分方程式を解いて答えが出てくるのです。     目に見える光の場合、反射や屈折や吸収は、比較的単純で、綺麗に分かるような形に見えます。けれども、これは、可視光線の場合、こうなるので、光は電磁波ですが、同じ電磁波でも、電波になると、可視光とはかなり違ったことが、反射や屈折や吸収で起こります。     例えば、密閉した部屋のなかには、昼間であっても太陽の光は入って来ません。ところが、そういう部屋のなかでも、ラジオは聞こえるのです(場合によって、聞き取りにくいことがありますが)。これは、ラジオの使う電波が、家の屋根とか壁を通り抜けて部屋に入って来ているのです。一体どうやって電波は、こういうことができるのか、考えると不思議ではありませんか。     あるいは、光をまったく通さない真っ黒な物体が、不思議なことに紫外線は通すということがあります。また、その反対に、光は通すが紫外線は通さないという物質もあります。こういう物質を使って、サングラスを造ると、紫外線から目が防げるのです。     あるいは、トレーデイング・カードのなかに、プリズム・カードというものがあるでしょう。また、3D画像が、ヴィデオの箱に小さく印刷されていることがあるでしょう。あれは、普通の「反射」でも「屈折」でもありません。では、一体何なのか、です。こう言ったことも、電磁波(光)の物質の分子との相互作用や干渉の結果で、実際にどういうことになるかは、やはり、微分方程式を解いて答えが出てくるのです。     反射や屈折や吸収は、電磁波と、物質の分子、原子、電子との相互作用の結果で、非常に複雑なことが物質の表面や中で、電磁波とのあいだで起こっているのです。可視光の場合、こんな複雑な説明をしなくても、光線を線で引いてみて、反射面で、折れ曲がって戻って来るとか、屈折の場合は、折れて水に入って行くとか説明すると、実際に起こっていることに合うので、納得が行くのです。しかし、本当は、もっと難しいことの結果、全体として、一見単純な結果になっているのです。     「散乱」というのは、光が電磁波であるということが非常にはっきりと出てくる現象で、散乱の結果どうなるかは分かるのですが、どうして、そういう散乱になるのかは、電磁気学の微分方程式を解くと出てくるのです。     空が青いとか、夕日が赤いのは、「レイリーの散乱」という現象によります。赤い色のガラスに光を通すと、光が赤くなるでしょう。何故赤くなるのかというと、赤以外の色の光が、赤いガラスのなかで、吸収され、赤い光はあまり吸収されないので、それが出てきて、赤い光になるのです。この時、何故、赤い光だけは、よく通すのか、という理由は、赤いガラスの分子と、電磁波の相互作用の結果そうなるのです。     つまり、光の波長に応じて、赤いガラスは、吸収する場合と、そのまま通す場合に分かれるのです。これは、赤いガラスの持つ特性で、どの波長の光をどれぐらい吸収するか、というのは、実験でグラフにすることもできます。けれども、どうして、こういう光の波長によって異なる吸収のグラフになるのかは、説明しようとすると非常に難しい話になります。     「レイリーの散乱」は、光の波長よりも、ずっと小さな微粒子に光が「散乱」する場合の現象です。光の波長は、赤い光が、大体0.8ミクロンで、青い光が0.4ミクロンです。レイリーの散乱は、「波長の4乗に逆比例」して起こります。赤と青だと、波長に二倍の差があるでしょう。すると、4乗ということは、16倍青と赤では違いが出てくるのです。何故「波長の4乗に逆比例」かは、方程式を解くと、そういう式が出てくるのです。     「波長の4乗に逆比例」ということは、波長が大きいと、散乱は小さいということになるのです。赤の方が、青より2倍ほど、波長が大きいのです。だから、赤の方が散乱が小さいのです。青に比べて16分の1です。そして散乱した光はどうなるかというと、四方八方に放射されるのです。     空気の層を長く通過すると、青の光は散乱され、四方八方に消え、赤い光が、散乱をあまりされず、そのまま空気の層をまっすぐに抜け出て来るので、目に届く光は、青はほとんどなく、赤ばかりなので、夕日や夕焼け空は赤いのです。     ここまでしか説明できません。何故、レイリーの散乱は、波長の4乗に反比例するのかは、大学で二回生か三回生頃に、電磁気学特論を学ぶか、このような現象を専攻されれば、分かるようになるでしょう(努力すれば、分かるでしょう)。  

ho-ho-
質問者

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